ベトナム向け農産物の輸出は、日ベトナムEPAが発行してから11年目を迎える「2019年4月1日」と、15年目を迎える2024年4月1日がポインです。これら二つの時期から、ベトナム側で設定されている高額な関税が次々と撤廃される予定です。そこで、この記事では、協定発効後11年目と16年目において、それぞれどのような商品の関税が撤廃されるのかをご紹介します。
ベトナム向け農産物の輸出に関わる関税
目次
2009年、日本とベトナムは「日ベトナムEPA」を締結しました。この協定により、両国で設定されている関税は撤廃の方向へ進むことになりました。2016年は、協定発効から8年目を迎えます。当時、高額に設定されていた関税も、今では他国産の商品よりも関税面で大きなメリットを受けています。
例えば、りんごがあります。8年前の協定発効時における「日本産のリンゴ」は、約17%の関税がかけられていました。2016年は、協定発効から8年目を迎えます。当時17%だった関税も「5.5%」まで低減されています。8年間で約10%の関税が下がったことになります。2019年4月1日以降は、日本産のりんごの関税は完全に無税扱いです。
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ベトナムが設定している農産物への関税は、リンゴだけではありません。以下に説明する農産品も2019年4月または2024年四月を迎えると「関税なし」でベトナムへ輸出できます。これらの作物を生産されている方は、ベトナムへの輸出を検討されることをお勧めします。
ベトナム国内で設定されている農産品に関する関税率と撤廃時期
下記に示す農産品は、2019年4月1日付で関税が撤廃される商品です。しかし、これは既定の時期がきたら、突然関税がなくなるのではありません。2019年4月に関税がゼロになるように、毎年徐々に関税が引き下げられています。協定発効から8年目にあたる2016年では、ある一定の関税がすでに引き下げられている状況です。
下の表をご覧ください。各品物の右隣にある関税率は、協定の付属書に記載されている基本税率です。協定発効時に設定されていたこれらの税率がすべてゼロになる予定です。
2019年4月1日以降に関税が撤廃される品物
えんどうの生鮮品(殻付きok)8.5% | 豆 8.5% | スイートコーン 10.6 |
ごぼう 12% | きゅうり 9% | マッシュルーム 10% |
キャッサバ芋(食用) 12% | クルミ 10% | グレープフルーツ 10% |
ぶどう 17% | りんご 17%→2016年現在5.5% | さくらんぼ 8.5% |
あんず 6% | いちご 6% | もも 6% |
ぷらむ 6% | いちご(砂糖を加えたもの) 9.6% | 紅茶 12% |
2024年4月1日以降に関税が撤廃される品物
玉ねぎ 8.5% または73.7円/KG | さつまいも 12% | オレンジ 16%または32% |
マンダリン(みかん) 17% | さくらんぼ(保存処理をした物)17% | オレンジ(保存処理をした物)16%または32% |
マンダリン(保存用に適する処理をした物)17% | コーヒー(焙煎していない物)カフェイン有り無し、10% | 緑茶 17% |
まとめ
ベトナムへの農産品の輸出は、りんご、マンダリン(みかん)、緑茶などに大きなチャンスがあります。特にさつまいもに関しては、海上コンテナによるダメージを受けにくい「耐力がある農産品」です。また、皆さんもご存知の通り、日本のサツマイモは極めて糖度が高いです。この甘さにほれ込む国民性であれば、必ず売れるはずです。
あとは、現地にてどのような農産品が求められているのかをしっかりとリサーチをして、現地バイヤーに売り込みをかけていくことになります。商品的な魅力と向こうの求めている物が一致さえすれば、意外にすんなりと取引につながります。
基幹記事:東南アジアのトビラ

