「EPA」生産者の定義とは?ファブレスメーカーはどうなる?

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    自由貿易を活用するときは、特定原産地証明書という書類が必要です。特定原産地証明書は、輸出者、または製造者が日本商工会議所に申請することにより、受け取れる書類です。輸出者は、この特定現地証明書を受け取ると、輸出する商品が「日本の原産品であること」を証明することができ、相手国で関税の免税などが受けられます。

    特定原産地証明書の取得ができるのは、輸出者または、製造者(生産者)です。この内、製造者=生産者には、実は若干、広い意味が含まれていて、次の二者が含まれます。

    1. 商品を製造した会社
    2. 商品の製造を委託している会社(ファブレスメーカー)

    2番のファブレスという言葉を初めて聞かれた方も多いかと思います。ファブレスメーカーとは「製造設備を一切持っていない会社」のことです。製造設備を持っていなのに、対外的には、「製造者」しているのが大きな特徴です。近年、この形態での「製造者」が増えているため、EPAでは、このファブレスメーカーも生産者に含まれるとされています。

    そこで、この記事では、EPAでいう「生産者」とは、どのような定義になっているのか? ファブレスメーカーが生産者として認められるための注意点などをご紹介していきます。

    工場 イメージ

    EPAの生産者を正しく理解しよう!

    EPAの申請ができる人は?

    EPA(自由貿易)を利用するための特定原産地証明書を取得できる人は、輸出者または生産者です。輸出者とは、対象の商品を自由貿易の相手国へ輸出する人です。一方、生産者とは、その輸出する商品を生産した人です。この生産者には、実際に商品を製造した会社以外にも、商品の生産を委託している会社も含まれます。

    EPA上の生産者に該当する人

    ・実際に製造しているところ(受託生産を含む)
    ・他社に製造を委託しているところ(委託生産)

    1番の「自社で製造している所」とは、生産設備を持っていて、実際に商品を生産する会社(日本国内で設備を有して生産活動をしている会社)を指します。生産者と聞いて、すぐに思い浮かぶ会社だと考えればいいです。一方、他社に製造を委託している所が、先ほどから説明している「ファブレスメーカー」です。

    ファブレスメーカーとは?

    ファブレスメーカーとは、登記上は、製造業であるのに、生産設備がない会社です。もちろん、生産設備がないわけですから、それをどこかの会社に委託して生産する必要がありますね。つまり、ファブレスとは、工場(ファブ)がない(レス)状態で、対外的に、製造会社をうたい、実際の製造は、生産設備がある会社に委託して、製品を供給する会社のことです。

    近年は、初期の設備投資を小さくするために、このようなファブレス形態の製造会社が増えています。

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    ファブレスメーカーは生産者になれるの?ポイントは、指揮監督にあり!

    EPAでいう生産者には、このファブレスメーカーが含まれるとされています。しかし、すべてのケースで生産者扱いになるのかというと、そうではありません。EPAでいう生産者の定義に含まれるには、次の3つの条件をすべて満たさなければなりません。

    • 輸出する商品の加工を外注している。
    • この外注生産は、使用する原材料から、工程管理まで一切の指揮監督をしている。
    • 製造している商品の細部まで説明ができること

    つまり、

    本当に委託生産をしているのか?

    単なる完成品を購入しているだけではないのか?

    という点が重視されていることになります。単なる完成品の購入であれば、生産者ではなく輸出者に該当します。EPAでいう生産者とは、製造設備を持っていない=外注生産している。でも、生産に関することをすべてコントロールしている会社を指します。

    EPAの生産者には、ファブレスメーカーが含まれます。ただし、ファブレスメーカーであっても、生産に関する指揮監督をしていないときや、工程に関する細部にわたる説明ができないときは、生産者には該当しません。

    委託生産をすると、生産者が二者になります。

    実は、EPAを利用するにあたり、ファブレスメーカーは、覚えておいた方がいいことがあります。それが「生産者が二者になること」です。

    すでにお気づきの方も多いかと思いますが、EPAでいう生産者とは、実際に商品を製造している会社または、製造を委託している会社のどちらかでしたね。もし、貴社が製造を委託してる会社であれば、貴社とは別に、受託している企業(実際の生産をしている会社)もEPA上の生産者になることができます。

    大切な部分ですからもう一度、申し上げます。

    EPA上の生産者には、貴社(委託生産をしている会社)とは別に、貴社の依頼を受託している会社(商品を製造している会社)も含まれてしまうのです。いかがでしょうか? 何かピンときませんか? そうですね。この仕組みをうまく使えば、貴社の商品とほぼ同じ物を勝手に「原産品登録」して、他の輸出者に「生産者同意通知」ができてしまうのです。

    原産品登録とは? EPAで利用ができるように、日本の原産品として登録することです。

    生産者同意通知とは? 登録した原産品情報を輸出者(他社のライバル会社を含む)が使えるようにすることです。

    仮に、自社の商品を世界に向けて独占的な輸出を考えているときは、他社(貴社の商品を仕入れて輸出する所)が特定原産地証明書を取得できないように「生産者同意通知」をしないなどの方法があります。これであれば、貴社の商品に対する特定原産地証明書は、貴社が輸出するときしか発行できないため、関税上、有利な状況で独占輸出ができます。

    しかし、仮に貴社が製造を委託している会社(EPA上の生産者の定義を満たす所)が勝手に原産品登録をしてしまい、他者(第三者である輸出者)に生産者同意通知をしてしまうと、いかがでしょうか? 上記のように、生産者同意通知による輸出のコントロールが難しくなってしまいますね。これがファブレスメーカーのリスクです。

    貴社は、委託生産するときのリスクを考えていますか?

    ファブレスメーカーは、委託生産している会社に商品情報をパクられることを想定して、製造契約書などでコントロールされているかと思います。しかし、その契約書の中に、しっかりとEPAに関する取り決めを盛り込んでいますか?

    EPAの仕組み上、生産者には、委託生産をしている会社と、実際に受託をして生産している会社の二者が含まれます。したがって、EPAをうまく利用すれば、貴社が委託している商品情報を使って、別の名前の商品として勝手に原産品登録ができます。そのため、このリスクを小さくするために、契約書の中に、EPAに関する取り決めを盛り込んでおく必要があると言えます。

    委託した生産品情報の全部、または一部を使い、原産品登録をしないことなどの文言を契約書に織り込むことが重要です。

    まとめ

    • EPA上の生産者とは、輸出者または生産者の二者です。
    • 生産者には、実際に商品を生産する会社と、生産を委託する会社(ファブレス)の2者が含まれます。
    • 商品の生産を受託している会社は、必ず日本国内に生産設備があること
    • 生産を委託している所は、契約書などに「原産品登録しないこと」を確認する文言を入れるべきです。
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