日欧EPAの事後確認(検証)の仕組み

日欧EPA事後確認 TPP/日欧/日米協定
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日欧EPA(日本とヨーロッパとの自由貿易協定)を使うと、日本側、EU側でかかる関税が免除されます。免除の恩恵を受けるには、対象の貨物が「日本またはEUの原産品であることを証明」する必要があります。対象貨物が原産品であることが認められれば、日本またはヨーロッパに関税無税で輸入ができます。「日本またはEUの貨物であること」が絶対的な条件であり、この条件から外れる物は、関税上のメリットを受けられません。

実は、日本とEUの双方の税関は「原産性がある貨物であるのか?」を輸入申告時と別に、輸入の事後でも確認をしています。これを「事後確認」や「検認」と言います。仮に、輸入時にごまかしたとしても、この事後確認で立証できないと、これまで受けていた関税の免税の取り消し+ペナルティを課せられる可能性があります。そこで、この記事では、日欧EPAにおける事後確認の仕組みをご紹介していきます。

事後確認

事後確認とは、事後の言葉からもわかる通り、輸入をした「後」に貨物の原産性を確認する仕組みです。

例えば、日本の産品がEUに輸出されているときは、EU側の税関が事後確認をします。他方、EUの荷物を日本に入れているときは、日本税関が調査をします。関税を免除した側の税関が「本当に関税を免除する貨物に値する物だったのか?」を事後的に調査しています。よく事後確認と聞くと、税関による通常の事後調査と一緒だと考える方がいらっしゃいます。しかし、EPAの事後調査は、その調査とは、別枠でも行われます。

事後調査で不正が見つかるとどうなる?

事後調査のときは、その貨物が本当に「日欧EPAの原産品に該当する貨物だったのか?」を書類により説明していきます。このとき、書類の保管が十分でなかったり、原産性基準をクリアしていなかったりすると、関税が免除されていた部分が「遡及的に」取り消されます。遡及的とは、過去にさかのぼって適用されることです。

例えば、過去2年間にわたり、日欧EPAを活用して、500万円の関税の免除されていたときは、その500万円の一括納付はもちろんのこと、理由によりペナルティが課せられます。一例でいうと、タイの税関では、免除を受けていた関税額の約5倍の金額を請求された事例もあるそうです。そのため「輸入時だけやり過ごせばいい」という安易な考え方はやめて、必ず日欧EPAの原産品である確認をした上で輸入することが重要です。

不正行為による免税輸入は、脱税行為です。協定を適用して輸入する時点で大きなメリットを受けられる反面、非常に大きな責任があることを覚えておきましょう。

日欧EPAにおける事後確認の仕組み

事後確認の意味が分かった所で、日欧EPAにおける事後確認の種類をご紹介していきます。日欧EPAでは、次の3つの方法があります。

  1. 輸出者自己証明による事後確認
  2. 輸入者自己証明による事後確認
  3. 輸出貨物に関する事後確認

1.輸出者自己証明の事後確認

輸出者の自己証明で輸入申告をしたときは、次のように事後確認がされます。この場合の検証は、一次的に輸入者に対する検証、二次的に輸出者に対して行われます。一次的な検証で十分な情報が得られた場合は、輸出者に対する検証(二次検証)は行われません。

ポイント:

  • 輸入国側の税関は、輸入者に検証ができる。
  • 検証を受けた輸入者は、輸出者に依頼をして、必要な情報を輸入国側の税関に直送もできる。
  • 輸入者が検証を受けたにも関わず一切回答しない場合は、3か月後に「否認」ができる。輸入国税関からの問い合わせには真摯に対応するべき。

日欧EPA事後確認

もし、輸入者が情報を出せないときは、輸出者から情報を提供もできる。

 

日欧EPA事後確認

もし、輸出者から十分な情報を得られないときは、輸出国税関を通して輸出者に対して検証をします。(日欧EPAは、輸出国側の税関を通す「間接検証」が行われます。)

日欧EPA事後確認

十分な情報が得られないと…….輸出国税関を通して、輸出者に対して検証します。

日欧EPA事後確認

輸出国税関は、輸出者に対して調査をし、その結果を日本税関に報告します。

日欧EPA事後確認

2.輸入者自己証明による事後確認

輸入時に「輸入者自己証明」で申告しているときは、輸出国側に対しての検証は一切行われません。すべて輸入者に対して行われます。輸入者による自己証明は、輸入者が貨物に対する情報を所有して申告することが前提になっているからです。つまり、輸入者が十分な情報を提出できない時点で、免税されていた関税は「否認」されます。

日欧EPA事後確認

3.輸出貨物に対する事後確認

輸入者に対する検証の結果、十分な情報ができないときもあります。その場合は、輸出貨物に対する事後確認がされます。この場合も必ず輸入国税関は、輸出国税関を通して事後確認をしていきます。

日欧EPA事後確認

まとめ

  • 日欧EPAは、日本とヨーロッパの原産品に適用できる仕組み
  • 原産品と認められると関税の減税や免税を受けられる。
  • 輸入時にクリアしても輸入後の確認により、免税分が遡及的に課税される可能性がある。
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