この記事は、レベニュートン(R/T)、WM、M3などの貿易用語を解説しています。
貿易書類には、R/T(レベニュートン)、RT(Revenue Ton)、CBM(Cubic Meter)など、様々な記号が出てきます。実務の現場では「M3はいくつ?」などの表現もするため、なおさら混乱します。そこで、この記事では「RT」や「CBM」の概要と使い方などをご紹介していきます。
■この記事の結論
- RTまたはRTNは、容積から算出した重量と実重量(本当の重量)を比較して、重い方を輸送費用の算出基準にすること
- CBMは、貨物を直方体に換算した容積です。
レベニュートン、RTとCBMが示す単位とは?
RTまたはCBMは、どちらもパッキングリスト(商品のリスト)やB/L(船を積んだときに発行される書類)またはアライバルノーティス(船の到着時に発行される書類)などの運送に絡む書類に登場します。(運送価格を決めるときに活用します。)
例えば、あなたは、東京から北海道まで荷物を送るとします。ゆうパックで荷物を発送するときは、東京から北海道までの決定(発送元と発送先の確定)と荷物の重量を計測します。その結果、縦×横×高さの合計値が「○○センチだから○○円になります!」と配送料金が決まります。
ポイント:場所の決定と送る重さにより重量が決定します!
実は、RTやCBMも上記のように運賃の算出時に使います。では、ここで一つ想像してもらいましょう。仮にあなたが東京まで貨物を運ぶとします。そのときは、いくらで計算しますか?
例えば、名古屋から東京まで一つ10キロの荷物と50キロの荷物を運ぶなら、どちらの料金を高くしますか? 多くの方は、重さ”だけ”を基準にして、重い方の50キロの方を高くするかと思います。では、仮にこの重さが同じときはいかがでしょうか?
例えば、名古屋から東京まで同じ重さ(10キロ)の荷物を運びます。ただし、一つは「綿が10キロ」、もう一つは「炭」が10キロです。このとき、綿と炭であれば、どちらが「スペース」を必要するかを考えて下さい。もうお分かりですね。ふわふわである綿の方がより多くのスペースがいります。
つまり、運送料金を決めるときは、その貨物の「容積(どれだけのスペースを使うのか?)」と「重さ」を比較検討して判断する必要があります。この容積と重さを比較検討した結果、重い方を基準とする考え方を「RT(レベニュートン)」と言います。各貿易書類では、このRTを「R/T」、「RTN」または「W/N」と表現します。
書類によって表現方法は違いますが、以下はすべて同じ意味です。
- RT(レベニュートンは、重さと容積を比較して重い方を輸送料金の基準とすること
- RTは、その他、R/T、RTN、W/Nと表現される。
レベニュートンが必要なとき
レベニュートンの考え方は、国際間の輸送費(船や航空機)を計算するときや、日本国内におけるトラック輸送費の計算で活用します。
- 東京からロサンゼルスまで船で運びたい。このときの運賃は?
- ニューヨークの空港から上海に貨物を運びたい。このときの料金は?
- 東京港から横浜市○○区の倉庫まで輸送したい。このときの混載便料金は?
このような輸送費を計算する上で、レベニュートンを使います。
RTとCBMの意味
先ほどからRTは、容積から計算する重さと実際の重さを比較して重い方を採用すると説明しています。この内、実重量とは、実際の重さです。送る商品を重量計にのせると示される重さ、これが実重量です。一方の容積から換算する重量は「CBM」に表示される値に、換算レートをかけて重量を割り出したものです。
CBMとは?
CBMを一言で申し上げると、商品の容積です。容積は、縦、横、高さの辺をそれぞれをかけると求められますね。そして、この求めた結果を「1立方メートル」に換算した数字が「CBM」です。
例えば、一辺が0.5m四方の箱があります。この箱が100個あるとすると、0.5×0.5×0.5(一つの箱の容積)×100(100個分)=12.5㎥です。この貨物であれば「12.5CBM」と表します。
*単位は「m」が基準です。
そして、容積重量とは、このCBMに対して「換算レート」をかけて求めます。換算レートは、船の輸送、航空輸送、国内の混載便輸送で、それぞれ次の通りに決められています。
- 船の輸送→1立方メートル=1000キロ
- 航空輸送=貨物一つをCMにした後、6000をかける
- 混載便=一立方メートル=280
例えば、船の輸送で下記の貨物を輸送するのであれば….
実重量:50キロ 貨物の大きさ:一辺が10CMの箱×20個
0.1×0.1×0.1×20=0.02
この0.02に対して換算レート(1000)をかけると、20キロです。
よって実重量50キロ、容積重量が20キロとなり、この場合は実重量である50キロを基準にして輸送料金を計算します。
関連記事:
実際の活用例
レベニュートンの考え方の結果、輸送料金の算出基準である重量が決まったらどうするのでしょうか? 実際の輸送料金の見積もり書をもらったときの活用方法をご紹介します。
どこかの国へ輸出ま輸入の検討をするときは、フォワーダーに輸送料金の見積もりをお願いします。このとき「フォワーダーに見積もりをお願いするときのポイント」を参考にすると良いです。この結果、フォワーダーから以下のような見積書が届きます。
LCL(コンテナ未満で輸送するとき)の見積もり例
- O/F:$100/WM
- THC:¥3000/RN
- Doc Fee:$20/BL
- VSL:SITC 110W
- SHANGHAI C/O:12/21
- SHANGHAI ETD:12/22
- NAGOYA ETA:12/25
O/Fはオーシャンフレイト(海上運賃)の略です。その次に「WM」という表記がありますね。こちらが「レベニュートン」を指します。つまり、この見積書の場合、容積重量と実重量を比較して、重い方を基準にして100ドルをかけることを表します。
計算例:
- 縦×横×高さ×貨物個数=0.5CBM
- 容積重量換算:0.5×1000=500KG
- 実重量200KGの場合であれば、容積重量の500KGを採用
- よって上記の見積書の金額のベースは、0.5CBMで計算
5.上記の見積書の中にある「O/F:$100/WM」「THC:¥3000/RN」は、それぞれ次のような計算をします。
- O/F:$100/WM→100×0.5=50USD
- THC:¥3000/RN=3000×0.5=1500円
海上運賃の見積もり・削減コンサルフォームFCLとLCLの違いとは?
まとめ
- レベニュートンは、実重量と容積重量の内、重い方を「配送料金の基準重量」
- レベニュートンの考え方は、海上(航空)運賃やトラック輸送費を決めるときに使います。
- CBMとは貨物の容積です。
- 海上運賃の計算をするときは、このレベニュートンとCBMの2つを合わせて考えます。
中国輸入通関もお任せ!DIGISHIPで全てがワンストップ!即時、見積可能!
この記事をお気に入りに登録