海外から個人輸入(直接購入)するときは、いくつかの注意点があります。
例えば、商品に対する税金(消費税)です。日本国内で何か物を購入すると、一律10%の税金がかかります。いわゆる消費税です。実は、輸入品には、この消費税とは別に「関税」と呼ばれる税金もかかります。関税は、消費税のように一律ではなく、どこの国から何を輸入するのか?によって変わります。消費税よりも少し複雑な仕組みです。海外通販は、この複雑な関税と消費税の2つを支払います。
そこで、この記事では、海外から直接購入(個人輸入)するときの注意点をご紹介していきます。
海外から商品を輸入するときの注意点
海外から好きな商品を購入できると、日本では手に入らないユニークな商品を楽しめます。そんな海外通販を楽しむ上での注意事項を確認していきましょう。主な注意点は、次の7つです。
- 商品代金とは別に送料、関税、消費税がかかる
- 商品の品質に必要以上に期待するのはやめる。
- 胡散臭いショップとはかかわらない。
- 個人使用目的と商売目的の違いを理解する。
- 結局、自分の責任と考える勇気を持とう。
- 輸入が禁止されている物に気を付ける。
- 輸入が「規制」されている物がある。
1.商品代金とは別に送料、関税、消費税がかかる。
輸入する商品には、商品代金の他、送料、関税、消費税などの費用が発生します。そのため、日本国内と価格で比べる場合は、これらの費用を合算して考えます。
例えば、革製品は、関税率が30%前後です。1000円であれば、300円が関税です。また日本までの国際送料も大きなポイントです。必ず輸入諸経費を考えた上で、日本国内の価格と比較検討しましょう!
革製品の例:ハンドバッグ、財布、レザージャケットなど。
2.商品の品質に必要以上の期待するのはやめる。
百円均一に行かれたことはありますか? 最近は、とてもオシャレな製品があり、商品だけをみると「雑貨屋」としても通じる気がしますね。しかし、一見、きれいにみえる商品でも、製品とは呼べない粗悪なものが混じっていることがあります。
例えば、先がつぶれているボールペン。閉じる金具部分がないバインダーなど、例示すれば、キリがないです。海外から輸入する商品は、何らかの欠陥部分があることを前提にして購入する方がいいです。
悪く言えば、テキトー、よく言えば、おおらか? 少しイラっとする部分もありますが「そんな物かな~」と、ある程度は、流しましょう!
3.胡散臭いショップとは、関わらない。
海外のショップ、特に中国系のサイトは、注意した方がいいです。納期遅れ、品質が悪いのは当たり前。中には、注文したものと現物が違うこともあります。ただし、中国系のサイトは、安いのが魅力であることも事実です。そのため、もし、中国系のサイトならアリエクスプレスなどを使います。
アリエクスプレスには「エクスクロー」という仕組みがあります。エクスクローとは、商品の決済代金を第三者、この場合であれば、アリエクスプレスが仲介をして、取引の安全性を高める仕組みです。
例えば、アリエクスプレスで購入すると、決済代金は、次のように流れていきます。
- 購入者(日本人)が商品代金をアリエクスプレスに支払う。
- 出品者は、購入者に商品を送付する。
- 購入者は、荷物が到着したら現品を確認して、問題がなければ受領を押します。
- 購入者が受領ボタンを押すと、アリエクスプレスから出品者にお金が支払われます。
この1~4の流れで決済代金が動くため「購入したのに、商品が届かない」「商品がおかしい!」などの心配をする必要はありません。
4.個人使用と商用輸入の明確な違いを知る
商品を輸入するときは、輸入する目的が重要です。ここでいう目的とは…
- 個人使用目的での輸入なのか?
- 商売目的での輸入なのか?
です。個人使用目的とは、自分が使うために輸入することです。有償・無償問わず、誰かにあげたり、貸したりもできません。文字通り、自分だけのために輸入することが個人使用目的です。一方、商売目的とは、転売、原料に使用等を含めて商売として使用する物を輸入することが対象です。
輸入目的が 個人目的であるのか? または 商売目的であるのか?
によって、関税の計算方法、必要な法令などが変わってきます。
輸入する目的は?
- 個人使用目的:初めての海外通販ガイド
- 商売目的:段ボール一つから始める輸入ビジネス
- 関連記事:個人輸入と小口輸入の違い
5.すべては自己責任
海外で販売されている商品。でも、日本では認められていない物はたくさんあります。例えば、薬関係です。薬を商売目的で輸入するのは非常に厳しいです。一方、個人使用目的であれば、既定の範囲内で輸入ができます。しかし、これらを輸入したときは、基本的に自己責任であることを知っておく必要があります。
これは薬の輸入だけではありません。その他の輸入品でも製品に関する不具合なども含めて、すべて外国のお店とあなたの問題です。日本の消費生活センターなどに話を持ち込むべきことではありません。あなたの責任で問題を処理しなければなりません。
6.輸入が禁止されている物がある
基本的に海外にある商品は自由に輸入ができます。しかし、中には輸入禁止であったり、輸入が規制されている商品があります。
7.輸入が規制されている商品がある。
禁止はされていない。でも輸入が難しい商品はあります。
例えば、食品や皿など、口に入る可能性がある商品です。これらは「食品衛生法」の規制を受けます。植物は「植物防疫法」、肥料は「肥料取り締まり法」の規制など、品目ごとに関係する省庁がいます。(税関の許可を受けるために確認)もし、販売目的で商品を輸入する人は、この関係法令(他法令の確認)を覚えておきましょう!
下の図は、税関の輸入規制品のリストです。以下の図の緑枠と赤枠をご覧ください。
左の赤枠は規制する法律名を表しています。右側の緑枠は、その規制を管轄する省庁が表示されています。輸入が規制されている商品を輸入する場合は、自分がどの規制に該当する商品であって、それはどこの省庁が管轄しているのかを確認します。これらの確認が終わると、初めて税関の許可が下ます。
まとめ
海外から商品を輸入するさいは様々な注意点があることがわかりました。特に重要だと思う点は、「商用利用と個人利用との取り扱いの違い」、「輸入が禁止になっている商品、規制されている商品」を把握することです。輸入実務の世界では「知らなかった」では済まされないことが多いです。もちろんそれ相応の責任を負わされますから、十分に注意をして輸入しましょう。
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