キャンプ場へ行くとさまざまなテントがあります。ひときわ大きなもの、個性的な形のもの、目を疑いたくなるような派手なものまで、所有者の「個性」をひしひしと感じます。今回は、この「テント」を海外から輸入するときに必要になる「関税のポイント」や「海外のアウトドアショップ」などを紹介します。
個人でテントを輸入する方法
目次
海外からテントを輸入する際は、商品自体の料金はもちろんのこと「国際送料」「保険」「関税」「消費税」なども負担する必要があります。このうち、関税と消費税については、日本の税関に納めます。
ただし、一般的には配送業者が代理で、税関に関税などを納めた後、商品の配達先で立て替えた税金を徴収する仕組みになります。これによって、あなたは「関税や消費税を納めるために税関に出向くことなく」商品を受け取れるようになっています。
輸入するテントには、どのような関税がかかるのでしょうか。また、その関税は、どのように決まるのでしょうか?
テントの関税をきめる要素
輸入商品の関税は「商品が持つ要素」によって決まります。詳しくは、関税の決定の流れをご覧下さい
海外製のテントの場合は「原産国」「材質」の二つの要素によって決定します。これら二つの要素をもとにして「関税表」と照らし合わせて関税率が決まる仕組みです。では、これらの要素を一つ一つ検証していきます。
「テントの原産国」とは、テントが製造された国のことをいます。
例えば、アウトドアブランドである「ABC(仮称)」という欧州の会社があるとします。この会社の製品は「欧州ではない海外の工場」で製作しています。したがって、この場合の原産国は「欧州以外の国」になります。商品のブランドがどこの会社といより、その商品が「どこの国で製造された物」なのかが重要になります。
もう一つの要素である「テントの材質」は以下の三種類があります。これらの要素のうち、テントの材質がどれに該当するのかを考えればいいです。
1.合成繊維のもの
2.紡織(ぼうしょく)用繊維製(綿製)
3.合成繊維以外の紡織用繊維
しかし、該当するか、しないかを考えるにしても「紡織用繊維」など聞きなれない言葉が並んでいます。そのため、まずはそれぞれの言葉が持つ意味を知る必要があります。
「合成繊維」とは、主にナイロン、ポリエステル、アクリルなどの化学繊維のことを言います。多くのテントは、これに該当するはずです。
「紡織用繊維」とは、綿、麻、ウールどの天然素材や、アクリルなどの人造繊維の総称です。テントの関税の分類によると、その中でも「綿製の物」と「綿製以外」の二つに分かれています。
つまりテントの関税分類は「合成繊維」「紡織用繊維(綿製)」「合成繊維以外の紡織用繊維(綿以外)」の三つが存在することになります。
輸入するテントの材質をチェック
テントの関税
それではテントの関税の決定要素がわかったところで、実際にWEBタリフ(関税表)を確認します。
この表によりますと、テントに関する輸入関税は、以下の通りとなります。(2016年8月現在)
HSコード:6306.22.000 合成繊維製のもの 4%
HSコード:6306.29.100 紡織用繊維製(綿製)5.6%
HSコード:6306.29.100 紡織用繊維製(綿製以外)4%
紡織用繊維の「綿製テント」が最も高い関税がかかることがわかります。それ以外は4%で同率といえます。この事実をふまえると、輸入テントを購入する際は「テントの材質に綿が含まれているかどうか」を確認することがポイントになります。
テントを無税で輸入できる原産国
先ほど、テントの関税を決定する要素の一つとして「テントの材質」を述べました。では、「テントの原産国」は関税決定にどのような影響を与えるのでしょうか? 実は原産国は、テントの材質よりも関税に大きな影響を与える要素です。
現在、日本は特定の国と経済的な結びつきを強めるEPA(経済協定)を結んでいます。これはお互いの国で生産されている商品の関税を「相互に撤廃または低率の方向」へ努力するように約束をしているものです。日本は、2016年8月現在、16の国と地域で連携を行っています。
もちろん、この関税を安くする物の中には「テント」も含まれています。したがって、テントの原産国が以下に示す国である場合、関税を支払うことなく輸入することができます。
テントの関税を無税で輸入できる原産国リスト(EPA締約国)
シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、アセアン、フィリピン、スイス、ベトナム、インド、ペルー、オーストラリア、モンゴル
テントの原産国がEPA締約国であれば関税は無税
国際郵便、国際宅配便で輸入する際のポイント
国際郵便や国際宅配便を使って輸入するときのポイントです。これら二つの配送方法で日本に到着した貨物は、こちらから要望しない限り「簡易税率(商一般の関税表よりも簡易的にしたもの)」が適用されます。これは、一般税率よりも大まかに区切られていて、税関の業務の効率化を図っています。しかし、この簡易税率には問題点があります。それが「EPAの国で作られた製品であっても誤って課税されてしまう」ことです。
通常、テントなどを簡易税率で分類すると、簡易税率5%の所へ分類されてします。しかし、これでは先ほど述べたEPAによる「関税無税」での輸入ができません。そこで、これらを防止するために、海外のショップに「EPAを適用してほしい」旨を商品のラベル等に追記してもらうようにします。(表ラベルに記載)また、併せて商品やインボイスに「Made in ○○」という表記が分かるようにしておきます。(○○はEPA締約国)
これによって税関などでEPA対象国の製品に誤って課税してしまう可能性が低くなります。
おすすめの海外ショップ(アウトドアグッズ)
海外ショップサイトでアウトドア用品を購入するさいに有名な三つのショップを紹介します。この中にあるアマゾンは、アマゾンUSAの他にもイギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランドなどにも存在します。これらのアマゾンを使って購入するだけでも世界中の商品を購入することができます。
・REI
まとめ
海外製テントを日本へ輸入するさいにかかる関税は、テントの「材質」と「原産国」によって決定します。関税がかからないように輸入したい場合は、原産国がEPA締約国である必要があります。それ以外の国を原産国とするテントは、一律4%~5%の関税がかかります。