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ドライフルーツ輸入ガイド|規制・検査・違反傾向と実務対策

ドライフルーツ輸入ガイド

  • ドライフルーツは2025年度重点品目で、オクラトキシンA基準5μg/kg以下、総アフラトキシン10μg/kg以下、残留農薬は品目別基準を遵守。
  • トルコ産干しイチジクはオクラトキシンA超過、イラン産干しブドウは残留農薬超過事例が多い。
  • 輸入時は植物検疫証明書、ISO17025認定ラボの検査証明書、衛生証明書、包装仕様書をロットごとに準備。
  • 湿度60%以下維持、乾燥剤・酸素吸収剤併用、湿度計記録を品質証明に活用。
  • 高リスク国・新規取引先は全ロット検査、無違反実績先は抜き取り検査で効率化。

2025年度の輸入食品監視指導計画で、ドライフルーツ(干しブドウ、干しイチジクなど)が重点品目に指定されました。菓子、製パン、加工食品など幅広い用途で需要が高い一方、カビ毒(オクラトキシンA)や残留農薬のリスクが指摘されています。収穫後の乾燥・保管・輸送条件によって品質が大きく左右されます。

ドライフルーツの輸入リスクと基準値(日本国内)

  • オクラトキシンA:5 μg/kg 以下
  • アフラトキシン(総量):10 μg/kg 以下
  • 残留農薬:品目および農薬ごとに基準値が規定
  • 法的根拠:食品衛生法第11条および関連告示
  • 違反時措置:廃棄、積戻し、加工制限など

過去傾向:トルコ産干しイチジクでオクラトキシンA超過、イラン産干しブドウで農薬残留超過事例多数

検疫・輸入手続きの流れ

植物検疫法上の確認

一部のドライフルーツは種子や茎が残っている場合があり、輸入に植物検疫証明書(原産国発行)が必要になることがあります。未取得の場合は輸入が認められません。

食品衛生法に基づく届出

検疫所への輸入届出を行い、リスクの高い場合は命令検査が指示されます。

検査・証明書の添付

カビ毒や残留農薬の検査証明書、衛生証明書、包装仕様書などをロット単位で準備。

輸入後の監視

市場流通後も行政によるモニタリング検査があり、違反が見つかれば回収や再発防止指導の対象となります。

輸入前にできるカビ毒・残留農薬対策と検査方法

輸入する食品の安全性を確保するためには、出荷前の段階からカビ毒や残留農薬への対策を行い、検査を実施することが重要です。

輸入前の自主検査

まず、輸入前に自主検査を行いましょう。検査は、信頼性の高いISO17025認定ラボで実施します。対象とするカビ毒や残留農薬は品目ごとのリスクを踏まえて選び、検査の頻度もリスクに応じて設定します。

サプライヤーの選定と管理

仕入先(サプライヤー)の選定も重要です。特に収穫後の乾燥方法(天日乾燥か機械乾燥か)や保管条件を確認し、GMPやHACCP認証を持つかどうかもチェックします。衛生証明書や農薬使用履歴、さらに包装仕様についても事前に取り決めておくと安心です。

輸送中の品質保持

輸送中の品質保持も欠かせません。コンテナ内の湿度は60%以下に保ち、乾燥剤と酸素吸収剤を併用します。また湿度計を設置して輸送中の数値を記録し、到着後の品質証明として活用します。

違反事例と成功事例から学ぶ品質管理のポイント

  • 違反事例1:トルコ産干しイチジクでオクラトキシンA基準値超過 → 廃棄
  • 違反事例2:イラン産干しブドウで残留農薬超過 → 積戻し
  • 成功事例:収穫直後に機械乾燥+真空包装+酸素吸収剤封入 → 命令検査回避

実務者向けの運用ヒント

国別リスクの把握

輸入品の産地によってリスク内容は異なります。

例えば、トルコ産はオクラトキシンAの検出が多く、イラン産は残留農薬の基準超過事例が多く見られます。さらに、雨季の出荷や長期輸送ではこれらのリスクが高まります。

ロット選別で被害を抑える方法

検査で基準超過が出た場合は、同じコンテナ内のロットを分割したり、代替ロットを手配して被害を最小限に抑えます。

検査頻度の設定

新規の取引先からの輸入品は全ロットを検査します。一方、過去3回以上無違反の信頼できる取引先からの輸入品は、抜き取り検査に切り替えるなど、実績に応じて検査頻度を調整します。

輸送記録の活用

コンテナ内に湿度計を設置し、到着後にその記録を品質証明資料として活用します。

営業資料への展開

検査証明書、包装仕様、輸送記録を1つのセットにして取引先へ提供することで、BtoB取引における再注文率を高めます。

命令検査の流れと費用・期間の目安

  • 発動条件:過去違反歴、高リスク国からの輸入、モニタリング結果
  • 流れ:届出 → 検査指示 → サンプリング → 分析 → 結果通知
  • 費用:1ロット数万円〜(検査項目による)
  • 期間:約5〜10営業日

輸入準備のチェックリスト(ドライフルーツ輸入版)

  • 発注仕様書に「カビ毒・残留農薬検査済み」を明記
  • 包装仕様および輸送条件を事前確認
  • 植物検疫証明書・衛生証明書をロットごとに保管
  • 湿度管理資材(乾燥剤・酸素吸収剤)を準備

実務者向けヒントと品質・信頼性向上策

  • 酸素吸収剤の活用:酸化防止とカビ発生抑制を同時に実現
  • 雨季出荷リスク回避:湿度が高い時期の出荷を避ける
  • 混載時注意:湿気を発生させる生鮮品との混載を避ける
  • 顧客対応:BtoB顧客に検査証明書+包装仕様書を提供し、品質保証を明確化
  • トレーサビリティ:ロット番号・検査結果・農薬履歴を紐付けて管理

まとめ:ドライフルーツ輸入を安全に行うためのポイント

  • ドライフルーツはカビ毒・残留農薬リスクが高く、2025年度重点品目に指定
  • 自主検査、乾燥工程管理、湿度・酸素管理が品質維持の鍵
  • 証明書・包装仕様の整備で通関遅延と品質劣化を防止

食品届(輸入貿易コンサル

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