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特定国限定の重点監視品目(主要リスク別)監視リスクと実務対策

特定国限定の重点監視品目とは?対象国と監視の背景

  • 特定国限定の重点監視品目は、過去の違反率等に基づき検査頻度を強化(例:ベトナム産冷凍エビ、インド産香辛料、中国産干しきのこ)。
  • 国別必須検査項目:ベトナム(残留抗菌剤、大腸菌群)、インド(アフラトキシン、サルモネラ)、中国(二酸化硫黄)、タイ(保存料、未許可着色料)、パキスタン(残留農薬)。
  • 必要書類:輸入食品等届出書、衛生証明書、検査証明書、製造工程図、原材料リスト、ロット管理表、遵守誓約書。
  • 違反時対応:通知受領→販売停止・隔離→原因調査→再検査/返品→改善確認後輸入判断。
  • リスク低減策:ISO17025検査の事前実施、契約条項で返品条件明記、ロット分割、現地視察と改善活動。

「特定国限定の重点監視品目」とは、特定の国から輸入される特定の品目について、過去の違反率やリスク分析の結果、通常よりも高い検査頻度や命令検査を実施する制度です。

対象となるケースの多くは、農薬残留、カビ毒、重金属、添加物の違反が繰り返し発生している場合です。こうした違反の背景には、輸出国の製造管理基準や使用が許可されている物質が日本と異なることがあります。

主な対象品目と違反リスクの具体例

  • ベトナム産冷凍エビ:残留抗菌剤(エンロフロキサシン等)、細菌汚染(大腸菌群)
  • インド産香辛料:アフラトキシン、サルモネラ属菌
  • 中国産干しきのこ:二酸化硫黄残留
  • タイ産ドライフルーツ:保存料(亜硫酸塩)過剰添加
  • パキスタン産ドライナツメ:農薬残留

国別の違反傾向と発生要因

主な違反傾向発生要因
ベトナム養殖水産物の抗菌剤違反養殖池管理や抗菌剤使用制限の徹底不足
インド香辛料のカビ毒汚染天日乾燥と高湿度によるカビ発生
中国干し野菜・きのこ類で二酸化硫黄過剰漂白や保存目的での過剰使用
タイ保存料過剰、未許可着色料使用加工時の添加物管理不足
パキスタン農薬残留使用基準が日本より緩い

過去の違反事例

公的資料では、実際の検査結果や検出数値が複数年分まとめて公表されています。実務者は厚生労働省の「輸入食品監視統計」を参照し、過去の違反事例や数値を確認して対応策を立てます。

過去の報告例には以下のようなものがあります。

  • 冷凍エビから基準値を超える抗菌剤が検出された事例
  • 香辛料から基準を上回るアフラトキシンが検出された事例
  • 干しきのこで二酸化硫黄の残留が基準を超過した事例

これらの具体的な数値は年度や品目ごとに異なるため、最新の統計を確認することが重要です。

実務者が押さえるべき輸入時の注意点

輸出国の製造・加工工程の事前把握

製造工程図や原材料リストを入手し、日本の基準との違いを事前に確認します。

事前検査の推奨

  • 現地でISO/IEC 17025認定ラボによる検査を実施し、結果証明書を添付することで命令検査対象外となる可能性を高めます。
  • 依頼文例:「本ロットについて(例:アフラトキシンB1、サルモネラ属菌、残留抗菌剤)の検査をISO17025認定機関で実施し、結果報告書にロット番号(例:VN-SHRIMP-2025-01)を記載してください。」

契約書での基準適合条項

日本基準に適合しない場合の返品条件や費用負担について明記します。

ロット分割とサンプル管理

例:20トンを4ロット(各5トン)に分割し、違反発生時の廃棄量を最大75%削減します。

港での検査対応準備

冷凍・冷蔵保管設備を確保し、検査結果待ちの間の物流スケジュールも事前に計画します。

国別検査必須項目指針

  • ベトナム:残留抗菌剤(エンロフロキサシン)、一般生菌・大腸菌群
  • インド:アフラトキシン、サルモネラ属菌
  • 中国:二酸化硫黄残留
  • タイ:保存料(亜硫酸塩)、未許可着色料
  • パキスタン:残留農薬(有機リン系、ネオニコチノイド系)

必要書類一覧

  • 輸入食品等届出書(FAINS/NACCS)
  • 衛生証明書
  • 検査証明書(リスク項目別)
  • 製造工程図・原材料リスト
  • ロット管理表
  • サプライヤー遵守誓約書

違反時の初動対応フロー

  1. 検疫所から通知受領
  2. 当該ロットの販売停止と在庫隔離
  3. サプライヤーへの報告・原因調査依頼
  4. 再検査または返品手続き
  5. 改善策確認後、次回輸入可否を判断

高リスク国輸入の実務TIPSとリスク低減策

  • 初回輸入の想定:高リスク国からの輸入は、初回は命令検査の対象になると想定し、そのための時間とコストを事前に計算に入れます。
  • 基準の共有と教育:サプライヤーに日本の基準資料を翻訳して提供し、遵守するための教育を行います。
  • 過去データの確認:厚生労働省の輸入食品監視統計を利用し、対象国や品目の過去違反データを確認します。
  • 定期輸入時の改善活動:現地視察を定期的に行い、見つかった改善点をフィードバックして違反率の低下を目指します。

まとめ

  • 特定国限定の重点監視品目は、国別リスクを踏まえた検査・管理が不可欠
  • 国別必須検査項目と必要書類を事前に整理し、輸入時の対応を効率化
  • 契約条件やロット管理を工夫して、違反時の損失を最小限に抑える

食品届(輸入貿易コンサル

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