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輸入食品の検査・違反事例データベース|品目別リスクと実務対応ガイド

輸入食品監視計画とは?

厚生労働省が毎年策定・公表する「輸入食品監視指導計画」は、輸入食品の安全確保を目的とした行政計画です。輸入時に重点的に検査する品目やリスク要因、輸出国との協力体制、違反時の対応方針などが示され、年度ごとに内容が見直されます。

本ページでは、令和7年度版の計画を「現場で動ける形」に再構成し、輸入前から国内流通後までの実務手順、品目別・国別の重点管理ポイントを網羅しています。

 

令和7年度の重点検査品目と違反事例の全体像

  • 年間約10万件規模で検査:カビ毒、細菌、残留農薬などを重点的に監視
  • 違反継続で命令検査:一定期間問題がなければ解除
  • 包括的輸入禁止の可能性:違反率の高い国・品目
  • 現地管理の強化:輸出国での協議・調査・技術協力
  • 輸入者の責任:自主検査、記録保存、容器包装の適合確認
  • 違反時の迅速対応:廃棄・回収・原因究明・再発防止
  • 透明性の確保:検査結果・違反事例の公表

※ 詳細や品目別の情報は下のセクションをご覧ください。

違反事例としては、インド・中国の香辛料や乳製品、スウェーデン・米国のナッツ類、メキシコ・カナダの果物・野菜などが目立ちます。

 

品目別の詳細データベース

※ 各カテゴリに「重点検査・違反事例・必要書類」を集約

 

国別監視データベース(違反傾向と主要リスク)

  • アメリカ(ナッツ類・アフラトキシン)
  • インド(香辛料・エチレンオキシド)
  • 中国(乳製品・未承認GMO)
  • ベトナム(冷凍果実・ウイルス汚染)
  • 韓国(茶類・表示違反)

※ 国別に重点品目・違反傾向・協議情報を整理

 

品目別の輸入ガイド

 

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輸入前にやるべき準備(契約条件・検査項目・ラベル確認)

  • 高リスク品目は契約時に出荷前検査証明の提出を契約書に盛り込む
  • 国内基準との”差”を把握。原材料・添加物の国内基準適合とアレルゲン表示を事前確認
  • 食品ラベルの案を事前に確認する(名称・原材料・原産国・栄養成分)
  • 物流計画で検査待ちが想定されるなら、期間・保税費用を事前に計算する

輸入前に便利なチェックリスト

0.法令・制度の事前確認(最優先)

項目必要書類所要日数(目安)
輸入可否の確認(禁止・制限の有無)品目仕様書、原材料一覧、HSコード案1〜3日
届出方法の確認(FAINS/NACCS)届出様式案、商品情報シート1〜2日

1.輸入前

項目必要書類所要日数(目安)
仕入条件の見直し(検査証明の契約化)売買契約書ドラフト、検査証明サンプル2〜5日
製造・原材料の確認原材料リスト、配合表、製造工程図3〜7日
ラベル案の適合チェックラベル案(PDF/画像)、栄養成分・原産国根拠2〜3日
高リスク品目の事前ロット検査検体、試験依頼書、試験項目表7〜14日
スケジュール・費用の設計輸送スケジュール、費用見積り表1〜2日

 

輸入時の注意点(届出精度・検査命令対応)

  • 届出内容(商品名・HSコード・成分)を二重でチェックする
  • 検査命令時を想定する:書類・試験項目・日数・費用などのテンプレートを用意
  • 検査時の流れを把握する:採取〜検査依頼〜結果反映までの担当者と期限を明確化
  • 保税保管期間と引き取りを延長した場合の費用を事前に把握する。

輸入時に便利なチェックリスト

項目必要書類所要日数(目安)
NACCS届出と記載精度の確保インボイス、P/L、届出書、商品仕様書即日
検査命令への備え検査依頼書、試験項目表、採取記録、委託書5〜10日(項目次第)
保税区間での保管・動線管理保税蔵置証明、在庫台帳1〜3日

 

国内流通後のリスク管理(トレース・回収・CAPA)

  • ロットを追跡できるようにする→出荷先→数量を即追跡できる体制
  • 違反時の初動に留意する:販売停止→在庫隔離→回収→報告→顧客連絡の順で実施
  • 原因分析(原材料/製造/表示/輸送)と是正・予防措置(CAPA)を期限付きで実施

国内流通後に便利なチェックリスト

項目必要書類所要日数(目安)
ロットトレース(出荷台帳)ロット管理表、出荷記録、納品書即日(随時更新)
違反発覚時の初動(回収・報告)回収計画、当局報告書、顧客連絡記録即日〜1日
原因究明と再発防止(CAPA)原因分析報告、是正・予防計画、改訂仕様書3〜14日

 

違反事例から学ぶ再発防止策

過去の違反事例を分析すると、製造工程管理の不備輸出前検査の欠如が再発原因となるケースが多く見られます。
以下の対策が有効です。

  • 輸出前にISO17025認定試験所で分析し証明書を添付
  • 輸出国サプライヤーへの教育・監査の実施
  • リスク品目はロットごとの自主検査を継続

 

関連リソース・参考リンク集

日本国外の食品輸入通関違反

アメリカの輸入通関(FDA)、欧州の輸入通関における違反件数及び違反事例です。他国の税関で違反扱いされた理由を知ることで、さらに輸入食品の安全性を確認できます。

米国の食品輸入違反件数トップ10(2024年7月〜2025年7月)

以下、データの出典元はこちらです。

順位国コード件数代表的な品目傾向
1IN(インド)7,498その他食品・香辛料
2CN(中国)6,833その他食品・乳製品
3SE(スウェーデン)4,933ナッツ類・果物

4MX(メキシコ)3,300果物・野菜
5CA(カナダ)1,549果物・野菜
6DE(ドイツ)1,189乳製品・その他食品
7PH(フィリピン)933ソース類・ナッツ類
8DK(デンマーク)919魚類
9KR(韓国)898茶類・その他食品
10US(アメリカ)836ナッツ類・ソース類

ポイント
インド・中国
  • 違反件数が特に多い。
  • 主な対象は香辛料や乳製品
  • 対応として、残留物質(農薬や添加物など)と微生物の検査を強化する必要がある。
スウェーデン・アメリカ
  • ナッツ類の違反が目立つ。
  • アフラトキシンをはじめとするマイコトキシン(カビ毒)の検査が必須。
メキシコ・カナダ
  • 違反事例は果物や野菜が中心。
  • 残留農薬の管理と、サルモネラなど微生物の管理を重点的に行う必要がある。
韓国
  • 茶類に関する違反が多い。
  • 表示違反から残留物質の検出まで、幅広い違反事例があるため、多方面にわたる確認が求められる。
米国輸入通関の違反データー詳細(各国別)

欧州の食品輸入違反件数トップ10(2024年7月〜2025年7月

以下、データの出典元はこちらです。

順位国名件数主な品目主な違反項目実務者向けコメント
1トルコ461果物・野菜アフラトキシンB1/総アフラトキシン乾燥果実・ナッツ類は収穫後の乾燥・保管条件管理が必須。ISO17025認定試験所でB1・総アフラ同時分析を行い、基準適合証明を添付。
2ポーランド274家禽肉・加工品サルモネラEnteritidis加熱前のロット検査、食肉処理場の衛生ゾーニング、輸送温度記録の保持でリスク低減。
3インド269ハーブ・香辛料エチレンオキシド包装・殺菌工程での不使用証明を取得し、GC-MS分析で残留を確認。

4オランダ214特殊用途食品(サプリ等)ノロウイルス原料ベリー類のウイルス検査、冷凍輸送の温度ロガー管理を徹底。
5フランス208乳・乳製品リステリア・モノサイトゲネス製造後のロット別微生物検査と低温流通の維持。
6中国192果物・野菜未承認GMOカルタヘナ法・EU規制の承認状況を確認し、ロットごとのGMO検査を実施。
7米国168ナッツ・種子類アフラトキシンB1/総アフラトキシン落花生・ピスタチオ等の乾燥工程管理と輸出前分析証明が必須。
8スペイン168魚介類水銀大型魚種は輸出前に水銀含有量を分析し、基準適合を確認。
9イタリア166果物・野菜リステリア・モノサイトゲネス加工用青果は洗浄殺菌工程と低温輸送の記録保持が重要。
10ドイツ143特殊用途食品(サプリ等)サルモネラ原料受入時と最終製品での二段階サルモネラ検査を行い、衛生ゾーニングを徹底。

欧州の輸入通関の違反データー詳細(各国別)

関連ページも確認しましょう!

最終更新日:2025-08-12

食品届(輸入貿易コンサル

 

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