輸出と輸入でEPA(自由貿易)を活用するときの流れ

自由貿易(EPA)
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EPA(自由貿易)を利用するときは、どのような流れがあるのでしょうか? この記事では、実際に関税ゼロ貿易(EPA)を行うときに、輸出者、輸入者のそれぞれの立場における「利用の流れ」をご紹介していきます。

EPAを活用する流れ

EPAは、別名、経済連携協定と言います。世界的には、FTA(自由貿易協定)と言われることが一般的ですが、ここではあえて「EPA=FTA」として説明をしていきます。(*厳密には、EPAとFTAは違います。)

EPAを利用するときの3つの原則

EPAの流れを知る上で、まずは原則的な3つのポイントをご紹介します。EPAを活用するときは、輸出者、輸入者のどちらの立場であっても、以下の3つのポイントをすべてクリアしている必要があります。各項目を簡単に確認していきましょう!

  1. 貿易相手の国が日本とEPAを締結していること
  2. 貿易をする商品が「原産品」であること
  3. 適切な証明書を用意すること

1.貿易相手の国が日本とEPAを締結していること

2018年現在、日本は15のEPA協定を結んでいます。関税ゼロで輸出入ができるのは、この15の相手先のみです。残念ながら、アメリカ、フランスなど、いわゆる先進国に該当する国々は、2018年現在、日本とEPAを結んでいません。つまり、関税ゼロ貿易を行うことはできません。15のEPA締約国はどこ?

2.貿易をする商品が「原産品」であること

EPAを結んでいる国同士であれば、どのような商品であっても関税ゼロになるわけではありません。関税ゼロで輸出入をするためには、その締約国の「原産品であること」が条件です。

例えば、日タイEPA(日本とタイの協定)であれば、日本で生産された物、またはタイで生産された物のいずれかであるときに、関税がゼロになります。この日本または、タイで生産された商品のことを「原産品」と言います。EPA2つめの条件は、貿易でやりとりする商品がこの原産品である事です。

3.適切な証明書を用意すること

最後の条件は、2番の原産品条件と関連しています。EPAを利用するときは、商品が原産品であることを「証明書」により証明します。この証明書のことを「特定原産地証明書」と言います。

輸出でEPAを活用するときは、自分の国(日本から輸出するなら日本)で特定原産地証明書を発行した後、輸入者へ送付します。一方、輸入でEPAを活用するときは、輸出者側(商品の売り手側の国)で発行された証明書を輸入国側の税関(日本の税関など)に提出をして、関税の免税などを受けます。

輸出する側で証明書を発行してもらい、輸入側の税関へ提出することにより、関税ゼロまたは低減措置が受けられます。

以上の3つが輸出者、輸入者、どちらの立場であっても、EPAを活用する上で重要なポイントです。それでは、それぞれの立場で、さらに詳しくEPA活用の流れを確認していきましょう!

輸出で活用するとき

まずは、輸出でEPAを活用するときの流れです。大きくわけると、次の7つのステップになります。

1.相手国での関税率を確認する
2.原産品のルールを確認する
3.必要な資料を用意する。
4.日本商工会議所へ企業登録をする。
5.専用の登録ページから申請&審査
6.特定原産地証明書を取得
7.輸入者へ郵送

1.相手国での関税率を確認する

まずは、自社が輸出する商品は、相手国で何パーセントの関税率が設定されているのかを確認します。ここで削減できる関税額と、証明書を取得するための労力を考えて利用するかを判断します。関税削減率が低い場合は、あえてEPAを活用せず、有税輸出をすることも視野に入れた方が良いです。(書類取得の労力)

2.原産品のルールを確認する

輸出する商品は、どのような条件を満たせば「原産品扱いになるのか?」を確認します。この条件は、各協定の「品目別規則(ひんもくべつきそく)」に書かれています。もし、もう少し簡単に品目別規則を確認したいときは、税関の「原産地規則ポータル」を利用します。

3.必要な資料を用意する。

原産品の条件を満たしていることを証明する書類を用意します。この書類の一部を4番の日本商工会議所へ提出します。

4.日本商工会議所へ企業登録をする。

特定原産地証明書は、日本商工会議所が発行しています。輸出をするときに証明書(特定減産産地)を取得する人は、日本商工会議所に「企業登録」をした後、原産品判定を受けることになります。

5.専用の登録ページから申請&審査

4の企業登録が完了すると、専用のページから証明書の申請ができます。申請が行われると、日本商工会議所が審査をします。このとき、3番で用意した証明書類の一部を提出します。提出する主な書類は、ワークシート、対比表、委託生産証明書、またはサプライヤー証明書などがあります。

6.特定原産地証明書を取得

無事に審査が終わると、特定原産地証明書を取得できます。

7.輸入者へ郵送

証明書を取得したら、輸入者へ郵送して完了です。輸入者は、日本で発行された特定原産地証明書を現地の税関に提出して免税を受けます。

以上が、輸出でEPAを活用するときの流れです。

輸入で活用するとき

次に輸入でEPAを活用するときの流れを確認していきましょう! 輸入でEPAを活用するときは、こちら側で行うべきことは限られています。大きなポイントとしては「輸入時のHSコードを確定させること」くらいです。

HSコードを確定させるとは?

HSコードを確定させるとは、日本へ輸入申告するときに「最も適切な品目コード」を特定することを意味します。輸入者は、この品目コード(HSコード)を基準にして、輸出国側で特定原産地証明書を作ってもらうようにします。(輸出者に伝えるということです。)

例えば、ある国から革の手袋を輸入するとします。この手袋を日本側で輸入するときに「何番のHSコードに該当する商品なのか?」を確認します。HSコードの確認ができたら、輸出者側へ日本側で該当するHSコードを伝えます。

その後、輸出者は、日本側のHSコードを基準として、輸出国側で特定原産地証明書を取得します。輸出者は、証明書を取得した後、これを日本側の輸入者へ送ります。証明書を受け取った輸入者は、日本税関に証明書の原本を提出して、関税の免除を受けます。これが輸入におけるEPAの活用の流れです。具体的なステップでは、次の1~6になります。

1.日本側の関税率を確認する
2.日本側のHSコードを輸出者に伝える。
3.輸出者は2のHSコードを基にして、輸出国側で証明書を取得する。
4.輸出者は、輸入者に向けて証明書を郵送する。
5.輸入者は、証明書を税関に提出する。
6.免税輸入ができる。

1.輸入者は、輸入国側(日本側)で商品のHSコードを調べます。それを輸出者へ伝えます。
2.輸出者は、伝えられたHSコードを基にして、証明書を取得します。
3.証明書を取得した後、輸入者へ送付します。
4.輸入者は、日本税関に提出して免税措置を受けます。

まとめ

EPAを活用するときは「1.EPAを締約している国であること」「2.商品が原産品であること」「3.商品の原産性を証明すること」の3つのルールを守ります。その上で、輸出と輸入のそれぞれの立場における活用の流れがあります。

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