中国からの電子機器・自動車部品等の輸送ガイド
この記事は、中国から自動車部品、衣料品、電子機器類の主な産地、輸送する場合の注意点、検討するべきポイントをまとめています。
中国の主な産地
まずは、中国における自動車部品、衣料品、電子機器類の主な産地をご紹介します。
自動車部品
- 上海市、江蘇省、浙江省
- 広東省を中心とする地域
- 吉林省、遼寧省
- 湖北省武漢市、安徽省
主な製品:エンジン部品、電子部品、車体部品
市場例
- 永福路自動車部品センター(広州)
- 知友自動車部品市場(広州)
衣料品
- 広東省: 特に深圳市、東莞市
- 浙江省: 寧波市、温州市
- 江蘇省: 蘇州市、無錫市
- 福建省: 泉州市、厦門市
- 山東省: 青島市
主な製品:アパレル製品、靴など
市場例
- 柯橋織物卸売市場(浙江省)
- 四季青服装卸売市場(杭州市)
- 広州中大布市場(広州市)
電子機器類
- 広東省: 深圳市、東莞市、広州市
- 江蘇省: 蘇州市、南京市
- 浙江省: 杭州市、寧波市
- 四川省: 成都市
- 北京市
- 上海市
主な製品:スマホ、コンピューター、家電製品、電子部品など
市場例
- 華強北電子市場(深圳市福田区)
- SEGエレクトロニクスマーケット(深セン市)
- 南方ビル国際電子デジタルシティ(広州市)
国際輸送する場合の一般的な注意事項
- 中国の売り手の輸出ライセンスの有無を確認
- 品質検査と認証
中国の売り手の輸出ライセンスと許可証の有無を確認
中国から商品を輸出する際は、輸出ライセンスが必要です。中国側の売り手は、そのライセンスを所持しているかを確認しましょう。特に電子機器や自動車部品などは、中国政府による輸出管理規制の対象となる可能性が高いです。
仮に所持していない場合は、フォワーダー等が対応できる可能性があります。お気軽にお問い合わせください。
中国側の売り手が輸出ライセンスを持っているかを確認しましょう!
2.品質検査と認証
中国製品の最大の問題は、品質管理です。
「できるだけ不良品を減らしたい。」
この願いは誰でもあります。実は、これを実現するために便利なサービスがあります。インスペクターです。
インスペクターとは、製品の品質を維持しているのかを管理・監視する業者です。中国の工場における製造段階から監視することもでき、製造工程に従って品質確認をしてくれます。もちろん、製品の最終出荷前のみ検査してもらうこともできます。
他、中国製品には、CCCマークと呼ばれる認証制度があります。しかし、日本輸入時におけるCCCマークは、直接的な影響はありません。端的に申し上げると、日本国内の市場に流通させる物であれば、CCCマークは、あってもなくてもどちらでも良いマークです。
例えば、日本に中国の電子機器類を輸入する場合は、以下3つの法律に準拠する必要があります。特にPSEマークの取得、電波法は重要です。
- 電気用品安全法(PSEマーク)
- 電波法(技術基準適合証明)
- 消費生活用製品安全法
ただし、CCCマークがある商品は、一定の品質基準を満たすことを判断する意味で、商品選びの参考にすることはできます。
製品カテゴリー別の注意点
- 電子機器
- 自動車部品
- 衣料品
電子機器の梱包要件
電子機器の輸送では、防湿処理、結露対策として乾燥剤の使用がおススメです。また、静電気対策として導電性包装材を使用し、衝撃から保護することも重要です。
リチウムイオン規制
リチウムバッテリーを含む電子機器の輸送には特別な注意が必要です。国際航空運送協会(IATA)の危険物規則に従い、適切な表示と梱包が要求されます。また、各国の電波法に関連する認証も必要となるため、輸出先国の規制を事前に確認することが重要です。特に航空輸送する場合は、非常に厳しい規制があるため注意しましょう!
自動車部品
自動車部品は、日本の自動車安全基準に適合していることを確認し、部品のトレーサビリティを確保するための管理システムを構築すると良いでしょう。また、自動車部品の模造品には注意しましょう!
梱包・輸送条件
金属部品は、錆びを防ぐため、防錆油の塗布や防錆紙の使用します。重量のある部品は、輸送中の移動を防ぐため確実に固定し、温度や湿度の変化による影響を最小限にします。
衣料品
衣料品は、原産国表示、素材表示、サイズ表示などが細かく決められています。家庭用品品質表示法に従ったラベル規制等があります。ラベル規制とは、繊維の組成、家庭洗濯等の取り扱い方法(絵表示)、表示者名および連絡先などを衣類のラベルに表示する義務づけている法律です。
梱包・輸送条件
衣料品は、湿度による劣化、虫の混入を防ぎます。既述のラベル規制も中国側で行うのか?日本側で行うかを考えましょう。なお、アパレル品は、専用のコンテナ「ハンガーコンテナ」などもあります。
他は、商標権違反に注意します。特に有名ブランドのロゴ等です。
品質管理
品質検査では、縫製や染色の品質チェックに加え、有害物質の検査も重要です。特に赤ちゃん向けの衣料品(おしめ、おしめカバー、よだれ掛けなど)は、ホルムアルデヒドに関する規制があります。
衣料品の在庫は第三国への転売も検討すべし
なお、衣料品は、販売期間が短いため、過剰在庫になりやすい点にも注意が必要です。過剰在庫は、キャッシュフローを悪くします。この問題への対処は、2つあります。
- 必要な分を必要なときに輸入する。
- 過剰在庫を国外へ転売する。
まず1番で対策します。(後述)その上で売れ残った物は、日本とは季節が逆の国へ転売するのも一つの方法です。例えば、オーストラリアなどです。
輸送方法の選択
中国から、どのような方法で輸送すればいいのでしょうか?主な輸送方法は、次の2つです。
- 海上輸送
- 航空輸送
1.海上輸送
海上輸送は大量の貨物を比較的低コストで輸送できます。通常、中国の主要港から日本の目的地まで20-40日程度かかります。ただし、天候による遅延リスクや、港湾のストライキなどの不測の事態に備える必要があります。
2.航空輸送
航空輸送は、2-5日程度で日本に輸送する方法です。季節商品や緊急出荷の際に適していますが、コストが高いため、商品の価値や緊急性を考慮する必要があります。また、1個口あたりの重量制限や危険物の搭載制限(リチウムイオンなど)にも注意が必要です。
書類の準備
国際輸送に必要な書類には、次の物があります。それぞれの詳細は、リンク先で確認をお願いします。
- インボイス:商品の価格、数量、取引条件などを記載
- パッキングリスト:貨物の内容物を詳細に記載
- 原産地証明書:EPA税率の適用に必要
- 船荷証券(B/L)または航空運送状(AWB):運送契約の証明
- 輸出許可証:規制品目の場合に必要
- 品質検査証明書:製品の品質保証
中国製品の通関上の注意点
書類作成時は、記載内容の正確性を確保することが最も重要です。特に衣料品については、アンダーバリューの疑いをかけれることが多い為、注意しょう!
国際輸送のリスク管理
国際輸送には様々なリスクが伴うため、適切な保険への加入が重要です。貨物海上保険では、輸送中の破損、紛失、盗難などのリスクをカバーします。付保条件は、商品の特性や輸送経路を考慮して選択し、保険金額は商品価値に適した設定を行いましょう。
主なトラブル事例
- 天候不順による輸送遅延
- 破損・紛失時(品質が悪い)
クレーム処理の方法、契約書によるコントロールなどをしっかりと覚えておきましょう!
様々な輸送コスト
国際輸送には様々なコストが発生します。主な費用には、次の物があります。輸入原価は、商品代金の他、下記費用の合計だと考えましょう。
- 輸送費用:実際の運送料金
- 通関費用:税関手続きに関する費用
- 保険料:貨物保険料
- 検査費用:品質検査や安全性検査の費用
- 梱包費用:専用梱包材や作業費用
- 書類作成費用:各種証明書の取得費用
上記の他、品質を維持するために、自身の費用負担で第三者的なインスペクターを用意する方もいます。
衣料品、自動車部品、電子機器の輸送に共通すること
衣料品、自動車部品、電子機器類の輸送に共通することは、小ロット、高頻度輸送する点です。「今、売れる商品を今すぐ、運びたい。」ですね! 既述の通り、一般的な輸送なら海上輸送又は航空輸送の二択になるでしょう。
しかし、これらの品目のように多品種、小ロット、かつ高頻度で輸送する場合は「フェリー輸送」が最適です。
フェリー輸送とは、航空輸送並みの迅速さ×海上輸送並みの料金を実現する方法。航空機輸送と海上輸送の「間の子」とも表現できます。実は、その輸送能力は異常に高いです。
フェリー輸送の中でもHUNADEが一押しするのは「DIGISHIP」です。フェリー輸送の高速性を最大限に高めるため、フェリー輸送+通関+国内配送を一貫して提供しています。
例えば、DIGISHIP SUPER EXPRESSを使い、上海発から貨物を輸送するなら、最短3日で日本の玄関先まで到着です。玄関先です!玄関先。港ではないですよ!しつこいですが玄関先に到着です。
しかも、そんな輸送を週何便と高頻度で展開しているので、必要なときに、必要な分だけ、必要最小限で輸送ができます。まさに自動車部品、衣料品、電子機器類を輸送するときの最適解だと言えるでしょう。
現在、通常の海上輸送を使われていますか? そんな方は「従来輸送のFCL、LCLからDIGISHIPに切り替えた場合のメリット」もご覧ください。
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