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輸入品の価格を設定する上で重要なこと→「他社の余地」


 

 

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海外から輸入した商品をいくらで販売すればいいのか悩むことは多いです。これに対する一つの答えは、国内販売の展開方法です。

アマゾン等のECサイトのみで販売するのか? それとも、実店舗販売なのか? 又は、併売なのか?です。小売りだけをするのか? 卸販売等もするのか?とも言い換えられます。

この記事では、輸入品の価格設定をする上で大切なポイントをご紹介していきます。

輸入品の価格設定で考えるべき点

まず、輸入品の価格は、どのように決まるのか?を確認していきたいと思います。輸入販売原価の記事でもご紹介している通り、海外から仕入れた商品の原価には、次の物が含まれます。

  • 海外の商品代金
  • 海外からの輸送費
  • 輸入通関に関わる諸経費
  • 輸入消費税及び関税
  • 港や空港などから商品を運ぶ代金

輸入者によっては、国内での検品代、FBAへの送料などを含める方もいらっしゃるでしょう。これらの諸経費を全て合計した額を輸入数量で割ることにより、輸入原価がわかります。

ちなみに「輸入品には消費税はかからない」との誤解があります。しかし、輸入品には、10%又は8%がかかるため注意ましょう。

但し、輸入消費税は「輸入仕入れ額控除」を適用できるため、実際の納税は、国内販売時に受け取った消費税-輸入時に支払った消費税になることを合わせて覚えておくといいです。(正確に言うと違います。今回はざっくりと説明しているだけです。細かいツッコミはご遠慮ください)

輸入品の価格を考えるときに大切だと考えていること

輸入品の価格を設定するときは、輸入原価から積み上げていく方法と、販売価格から逆算していく方法の二つがあります。それぞれ横文字で「コスト●●方式」等といいますが、そんな小難しいこはどうでも良いです。

  • 輸入原価からコストを加算する方法
  • 販売価格から逆算していく方法

上記の2つがあることを覚えておきましょう。しかし、実は、HUNADEは、この2つ以外にも輸入販売価格を設定する上で重要なことがあると考えます。それが「国内販売の展開方法」です。

国内販売の3つの方法

輸入品を国内で販売する場合、大きく分けて次の3つがあると思います。

  1. ネットだけで販売する方法
  2. 実店舗で販売する方法
  3. ネット+実店舗で販売する方法

ネットだけで販売とは、アマゾン、楽天、その他、ご自身のネットショップなど、商品の販売から注文の受付、料金の受け取り迄をネットだけで完結する方法です。

一方、実店舗販売とは、一般のお店に対して商品を卸すことですね!

例えば、〇フト、●●ハンズなど、●●ホーテなど、日本には実店舗を構えて販売しているお店があります。それらのお店に商品を納品する方法です。実は、ネット販売が全盛になった今でも実店舗での販売の方が圧倒的に一般的であり規模が大きいです。

三つめは、ネット販売をやりつつ、実店舗販売も行うことですね! 私は、この内、3番の方法を取るかによって、輸入価格の設定方法が変わると考えます。

実店舗における輸入品の価格内訳

例えば、今、どこかの実店舗で輸入品が売られているとしましょう。価格は一つ1000円です。この場合の各社の利益配分は、次の通りです。

  1. 実店舗=35%以上
  2. 実店舗に納品する会社=10%~20%
  3. 実店舗に納品する会社に商品を提供する輸入者=10%前後
  4. 商品のメーカー=10%前後~

実は、過去、私は、輸入果物を扱っている会社に所属したことがありました。生鮮食品の場合も、輸入者→卸→仲卸→小売店舗の順で商流があり、似た様な利益配分だったと思います。

実店舗販売+ネット販売をするときの注意点

実店舗販売は、非常に多くの数が動く一方、一つ一つの利益は少なめです。他方、ネット販売等は、一つ一つの利益が多いですが、取り扱う量は、相対的に少ないです。なので、この利点を考えると、輸入品の販売は、実店舗+ネット販売の併売が理想的な形だと言えます。

ここで質問です。あなたは、今すぐには難しいけれど、実店舗+ネット販売。このようなビジネスを将来的に考えていますでしょうか? 今すぐにではなく、将来的にうっすらとでも良いです。もし、その答えが「はい」なら、輸入品の価格を設定するときには、工夫が必要です。

輸入品の価格に余地を残す工夫をする。

輸入品を国内販売するときは、価格を決める上で、将来的な販売方法も含めて考えることが大切です。ここでいう工夫とは「利益の余地」、「他業者が参入できる余地」の確保です。

先ほど、実店舗で販売されている商品には、様々な業者の利益が含まれていると説明をしました。まさにここがすべてのポイントです。ビジネスを拡大するには、必ず、どこかのタイミングで他業者の力を借りることになります。

実店舗での販売は、実店舗を運営する会社の販売力を借りて自社の商品を売るわけですね!でも、これが実現できるかは、他社様が入り込める余地があるのか?にかかっています。(この場合は、実店舗の会社様が店頭で販売をして商売として成立するのかどうか?です)

例えば、ある商品を輸入してネット販売しているとしましょう。輸入原価が100円の商品に利益30%をのせて130円として販売しています。これがあなたが、世に出している小売り価格です。

では、この商品を実店舗に販売するとした場合は、いかがでしょうか? あなたは、実店舗の会社に対しても、利益を30%のせて販売できると思いますか? もちろん、できませんね! しかも、これは、輸入者であるあなたが実店舗に対して、直接販売できるときのお話です。

実店舗によっては「うちは、既存の卸としか取引をしないから、卸を通して話をしてくれ!」と言われることも十分にあります。仮に卸を通して、実店舗で商品を販売しているとすると、この時点で、卸の利益+実店舗の利益を想定する必要がでてきますね!

もう一度、考えます。すでにあなたは、輸入原価100円の物を130円でネット販売しています。これを世の中に対して、大きくアピールしています。価格比較サイト、アマゾン等でもあなたの商品価格が全て表示されています。こういう状況です。

では、一消費者が、このような状況にある商品を店頭で目にした場合は、どのようなことになるのでしょうか? 当然、実店舗の価格がネットでの販売価格よりも高いことを理解されている方もいらっしゃるでしょう。ただし、そこには、ある一定の許容値があります。許容値を超える場合は、店頭の購入をやめて送料を払ってでも、ネットで購入する方が出てきますね!

当然、実店舗のオーナーは、そのような消費者の心理を理解しているので、このような要求をしてくるでしょう。

「あなたのネット販売店では130円で売っているけど、内の実店舗では、それが180円になってしまう。これだとうちでは売れないので商品の取り扱いができない。」

実店舗から、卸会社経由で「もっと価格を下げてほしい」と要求される可能性が高くなりますね! しかし、あなたは、困ります。そもそも、本当に輸入原価の価格の30%をしか利益が乗っていないためです。(小売価格の設定ミス)

利益の余地がないため、実店舗様へもこれ以上の価格の引き下げは難しいです。これがまさに「他社が入り込む前提の余地」を残さなかったゆえに発生する重大なビジネス機会のロスです。

ちなみに、これは、小売りと卸の2つをするときでも同じです。ネット上で販売する価格は、最初から、将来的に卸が入り込める余地を付けて販売をするのですね!

例えば、ネット販売をするときは、次の価格で戦略をたてるようにします。

例:輸入原価:100円の場合

  • 100×1.1=110円(卸の人に販売する価格を想定)
  • 100×1.1×1.2=132円(実店舗に販売する価格を想定)
  • 132円×1.4=184円(実店舗の店頭小売価格)

このようにあらかじめ実店舗で販売される店頭価格を算出しておきます。そして、この価格の5%ないし、10%割引くらいの価格で、一般向けネットショップで販売します。つまり、最初からネット上の一般向け価格を170円前後にしておくのですね!

これにより、一消費者としては「ネット販売は、実店舗がない分、少し安いのは当たり前」との認識を受け入れることができ、店頭で商品を購入される可能性が高まります。

一方、あなたとしては、あらかじめ一般向け価格に他業者が入り込む「余地」を残しておくことで、様々な販売チャネルを使いビジネスの拡大ができます。

例えば、卸への販売価格を「数量」に応じて調整することも一つの方法です。その辺りの戦略は、ご自身によると思います。どのような場合でも大切なことは、一般向けの販売価格に「他業者が入り込める余地」を確保しておくことです。これが最も大切です。

戦略もなしに何となくECビジネスをしていると、ビジネスの拡大はできないと考えた方が良いです。必ず「余地」を残すことが重要です!

まとめ

  • 実店舗販売における利益構造を理解しよう。
  • 戦略もなく、一般向け価格を設定している人は要注意
  • 一般向け価格に、他社が入り込める余地を設定すること
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