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ひまわりの種の輸入規制・検査・違反傾向の実務ガイド

ひまわりの種輸入の現状とリスク構造

  • 主なリスクはアフラトキシンB1・総アフラ・オクラトキシンA、残留農薬(クロルピリホス、プロフェノホス、アセタミプリド)、異物混入(金属片、小石、植物片)。
  • 違反国例:中国(AFB1 35µg/kg、アセタミプリド、金属片)、アルゼンチン(クロルピリホス、小石)、ブルガリア(OTA、金属片)、ウクライナ(AFB1 20µg/kg超、プロフェノホス)、トルコ(植物片、プロフェノホス)。
  • カビ毒管理は収穫後24時間以内乾燥(水分活性0.6以下)、ロット別分析、雨季収穫証明添付が必須。
  • 異物防止は金属探知機・X線・風選機・ふるい導入、袋詰め輸送推奨。
  • HSコードは殻付き「1206.00」、むき実派生コードで税率・検査項目異なるため管理必須。

ひまわりの種の利用と需要

  • スナック菓子、製パン原料、健康食品など幅広く利用され、日本国内でも安定した需要がある。
  • 一方で、カビ毒(アフラトキシン、オクラトキシンA)、残留農薬、異物混入のリスクが高く、厚生労働省の輸入食品監視指導計画で重点品目に指定されている。
  • 殻付きとむき実ではリスク構造が異なり、輸入時には用途や形態ごとの管理が必須。

輸入時の主なリスクと違反傾向

  1. カビ毒リスク:収穫後の乾燥遅延や高温多湿での保管により発生。殻付きは内部に湿気がこもりやすく、むき実より高リスクな事例もある。
  2. 残留農薬:有機リン系(クロルピリホス、プロフェノホス)、ネオニコチノイド系(アセタミプリド)で基準値超過の事例が多い。
  3. 異物混入:金属片、小石、植物片など。特にバルク輸送では混入率が高い。
  4. 二次的リスク:国内保管中の再汚染、長距離輸送中の温湿度管理不良、加工工程での交差汚染など。

過去3年の違反国例

  • 中国:アフラトキシンB1(最大35µg/kg)、アセタミプリド残留、金属片混入
  • アルゼンチン:クロルピリホス残留、小石混入
  • ブルガリア:オクラトキシンA検出、金属片混入
  • ウクライナ:アフラトキシンB1(20µg/kg超)、プロフェノホス残留
  • トルコ:植物片混入、プロフェノホス残留

健康影響と安全基準

  • アフラトキシンB1は、国際がん研究機関(IARC)でグループ1に分類される発がん性物質で、長期的に摂取すると肝障害や肝がんのリスクを高める。
  • 残留農薬の中には神経毒性や発達毒性を持つものがあり、基準値を超えた製品は輸入禁止や廃棄の対象となる。
  • 異物混入は物理的な損傷や窒息の危険があり、消費者からの苦情にも直結する。

環境・持続可能性の観点

  • 近年、EUを中心に農薬使用の削減や生態系保全を重視した栽培方法が広がっている。
  • 日本の輸入業者も、有機JASやRainforest Allianceなどの持続可能な農法認証や、トレーサビリティの確保を条件に取引先を選ぶ動きが進んでいる。

品質管理とリスク対策

カビ毒対策

  • 収穫後24時間以内に乾燥(水分活性0.6以下、含水率8%以下を目安)。
  • アフラトキシンB1、総アフラトキシン、オクラトキシンAをロットごとに分析。
  • 雨季に収穫したロットは必ず証明書を添付。
  • 焙煎ではカビ毒は完全には分解されないため、原料段階での管理が必須。

残留農薬管理

  • 輸出者から農薬使用リストを入手し、日本の基準値と照合。
  • 要監視農薬:クロルピリホス、プロフェノホス、アセタミプリド。
  • ISO17025認定ラボでロットごとに分析を実施。

異物混入防止

  • 金属探知機、X線検査機、風選機、ふるいを導入。
  • 搬送機器の摩耗点検とメンテナンス履歴を管理。
  • 異物混入リスクを低減するため、バルク輸送より袋詰め輸送を推奨。

表示・規格

  • 殻付き/むき実の別や、焙煎・味付けの有無を明記。
  • アレルゲン混入のリスクがある場合は適切に表示。
  • ロット番号や検査証明をQRコードで追跡可能にする。

検査効率化

  • 複数ロットまとめ検査で通関停滞回避
  • 小ロットは混載輸送+代表サンプル検査でコスト削減

実務TIPS

  • 長期保管条件:湿度50%以下、温度15〜20℃で保管し、温湿度ロガーで記録を残す。
  • 契約書の明記事項:基準適合条件や異物混入管理条件を契約書に明記し、違反時の賠償条件も設定する。
  • HSコード管理:殻付きは「1206.00」、むき実は派生コードを使用。税率や検査項目が異なるため注意。
  • 事前検査活用:輸出国の公的機関またはISO17025認定ラボでプレシップメント検査を実施し、証明書を添付する。
  • ロット追跡管理:ロット番号と検査証明を紐付け、QRコードで追跡可能にする。
  • 違反時の初動フロー:検疫所への連絡 → 輸出者への通知 → 処理判断(廃棄・返送・再加工) → 社内報告。
  • 輸送品質維持:海上輸送では乾燥剤(40ftコンテナで約20kgが目安)、断熱シート、通風コンテナを利用。
  • 検査費用と期間の目安:カビ毒+残留農薬の一括検査は約5〜7日、費用は1ロットあたり5〜8万円程度。

実行ポイントまとめ

ひまわりの種輸入では、原料段階でのカビ毒除去、農薬管理、異物対策の三位一体管理が不可欠です。形態別リスク差と国別違反傾向を踏まえた管理計画を策定し、事前検査・輸送品質維持策を組み合わせることで、安全性と通関スムーズ化が両立できます。

食品届(輸入貿易コンサル

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