商用輸入の関税と計算方法

商用輸入 関税 計算方法輸入ビジネス
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「関税は、輸入ビジネスのキモ」「商売目的の輸入するときの関税を計算したい!」

海外の商品を日本に輸入するときは、商品代金以外に関税や消費税がかかります。関税は、日本国内の商品を保護する目的として、日本政府(税関)が徴収する税金です。外国から商品を輸入するときは、この関税の知識が必要です。特に商売目的での関税は、輸入原価を計算するために重要です。そこで、この記事では、輸入ビジネスにおける関税の仕組みをご紹介していきます。

商用輸入における関税

関税に関する一般的なおさらい

まずは、関税に関する基本的な仕組みを説明します。

  1. 関税の目的
  2. 誰が誰に対して支払うのか?
  3. 関税の計算や納付は、自分で行うの?
  4. 関税と消費税を支払うタイミングとは?

1.関税の目的

関税は、外国と日本の価格差を小さくして、日本国内の産業を保護する目的があります。仮に、外国の商品が10円、日本産の同じ商品が50円であるとすると、価格差は40円です。このとき、外国の商品に一定の「関税」をかけることによって、国内の商品を保護します。

2.関税は誰が、誰に対して支払うの?

外国の商品には、関税がかかる物があります。では、この関税は「誰が、誰に対して」支払うのでしょうか。

関税は、日本国内に商品を輸入する人が、日本政府(税関)に対して支払います。輸出国(海外のショップ)などでかかるわけではありません。ちなみに何の商品に、どれだけの関税がかかるのかは「タリフ(関税の一覧がかかれている表)」や「簡易税率表」で確認ができます。

3.関税の計算や納付は誰が行ってくれるの?

関税や消費税の計算は、誰が行うのでしょうか? 実は、これらの作業を直接、輸入者が行うことは少ないです。小包などを使って小規模に輸入する場合は、配送会社が関税や消費税の計算と納付を代行してくれます。コンテナなどを使って大規模に行う場合であっても通関業者(関税の計算や申告を代理で行う業者)に頼むのが一般的です。

つまり、あなたが直接、税関に対して何かの手続きをしなくても、関税や消費税の手続きを終えられます。しかし、ある程度の輸入経験を積んだ人は、これらの通関に関する作業を自分で行って、経費を節約する人もいます。

関連記事:通関士の資格は必要なのか?

4.関税と消費税がかかるタイミング

商品に対する関税や消費税がかかるタイミングは、日本に貨物が到着して「輸入申告する日」です。このとき、税関に対して「私は●●の貨物を●○個輸入します。関税は××、消費税は△△」と申告をして、関税と消費税を納税します。先ほども説明したように、この輸入申告の作業は、多くの場合、専門業者が代行します。あなたが何かをする必要はありません。

商売目的と個人使用目的の区別が重要!

輸入する商品にかかる関税は、その目的が商売なのか? それとも個人使用なのか?によって取り扱いが変わります。ときより、インターネット上では「個人輸入は違法」という情報を目にすることがあります。これを正しく表現すると「個人使用目的で輸入した商品を販売すること」は違法です。逆にいうと、輸入時から「販売用」として申告していれば、何十万個を販売しても違法ではありません。

このように輸入は、個人使用目的か販売用目的か重要です。そして、この区別を明確にした物が「個人輸入」と「小口輸入」です。個人輸入は「個人使用を前提にした」輸入です。対して小口輸入は「販売する事」を前提にした輸入です。あなたが行いたいのは、個人使用目的の「個人輸入」ですか。それとも商売目的の「小口輸入」ですか。まずはこの区別をしっかりしましょう!

なぜ、個人と商用の区別が大切なのか?

「その輸入は、個人?それとも商売?」

このように明確に区別して考える理由は、課税価格の考え方が違う点にあります。個人使用目的での輸入は、海外の小売価格を「0.6倍」した価格を課税価格にできます。

一方、商売目的での輸入は、商品価格が100%課税であることはもちろんのこと、日本までの送料+保険代金等も課税価格に含めます。ちなみに「課税価格」とは、関税率をかける対象の価格です。同じ関税率であっても一つ1000円の物と10000円の物では支払う関税額が違いますね!そのため「何の費用・価格」が課税価格に含まれるのは、非常に重要です。

関連記事:課税価格とは?

個人使用目的の輸入:海外の小売価格×0.6
商用目的の輸入:(海外の卸価格+送料+配送料金)

何が販売目的に該当するの?

では、何をもって商売目的と判断するのでしょうか? 次の三つの観点を総合的に判断するようです。

  1. 輸入する価格
  2. 輸入する量
  3. 反復性

1.輸入する量とは?

通常の個人用に使う分は限られているはずです。一度の輸入でセーターを10着購入するのは違和感があります。また、同じダイエット器具を三個や四個も同時に買うのも同様です。

2.輸入する価格とは?

一般的な小売価格より明らかに安いことです。いわゆる卸売価格になっていると不自然です。

3.反復性とは?

同じような商品を一定期間ごとに繰り返し輸入していると違和感があります。

商売用として発送する工夫

商売用として輸入するにはどのような手続きやポイントがあるのでしょうか。仮にあなたが国際郵便などで商業貨物を輸入するのなら、伝票にある荷物の受取り人の欄に「会社名」や「ショップ名」などを記載します。これだけで商業輸入として扱ってもらいやすくなります。また、購入先のショップに「for commercial use(商業用)」と追記してもらうのも良いです。

商売目的の関税の計算方法

それでは、商売目的の関税の計算方法をご紹介していきます。非常に複雑な計算を行うこと。また、実際の輸入実務では、通関業者が代行することを踏まえると、以下の記述は参考程度にとどめてください。むしろ「関税の計算ツール」でざっくりと計算すれば良いくらいです。

商売用商品の課税価格と関税率

商品の価格+外国からの配送費用+保険料金(かけていれば)=課税価格(かぜいかかく)

課税価格とは、関税計算のときに用いる価格です。この課税価格に対して、商品ごとの関税をかけます。この計算で納めるべき商品の関税額がわかります。関税額の計算方法を詳しく知りたいときは、小口輸入などを有利にするための関税の計算方法をご覧ください。また、商品の関税率は「WEBタリフ」で確認をします。

関税の計算で使う独特な考え方

関税の計算をするときは、次の4つのポイントがあります。

  1. 1000円未満切り捨て
  2. 100円未満切り捨て
  3. 按分
  4. 公示レート

それぞれは、後述する説明の中でしていきます。まずは、下の表をご覧ください。今回、商品A~Dまでを輸入します。この記事では、A~Dの商品を輸入するときの関税額を計算します。

商品単価数量関税率
A5ドル105%
B10ドル2010%
C3ドル102%
D1ドル10012%

計算するための条件

上記のA~Dの関税額を計算するために必要な条件は下記の通りです。また、関税の計算のステップは、次の1~5です。

  • フレイト(海上運賃)・500ドル
  • 海上保険代金・30ドル
  • 公示レート・1ドル=100円

計算するためのステップ

  1. 外国通貨を円に換算
  2. 加算する費用の合計額を計算
  3. 加算する費用を按分(あんぶん)
  4. 計算した金額を切り捨てる
  5. 課税価格に関税率をかける

1.外国通貨を円に換算

外国の通貨を円に換算します。換算するときのレートは、税関の「公示レート」を使います。今回は、この公示レートを一ドルは100円とします。円に換算した後の金額は、次の通りです。

  • 商品A 5ドル×10=50ドル×100円=5,000円
  • 商品B 10ドル×20=200ドル×100円=20,000円
  • 商品C 3ドル×10=30ドル×100円=3,000円
  • 商品D 1ドル×100=100ドル×100円=10,000円

よって、商品A~Dまでを輸入するときの価格の合計は「38,000」です。次に、各商品A~Dは、商品合計額に対して、何パーセントを占めるのか?を計算します。

円換算後の価格全体(38000円)の割合
商品A5000円5000/38000
商品B20000円20000/38000
商品C3000円3000/38000
商品D10000円10000/38000

2.加算する費用の合計額を計算

税関に輸入するときの申告価格は、CIFです。CIFとは、商品の価格+海上運賃+海上保険など、日本港へ到着するまでの諸経費を足した価格です。ここまでの計算で、商品の価格は算出できているため、あとは、海上運賃と海上保険を計算していきます。

海上運賃は、輸入貨物が到着したときに発行されるアライバルノーティスに記載されています。また、海上保険は、保険を付保したときに発行される証書に記載されています。この海上運賃と海上保険を輸入する商品の価格に足すと、CIF価格を算出できます。また、海上運賃と海上保険も日本円に換算します。

  • 海上運賃→50ドル×100円=50,000円
  • 海上保険→30ドル×100円=3,000円

よって、商品価格に足す合計は、53,000円です。

3.加算する金額(53,000円)を商品A~Dに按分

商品価格の合計額に加算する金額は、53000円です。しかし、ここで一つの問題があります。商品A~Dまでの関税率を確認すると、すべてがバラバラです。関税額を求めるときの計算式は、課税価格×関税率であるため、最も高い関税率のDに53000円を加算してしまうと、随分、納めるべき関税額が変わります。そこで「按分(あんぶん)」をします。

按分とは、加算すべき費用53000円を商品の商品価格割合(各商品の金額は、商品合計金額(38000円)に対して何パーセントなのか?)に応じて、振り分ることです。

商品関税率
5%
B10%
C2%
D12%

例えば、商品Aであれば、5000/38000となり、全体価格の約13%です。Aに対して加算するべき費用も53000円の13%です。計算式は、53000*5000/38000です。よって、商品Aに加える加算要素分は「6900円」程です。

商品代金(38000円)加算要素分商品代金と加算分の合計
商品A5000円53000×5000/380005000円+6973円
商品B20000円53000×20000/3800020000円+27894円
商品C3000円53000×3000/380003000円+4184円
商品D10000円53000×10000/3800010000円+13947円

4.算出した金額を切り捨てる

次に商品代金+加算要素を足した後、千円未満を切り捨てます。この千円を切り捨てた金額が課税母体です。(例:商品代金+加算要素(海上運賃など)が12560円のときは、12000円として扱うこと) 課税母体とは?→関税率をかける価格

商品合計価格切り捨て後の価格(課税母体)
A11973円→11000円
B47894円→47000円
C7184円→7000円
D23947円→23000円

5.課税価格に関税率をかけて、関税額を算出

この課税母体に規定の関税をかけると、関税を算出できます。

商品関税をかける関税額
A11000×5%550円
B47000円×10%4700円
C7000×2%140円
D23000×12%2760円

最後に関税額A~Dを足した後、100円未満を切り捨てます。よって納めるべき関税は…..

550円+4700円+140円+2760円=8150円=8100円です。

以上で関税の計算方法は終わりです。この後、計算された関税額を使って、消費税などを計算していきます。今回は関税額の計算方法であるため省略します。

関税額を計算するためのステップまとめ

  1. 商品価格を円に換算する。
  2. 加算するべき費用を算出、その後、円に換算する
  3. 各商品価格に応じて、加算費用を按分する
  4. 千円未満を切り捨てる→課税母体
  5. 課税母体に規定の関税率をかける→関税額
  6. 各商品ごとの関税額を合計後、百円未満を切り捨てる。→納付するべき関税額

関税の計算ツール

「こんな複雑な計算はできない!」という方のために、関税の計算ツールを用意しています。

小口輸入の関税計算ツール(申告価格が20万円以下用)

関税の計算ツール 一般輸入(申告価格が20万円1千円以上)

まとめ

商売用として商品を輸入するときは、個人使用目的で輸入するよりも厳しく取り扱われます。これは、日本国内の商品を関税によって保護しようとする目的が存在するためです。対して個人使用目的であれば、日本の産業に対する影響が少ないとのことから輸入関税が低くなっています。この制度を利用して輸入した商品を販売すれば、もちろん脱税行為=違法行為です。

このことから、ビジネスとして輸入を行うのであれば、間違いなく販売目的として輸入申告しなければなりません。それが継続的なビジネスにつながります。

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