輸出するために、本船に貨物を積み込むときは「カット日」が重要です。カット日とは、船に貨物を積み込める限度日です。つまり、この期限を過ぎると、どのような理由があろうとも船に貨物を積み込めなくなります。そのため、国際輸送をするときは、常に本船のカット日の動向に気を遣う必要があります。
そこで、この記事では、輸出におけるカット日の概要と注意点などをご紹介していきます。
カット日は、停泊する本船に貨物を積み込める限度日。カット日をすぎると、貨物の積み込みは一切不可
輸出で重要!カット日とは?
目次
カット日とは、停泊する本船に貨物を積み込める限度日です。書類上では、カット日を「C/O(Cut off)」、船会社間であれば「LRD」とも表記します。ちなみに口頭では「カット日」といいます。実務の現場では「その船、カット日いつなの?」と聞かれることが多いです。では、カット日について詳しく見ていきましょう!
カット日が持つ2つの意味
カット日とは、本船に停泊する船に貨物を積み込める限度日です。ただし、この限度日には、次の2つの意味があります。
- 貨物の限度日(カット日)
- 書類の限度日(カット日)
1.貨物のカット日とは?
基本的にカット日は、船の出港日を起点として、前日または前々日に設定されていることが多いです。荷物を積み込むときは、このカット日までに、バンニング、倉庫から港への輸送、税関の輸出許可を受けておきます。後ほど説明をしますが、カット日と税関の輸出許可は、非常に重要な関係があります。
2.書類のカット日とは?
書類のカット日は、輸送するコンテナに関する情報「船荷目録(
カット日と税関許可(通関)の関係
輸出するときは、カット日までに「船に積み込める状態」にします。船に積み込める状態とは、日本の税関から輸出許可を受けていることです。ご存じの通り、貨物を輸出するときは、輸出許可が必要です。この輸出許可を受けずに貨物を持ち出すと、法律により処罰されます。これは、船会社が船積みをするときも同様です。
船会社が貨物を積み込む絶対的な条件は「税関許可の有無」です。税関の許可を受けていない限り、すでに船の予約をしていたとしても、貨物をつみこみません。そのため、カット日までに税関の許可を受けていないと、その時点で納期遅れが確定します。
では、カット日までに税関の許可を受けるときの注意点はどこにあるのでしょうか? それは「税関検査」です。税関検査は、あなたが輸出申告をしたときに、一定の確率でするのか、しないのかが決まります。つまり、前回は税関検査はなかった。でも、今回は、税関検査に当たった。ということも十分にありえます。
税関検査に当たると、ドレーの空き具合にもよりますが、許可になるまで、数時間~一日ほどの時間がかかります。つまり、この税関検査によって、カット日までに許可が下りなければ、本船に積みこめません。よって、少なくてもカット日の前日までに、税関の許可を受けられるよう手配することが重要です。
カット日とCY、CFSの関係
カット日を考える上でのもう一つのポイントは、輸送形態です。輸送形態とは、FCL(コンテナ単位)やLCL(コンテナ未満)のことです。たくさんの貨物を運びたいときは、FCL。少量の貨物を運ぶときはLCLを活用しています。実は、この輸送形態によっても、カット日は違います。FCL(コンテナ輸送)とLCL(混載輸送)のメリット・デメリット
- FCL(CY)は、出港日の前日
- LCL(CFS)は、出港日の前々日
に設定されていることが多いです。もちろん、これは、各船会社、休日、天候などの状況によっても前後します。LCLで輸送するときは、FCLよりもさらに前倒しでの貨物の用意と、税関許可を受ける必要があると覚えておきましょう。LCLの方が早い理由は、他の荷主の貨物と合積みするために、バンニングをしなければならないためです。
カット日が前後する理由例
休日、祝日、悪天候、本船の到着遅れ、年末年始など。カット日が前後すれば、当然、出港日(ETD)や入港日(ETA)も前後します。
カット日の調べ方
カット日は、船会社のサイトに行けば調べられます。
例えば、SITCさんのサイトへ行くと、カット日は、次のように説明しています。「オリジナル入港日の前営業日」
下の図は、SITCさんの2018年の年末年始の予定表です。赤枠の部分がCYカットの日です。左にある本船名とVOYを照らし合わせて確認できます。ちなみに、CY OPENとは、コンテナヤードにコンテナを受け入れる日です。つまり、これ以降の日付からカット日までは、コンテナヤードにコンテナを保管できます。(輸出前提です)
よくある疑問:カット日の当日に手配はできる?
かなり厳しいと思います。ドレーの手配、輸出申告などを考えるとぎりぎりです。記述の通り、税関検査に当たればアウトです。このあたりのリスクをどこまで許容できるのかによります。24時間前ルールもあるため、やはり、カット日の前日までに許可になるように手配するのが望ましいです。
まとめ
- カット日は、本船に貨物を積み込める限度日
- カット日には、書類と貨物の2種類がある。
- 税関検査を前提にして手配しましょう!