輸出貿易管理令に違反する3つのケースとは?

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「世界の平和を維持すること」が輸出貿易管理令の目的です。この目的を達成するために、武器、武器に転用できる物、武器の開発に使える貨物の輸出を規制しています。そのため、外国に向けて貨物を輸出するときは「輸出貿易管理令で規制されている貨物ではないのか?」を確認しなければなりません。もし、この確認をしないまま輸出すると、故意や知らなかったなどに関わらず「外為法違反(がいためほういはん)」により処罰されることになります。

そこでこの記事では、輸出貿易管理令の違反をしがちな3つのケースについてご紹介していきます。

輸出ビジネスをするなら輸出貿易管理令は必須知識

海外に商品を輸出するときは、その貨物が輸出貿易管理令で規制されていないかを確認します。具体的には、輸出貿易管理令別表1~15項目に入っているリストと、16項のキャッチオール規制の対象になっていないかを確認するようにします。

1~15項目とは、リスト規制と呼ばれるものです。武器そのものの輸出はもちろんのこと、その武器に転用できるもの、武器の開発に役立つ測定器などの輸出も規制されていることがポイントです。製品としては、軍事用に作っていないにも関わらず、輸出貿易管理上は、しっかりと規制の対象になっている可能性があるため注意が必要です。

例えば、航空機用に設計された「フッ素化合物の製品」などがあります。一見すると、とくに問題がないように感じるかもしれません。しかし、こちらの製品は、輸出貿易管理令の5項1で規制されています。航空機用に設計された物であっても「軍事航空機に転用される可能性」があるためです。このように一見すると、軍事に関係がない製品であっても、実は規制されているケースが多々あるため、十分に注意が必要です。

では、輸出貿易管理令では、どのような違反をおかしやすいのかをご紹介していきます。

こんな違反ケースがあります!

輸出貿易管理令を違反しやすいケースは、次の3つがあります。

  1. 該非判定の未実施
  2. 項番の誤り
  3. 許可条件違反

1.該非判定の未実施とは?

該非判定とは、輸出する貨物が「輸出貿易管理上、規制されているのか?」を確認することです。メーカーや輸出者の中には、この輸出貿易管理令の存在自体を知らずに、そもそも該非判定を全く行わずに輸出してしまうことがあります。これを「該非判定の未実施」と言います。とてもよくあるミスであるため、十分に注意が必要です。少しでも怪しいと感じるときは、必ず該非判定を行います。

この判定を行う人は、商品の製造者です。もし、あなたが輸出者であり、どこかのメーカー(製造者)から商品を仕入れているときは、メーカーから「該非判定書(該非判定の結果を書いた紙)」を取り寄せます。輸出者は、この取り寄せた該非判定書に問題や間違いがないのかを確認した後、経済産業大臣から輸出許可をうけるようにします。

輸出貿易管理令に該当するのかどうかを調べる方法

その商品が輸出貿易管理令に該当するのかどうかを調べるときは、経済産業省が公開しているマトリックスシートを使います。もしくは、ウェブタリフ輸出などの以下の赤枠部分を確認するようにしてください。詳しくは「該非判定とは?」の記事をご覧ください。

2.項番の誤りとは?

輸出貿易管理令では、規制の対象にしている貨物をすべてリストアップしています。このリストは、貨物の種類ごとに次のように大まかに分かれています。これら1項~16項の中にも、さらに枝番などをが振られています。この枝番などを含めた番号のことを「項番(こうばん)」と言います。

該非判定とは、これらのリストから「適する項番」を選んだ後、その基準と照らし合わせて問題がないのかを確認する作業のことをいいます。2つめにおかしやすいミスは、この項番の選択を間違うことにあります。項番は、必ずしも一つとは限らず、中には一つの貨物が複数の項番に該当する場合もあります。複数の項番に該当するときは、該当するすべての条件を見比べる必要があります。このとき、見比べている対象の項番が違うと全く意味がなくなってしまいます。

輸出貿易管理令別表規制品名代表例
1項武器やその部分品銃、爆発物、火薬、防弾製品など
2項原子力関係核燃料物質、原子炉関連品、分離装置、周波数変換器、フライス盤、回転軸、ロボット
3項化学兵器関係化学兵器の材料になるすべての関連物質
3-2項生物兵器関係医療用ワクチン、各種ウィルス、培養容器、遠心分離機
4項ミサイル関係無人航空機、ロケット、民間航空機、複合エンジン、バイオ燃料、ファイバープレイスメント装置、レーダー、飛行制御装置
5項先端材料ラミネート、ニッケル合金、チアン合金、耐火セラミック
6項材料加工軸受、工作機械、フライス削り、コーティング装置、歯車製造機、測定装置
7項エレクトロニクス集積回路、マイクロ波測定器、音響光学効果を利用する信号処理装置、超電導材料、半導体基板など
8項コンピューター電子計算機、
9項通信関連電子式交換装置、通信用の光ファイバー、フェーズドアレーアンテナ、無線通信傍受、盗聴の検知機能がある通信ケーブル
10項センサー、レーザーなど音波を利用した水中探知装置、光検出器、フォーカルブレーンアレー、センサー用の光ファイバ、高速撮影ができる装置、反射鏡、磁力計、レーザー光関係
11項航法関連加速度計、ジャイロスコープ、ジャイロ天測航法装置、水中ソナー
12項海洋関連潜水艦、船舶の部分品、水中から物体を回収する装置、水中用の照明装置、浮力材
13項推進装置ガスタービンエンジン、人工衛星、無人機など
14項その他アルミニウムの粉、火薬の主成分、電気制動シャッター、催涙剤、
15項機微品目電波の吸収材又は導電性高分子、水中探知機、ラムジェットエンジン
16項キャッチオール規制

3.許可条件違反とは?

経済産業大臣から輸出許可を受けるときは「許可に伴う条件」がつくときがあります。

例えば「少額輸入特例(しょうがくゆにゅうとくれい)」と呼ばれる制度があります。これは、輸出する商品の金額が一定以下であって、なおかつ指定の輸出先であれば、輸出を許可するという「条件付きの許可」です。このときにつけられた条件を破って輸出をすると、輸出貿易管理令違反になります。

例えば「5万円以下、輸出相手はアメリカなら許可する」の条件が設定されているのであれば、6万円分輸出したり、タイなどへ輸出したりすると、違反になります。決められた条件にそってしっかりと輸出されているのかが重要なポイントです。条件外の輸出であれば、すぐに輸出貿易管理令違反行為です。

以上の三つが輸出貿易管理令に関しておかしやすい三つのミスになります。

まとめ

輸出貿易管理令は、武器の開発につながる貨物を規制しています。この目的は世界平和の維持にあります。平和ボケをしている日本は危機感が足りませんが、世界では現在進行形で戦争が行われています。この戦争に間接的に加担することがないように、各企業が輸出貿易管理令を守ることが求められています。今回、ご紹介したよくあるミスをおかすことがないように、まずは輸出貿易管理令について詳しく学ばれることをお勧めします。

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