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日本の輸入ライセンスの取得方法を解説! 輸入貿易管理令



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諸外国では、輸入事業又は、特定の品目に対して「輸入ライセンス」を設定している所があります。日本の場合は、輸入ライセンスの代わりに輸入貿易管理令、通称、輸入承認の仕組みがあります。

例えば、カニ、ホタテなどの水産物です。これらを諸外国から輸入する場合は、経済産業省より輸入承認を受ける必要があります。

この記事では、輸入ライセンスの取得方法を輸入承認の受け方と読み替えて、その仕組みを説明していきます。

輸出ライセンスの取得方法 申請方法は?

輸入ライセンスの取得方法(輸入貿易管理令)

輸入貿易管理令とは、一部の輸入品に対して輸入できる者、輸入できる数量や時期等を設定して管理する仕組みです。主な目的は、次の2つです。

  1. 日本に輸入される特定品目に対して規制をし日本の国内産業を保護する。
  2. 武器開発につながる貨物流入の防止をして国内の治安を維持する。

輸入貿易管理令の主な品目には、いわし、ぶり、さんまなどの水産資源。ウラン、武器、弾丸、軍艦などの軍費用物資。その他、微生物ワクチンなどがあります。輸入貿易管理について確認していきましょう!

輸入承認・ライセンスの全体像

輸入貿易管理は、次の4種類があります。輸入する品目ごとに細かく決められており、申請時期、申請書類、申請先の官庁等が変わります。税関は、これらの確認を受けたことを証する書類があることを条件として輸入審査を実施します。

  1. 輸入割当(IQ品目)
  2. 2号承認品目
  3. 2の2号承認品目
  4. その他の公表品目

1.輸入割当(IQ)

輸入割当とは、天然資源や国内産業の保護を目的とし、日本全体で輸入する数量を決めて、その数量枠を輸入業者に「割り当て」て輸入を認める仕組みです。(輸入割当を受けない限り、一切輸入はできない)この輸入割当の対象品目は、水産資源全般であり、たら、ぶり、いわし、あじ、さんま、にしん、海苔などがあります。

例えば、2019年度は、日本全国でいわしを100匹、あじを200匹まで輸入を認めるとします。(仮のお話)経済産業省は、この100匹や200匹などの枠を日本全国の輸入企業業者に割り当てていきます。(希望者に)割当方法は、前年度の輸入実績に応じた配分、需要者への配分、先着順の配分などがあり、この割当枠が利権化しているとも言われています。輸入割当を受けた業者は、その割当枠を使い、対象の品目を輸入していきます。(消化)

輸入割当の仕組み

IQ品目例

あじ、さば、にしん、たら、ぶり、さんま、にしん、いか、ほたて貝、たらの卵、煮干し、貝柱、のり、こんぶ、こんぶ調製品、ばら干しあおのり、ひとえぐさ、モントリオール議定書に規定いする物質(オゾン層破壊関連)

2.2号承認品目

2号承認品目は、経済産業大臣の輸入承認が必要です。ここで指定されている物は、特定分野の品目ではなく「特定地域や船積み地」の観点から規制をしています。

例えば、北朝鮮を原産地する又は、船積み地とする物は、2006年10月14日より、全貨物が輸入禁止の対象です。その他、イラク、シリア、ソマリア、シリアなども対象です。軍事国以外であれば、オーストラリア、ベルギー、ニュージーランドなどの国以外で獲れた「みなみまぐろ」などが対象品目に挙げられています。

3.2の2号承認品目

2の2号承認品目の特徴は「全地域・全原産地」を対象にしている点です。ここに指定されている品目は、まさに武器開発、軍事転用可能な原材料、又は武器その物です。

品目例:ウラン鉱、使用済みの原子炉、ワクチン、火薬、爆薬、導火線、ダイヤモンド、原子炉、核燃料要素、原子炉の部分品、軍用航空機の原動機、戦車と部分品、軍用航空機、軍艦、電離放射線の測定器、軍用の武器、拳銃、その他の武器、剣、刀、やり、ワシントン条約1に掲げる動植物、バーゼル条約指定品、化学兵器禁止法2-3の物品、ストックホルム条約、水銀関連など。

4.その他の公表品目

その他の公表品目を輸入するときは、次の2つのパターンがあります。

  1. 経済産業大臣、農林水産大臣、文部科学大臣などから事前確認を受ける物
  2. 通関時に確認する物

1番に指定されている物は、品目別の指定用紙に記入をし、経済産業大臣に確認申請をします。2番に指定されている物は、通関時に関連書類を取り揃えて税関から確認を受けます。

その他の公表品目
経済産業大臣の事前確認まぐろ類、めろ、かに、ワシントン条約対象、オゾン層破壊物質、文化財
通関時に確認マグロ類、かに、鯨と調整品、ワシントン条約、放射性物質、ダイヤモンド原石、農薬、けしの実、大麻の実など

輸入承認が不要になる特例

基本的に輸入貿易管理令に指定されている品目は、規定の手順を踏まなければ輸入ができません。しかし、輸入貿易管理令14条の特例ケースに該当する場合は輸入承認は不要です。

  1. 総額50万円以下の貨物(告示で定める物限定)
  2. 無償の救じゆつ品
  3. 無償の商品見本
  4. 個人的使用で売買の対象とならない程度の量

などのケースが定められています。詳細は、こちらのサイトの別表をご覧ください。

輸入承認(ライセンス)を取得する手順

  1. 申請が必要な貨物かを確認する
  2. 審査種別(時期)を確かめる。
  3. 必要な書類を確かめる。
  4. 通関時に提出できるようにする。

1.申請が必要な貨物を確認

輸入承認対象貨物一覧のページ

を確認します。この中に輸入する商品がありますか? ある場合は、右側にある赤枠部分の申請先を確認します。わからない場合は、税関の関税監査官に聞いても良いと思います。

例えば、クジラ製品を輸入する場合は、以下のリンクを押します。

輸入承認

2.審査種別(事前、輸入承認等)を確かめる。

左側にリストされている対象貨物を確認し、右欄の輸入手続き欄にあるリンクをクリックします。

  • 輸入承認=経済産業省から承認が必要な貨物
  • 通関時確認=通関時に税関に必要書類を提出するだけの貨物
  • 事前確認=事前に必要書類を取り寄せて経済産業省等で確認がいる貨物

輸入承認

3.必要な書類を確かめる(通関時確認)

上記の「通関時確認」のリンクを押したときの画面です。貨物ごとに必要な書類が明記されています。

輸入承認

3.必要な書類を確かめる(事前確認)

上記の「事前確認」のリンクを押したときの画面です。この場合は、経済産業省等に事前に書類を提出して確認を受ける必要があります。

輸入承認

4.通関時に証明できるようにしておく

実際の通関時には、上記の確認等を受けことを証する書類(輸入割当証明書・輸入承認証等)を税関に提出して審査を受けます。(通関時確認以外の貨物)

まとめ

  • 輸入貿易管理令とは、主に水産資源の保護、国内保護、治安維持などの目的がある(予想)
  • 対象品目の中心は水産資源、武器関連など。
  • 輸入貿易管理令の中には、輸入割当、2号承認品目、2の2号承認品目、その他の公表品目がある。
  • 規制対象は、品目、原産国又は船積み地などを基準にしている。
  • 輸入貿易管理令の対象品目であっても、一定の条件を満たす場合は特例措置がある。
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