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航空貨物の運賃相場の計算方法と見積もり方法を解説


 

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海外企業との商談が決まり、航空貨物での出荷になれば、フォワーダーへ貨物を預けるでしょう。

もし、航空運賃を支払うのであれば、安全にかつ輸送費を少しでも安く送りたいですね!そのためにも、航空運賃の構成内容を理解することは重要です。実際、梱包方法を見直すだけで、輸送代金は、大きく変わることが多いです。

そこで今回は航空貨物の運賃相場と見積もり方法について解説していきます。

*この記事は、航空営業の経験者しか記述ができない内容を多く含んでいます。記事内容の一部又は、全部を改編、編集し、独自記事として転載することを固くお断りします。

 

見積もり依頼例

 

航空輸送の見積もり方法を知る

  1. 航空運賃の算出方法を知る。
  2. 航空貨物の荷動きのトレンドを知る。
  3. 見積もりを依頼する時の注意点を知る。

航空貨物運賃の算出方法は

航空貨物運賃の算出は、全世界共通の以下の公式を使います。

航空貨物の輸送料金=レート×運賃適用重量

レートの相場(運賃相場)

レートは、目的地ごとに決められた価格です。一般的に距離が遠ければ遠いほど高く設定され、近いほど安い傾向です。ここではレートとその相場をご紹介します。

中国/上海方面

日本から最も輸出されることが多い中国の上海でしたら、距離が近くフライトも多いため競争が激しく安いレートが設定されています。100円/kgから150円程度払えばどこでも受けてくれるでしょう。時期によっては二桁の運賃も出ます。また東南アジアでは、150円から200円が一般的です。

北米方面

次に、アメリカへ送る場合、主要都市のロサンゼルスやシカゴは、300円/kgから400円程度です。また、アメリカは各都市間のトラックが充実しています。例えばマイアミやヒューストンなどアメリカ南東エリアは日本から直行便がありませんので、トラックを利用します。この場合、航空レートにトラック代金としてプラス100円程度上乗せで考えておけばいいです。

ヨーロッパ方面

ヨーロッパの場合、日本発の路線も比較的多く、距離の割には金額は安めです。主要都市のフランクフルトやパリは、250円/kgから350円程度です。ヨーロッパ域内もトラックが充実していますので、レートにトラック代金プラス100円を上乗せすれば大抵の目的地への輸送が可能です。

アフリカ方面

アフリカ大陸や南米は距離が遠く、フライトも少ないためレートは高めです。600円から1,000円といったレートも普通に存在します。

ところで同じ国でも都市によってレートは大きく変わることがあります。例えば同じ中国でも上海と重慶(じゅうけい)を比べますと、上海は日本発のフライトが多くあり競争が激しい都市です。物量はとても多いので、自然とレートは低くなっています。

一方で、重慶は日本発で対応できる航空会社がほとんどありません。そうなるとレートは必然的に高くなり、200円から300円程度です。一概に距離だけが重要でないことを知っておきましょう。送り先が主要都市なのか、路線が少ない都市なのか、フォーワーダーへ確認してみてください。

今までご紹介したレートをエリアごとにしていますので、ご参照ください。

エリアレートトラック転送
中国・韓国100円から150円基本的に不可
東南アジア150円から200円基本的に不可
北米300円から400円可 / +100円
ヨーロッパ250円から350円可 / +100円
アフリカ・南米600円から1,000円不可

レートは、送り先の国への距離の他、需給バランス等の総合的な観点で決まる。

運賃適用重量とは?

航空貨物の運賃計算上、必要な重量は2種類あります。

  1. 実重量 (Actual weight)
  2. 容積重量 (Volume weight

実重量とは、貨物の実際の重量です。実重量はイメージがわきやすいでしょう。続いて容積重量とは、貨物の重量に関係なく、サイズをもとに特別の計算式によって算出します。

 
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容積重量の計算方法=縦(m)×横(m)×高さ(m)×1000÷6

例えば 、1m x 1.2m x 0.5m の容積重量は、1 x 1.2 x 0.5 x 1,000÷6 = 100.0kg です。航空貨物は、航空機内の非常に限られた貨物スペースを使って輸送されますので、重量だけでなくスペースにも適用の重量計算を設定し、軽くてもスペース分として運賃を徴収できる仕組みを構築しています。

そして算出した実重量と容積重量のうち、いずれか大きいほうを運賃適用重量(Chargeable weight)として採用します。

今まで見てきた通り、レートと運賃適用重量の積が貨物運賃となりますので、是非算出方法をしっかり把握してください。

なお航空機は、重量よりもスペースに制約がありますので、航空会社はサイズが小さいけれど重量が大きい貨物を好みます。そのような貨物はデンシティー貨物(Density cargo)と呼ばれ、荷主は航空会社に料金の交渉するチャンスができます。はっきりした定義はありませんが、一般的に実重量の数値が容積重量の数値より大幅に大きいものを指し、このような貨物を輸送するのであれば、是非フォーワーダーを通して、金額交渉をしてみてください。

Density Cargo/デンシティ 高密度貨物の計算ツール

デンシティー貨物に該当する場合は、金額交渉をしてみよう!

貨物を出すタイミング

航空貨物は世界中を飛ぶ航空機のネットワークを使って輸送されています。この荷動きには、トレンドがあることを覚えておきましょう!

航空貨物には、一年のうち荷動きの良い時期と悪い時期があります。荷動きの良い時期は秋から冬にかけてです。日本だけでなく世界中で貨物は動きますが、その理由は企業がクリスマス商戦に備えるためです。10月ごろから12月前半までは全方面で恒常的に活況です。クリスマスには世界的に商品が売れるということが分かります。

続いて輸出国、または輸入国の休日前も荷動きはよいです。例えば、ゴールデンウィークやお盆前に日本の企業は大量に貨物を出荷して長い休みに入ります。

また世界のある地域で発生した出来事が航空機の需給関係に大きく影響することも少なくありません。例えばスエズ運河が封鎖された場合、納期に間に合わない海上貨物は必然的に航空貨物へと変更されます。航空貨物需要は一気に上がり、レートも比例して上がります。

このような状況では貨物スペースがなかなか取れないため、通常の到着予定日では到着しないことが多いです。一般的に日本発の航空運賃は、海外発に比べると一定の範囲内で推移しますが、それでも時には通常レートの1.5倍などに上がることもあります。混んでる時期かどうか、その都度フォワーダーへ確認してください。

逆に貨物量が少ない時期は、7月から8月の夏の時期が挙げられます。欧米を中心に夏のバケーションが始まり、製造業でも仕事モードではなくなるため貨物がほとんど動きません。この場合通常のレートより安くできるチャンスですので、フォーワーダーに交渉するとよいでしょう。

それ以外の航空運賃にかかる費用

航空運賃と同様に大事な費用に燃油サーチャージがあります。燃油サーチャージは航空運賃とは別に支払わなければならない費用ですが、シンガポールケロシンという航空機に使用する燃料費の相場に応じて1カ月から3カ月ごとに変更されます。

燃油サーチャージが厄介なのは航空会社によって金額が大きく異なることです。同じ目的地でも燃油サーチャージがない航空会社もあれば、50円以上で設定している航空会社もありますので、レートだけでなく、燃油サーチャージを入れた総額がいくらなのかを必ず確認してください。

以上の航空運賃、燃油サーチャージの総額が航空輸送にかかる費用となります。

保険に入ろう

航空輸送には時にイレギュラーも発生します。貨物の破損や紛失による損失を軽減するために、海上保険には必ず入ることをお勧めします。もし今までに保険会社と取引実績がないのであれば、フォーワーダーへ申し込むことをお勧めします。フォーワーダーは毎日たくさんの保険契約を結んでいますので、利率が安めに設定されているからです。

保険料金を支払うこと

見積もり時に伝えるべき事項

最後にフォーワーダーへ見積もりを依頼する時に、伝えるべき項目をご紹介します。

  1. 直行、経由の希望
  2. 金額重視か
  3. 団積み可能か。
  4. サイズは旅客便に搭載可能か
  5. 危険品や温度指定貨物ではないか。

1.直行、経由の希望

一般的に航空貨物は直行のほうが金額が高く設定されています。その理由の一つには単純に早く到着するためです。さらに経由地でのULDの解体や再積み付けがない分、貨物が損傷するリスクも格段に減ることが二つ目の理由です。航空運賃とダメージのリスクを考えて希望を伝えましょう。

2.金額重視か

航空貨物である以上、最速で到着してほしいという希望はあるでしょうが、金額もとても大事なはずです。余裕のある到着希望日を伝えれば、金額が安くなることもあります。フォーワーダーへの金額交渉ができるチャンスとなります。

3.団積み可能か。

貨物の梱包状態によっては、航空会社は貨物を受託しないケースや、レートを上げる場合があります。例えば高さ50cmなのにその上に貨物を載せられないような形状であれば、航空会社はそのスペース分の販売機会を失うため、この貨物のレートを高くすることもあります。基本的には上に貨物が乗っても問題ないように梱包してください。しかしもし貨物の性質上、どうしても上に載せられない梱包になるのであれば事前に報告が必要です。

4.サイズは旅客便に搭載可能か

貨物が旅客便に搭載可能かどうかで金額は大きく変わります。貨物の高さが160cm以上あれば貨物便しか選択の余地がありません。必ずサイズを伝えてください。

5.危険品や温度指定貨物ではないか。

貨物の内容品が危険品であったり、温度指定が必要な貨物は搭載する場所に制限があり金額が高くなります。一般的に危険品はIATA運賃という公示価格になり、アジア行きでは700円以上と高額です。また温度指定は通常レートにプラス100円から200円上乗せされます。このような貨物を輸送するのであれば、必ず詳細をフォーワーダーへ伝えてください。

 

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