混載で輸送されてきた貨物のアライバルノーティスを見ると「コーロードフィー(Co-load fee)」なる項目が記載されていることがあります。一体、この費用は、どのような物なのでしょうか?
この記事では、コーロードについて説明していきます。
コーロード
コーロードの意味
コーロードとは、2つ以上のフォワダーが共同で貨物を合わせて、コンテナ1本分にすることです。荷主、フォワーダー、船会社などの立場を踏まえて確認していきましょう!
コーロードの仕組み
外国へ貨物を輸送したい人(荷主)がいます。荷主は、コンテナ単位での輸送を希望しています。しかし、運ぶ物量などを考えると「混載での輸送」が最適なようです。そこで混載貨物を取り扱うフォワーダーAに輸送依頼します。
フォワーダーAは、荷主と運送契約を結びます。このとき、フォワーダーAは、複数の荷主と同様の運送契約を結び、できるだけ多くの貨物を集荷し、自社にて1本の貨物を仕立てようとします。ところが、タイミングによっては、この集荷がうまくいかないことがあります。フォワーダーAは、このままの物量でコンテナ1本を借りると赤字です。さて、どうしましょうか…
他方、同業のフォワーダーBは、順調に集荷ができ、あと少しでコンテナ1本分の貨物が集まりそうです…あと、少しのスペースをどうしようか…
そこで、フォワーダーAは、フォワーダーBに対して、自社の貨物を載せてほしいと頼みます。フォワーダーBは、残りのスペースをフォワーダーAに貸し出します。これで、フォワーダーAは、自社でコンテナを仕立てる必要がなくなります。フォワーダーBも残りのスペースを埋められます。
ここまでの関係を表したのが下の図です。フォワーダーBは、船会社よりコンテナを借ります。フォワーダーAは、Bが借りているコンテナスペースの一部を借りた上で、この中に自社荷主の貨物を載せます。このように、いくつかのフォワーダー(混載業者)が協力して一つのコンテナにすることを「コーロード」と言います。
コーロードしたときの各社の関係性
コーロードしたときの各社の関係性は、次の通りです。船会社→フォワーダーB→フォワーダーA→荷主の順です。この順番がそのままマスターB/LとハウスB/Lの関係です。
- 船会社→フォワーダB(船会社は、フォワーダBにB/Lを発行)
- フォワーダーB→フォワーダーA
- フォワーダーA→荷主
コーロードのデメリット
上記の図をご覧になるとわかる通り、コーロードをすると、輸送契約が複雑化します。この複雑化に伴って発生するのが次の三つのデメリットです。
- 搬入倉庫が変わる
- 搬入に時間がかかる。
- 貨物のリリース時間が長くなる可能性がある。
1.搬入倉庫が変わる。
コーロードを担当するフォワーダーによって(フォワーダーBの立場)貨物を搬入する倉庫が変わるため注意が必要です。
2.搬入に時間がかかる可能性がある。
混載貨物は、輸入国側についたときにコンテナから貨物を取り出す作業(デバン)があります。デバンをし終わった後、特に問題がなければ、ナックスを使い「貨物の搬入」をあげます。各荷主は、この搬入が上がることにより、輸入許可を受けて貨物を引き取れます。実は、コーロードしているときは、多数の荷主が関わることが多く、その分、デバンに時間がかかります。
仮に、デバンをする最中、コンテナの中にある荷主Aの貨物に何らかの不具合があると、そのコンテナの中にあるすべての貨物の搬入が留まります。具体的には、次のようなケースが考えられます。
- 税関の予備申告は終わっている。
- 搬入を待っている
- なかなか搬入が上がらない→輸入許可にならない。
- 混載事業者が倉庫に貨物をピックアップしに来ている。
- でも、まだ輸入許可になっていないから引き取れない。
- 混成便業者の集荷のタイムリミットになる。
- 混載便に載せられなかった→納期遅れ確定
3.貨物の書類関係の確認に時間がかかる可能性がある。
コーロードで貨物を積んでいるときは、複数の業者が絡むため、貨物をリリースするための手配に時間がかかります。特に「D/O」に関するトラブルは、多いです。D/Oとは、貨物のリリース書類です。輸入貨物は、税関が発行する輸入許可書とD/Oを持っていくことで貨物を引きとれます。
なぜ、D/Oの発行が遅くなる可能性があるのでしょうか? このヒントは、B/Lのマスターとハウスの関係にあります。一言でいうと、上位に位置するB/Lの影響を下位のB/Lが受けるためです。
例えば、上位に位置するB/Lの荷主(上図でいうとフォワーダーBなど)が貨物のリリースに必要な費用を支払っていない場合、そのB/Lの下位に位置する荷主(真の荷主)が費用を支払っていても、上位B/Lの荷主が必要な費用が支払われない限り、貨物を受けとれません。

下位に位置するB/Lは、上位に位置するB/Lの影響下にあることを覚えておきましょう!
自社混載とコーロードの関係
コーロードの対義的な意味を持つ言葉は「自社混載」です。自社混載とは、LCL輸送を行うフォワーダーが自社の荷主だけで輸送便を立てることです。もし、コーロードによる混載を避けたい場合は、自社混載を得意とするフォワーダーに依頼しましょう!コーロードフィーの支払いやデメリットを避けられます。
よくある疑問
Q.消費税はどうなる?
「輸入許可の意味」でもお伝えした通り、輸出国側で発生したCO-LOADE費は、消費税はかかりません。
Q.輸入申告の加算対象になる?
輸入申告価格(CIF)には、このコーロード費を含めることになっています。この件に関する見解は「税関のページ」で公開されています。
まとめ
- コーロードとは、集荷力がないフォワーダーが他社と共同で1本のコンテナにすること
- コーロードすると、複数の荷主や代理店が絡む分、トラブルの発生確率が高まる。


海上輸送の手順書
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