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中国の工場にサンプル品を発注して商品の品質を確かめる方法

中国から商品を輸入する際、品質を確実に確保するためにサンプル発注は不可欠です。この記事では、サンプル発注の重要性、効果的なサンプル確認の手順、サンプル品の評価項目、以及サンプル発注時の留意点について解説していきます。

中国からサンプル品を取り寄せるときの注意点

前回は商品選定とサプライヤー評価について解説しました。今回は、選定した商品の品質を確実に確保するための重要なステップ、サンプル発注について詳しく説明していきます。

1. サンプル発注の重要性

本格的に商品を輸入するに、サンプル品を取り寄せて、その仕様や改善点を見つけます。

  • 実物の品質を確認する。
  • 写真との相違点を見つける。
  • 改善点の明確にする。
  • 量産時の品質基準設定する(クレーム基準)

通常、サンプル品は有料です。ほとんどのサプライヤーは、通常の価格に対して30%前後のサンプル代金を上乗せして請求してきます。

サンプル=無料

この考え方は通用しないです。但し、ほとんどのサプライヤーは、サンプル品の請求から、実際に本貨物の輸入につながったときは、初回の請求金額からサンプル代金を引いてくれます。

サンプル発注のタイミング

サンプル品は、複数のサプライヤーと比較検討する時、商品の仕様を変更したときなどに請求します。適切な時期にサンプル品を請求して、サプライヤーと共に改善を繰り返していきます。

  • 複数サプライヤー比較時
  • 最終サプライヤー決定前
  • 大量発注前の最終確認
  • 仕様変更時の確認

2. 効果的なサンプル確認の手順

サンプル品は、以下の目的で使用します。また、サンプル品の確認方法は、社内で実施する他、専門のインスペクター会社に依頼するなどの方法があります。

  • 外観検査(色、形状、サイズ) をする。
  • 機能性を検査をする。
  • 安全性を確認する。
  • 表示・ラベルの確認
  • 製品の取り扱い説明書を作成
  • 品質基準を明確にする(クレーム基準)
  • 検品項目をリスト化する。

サンプル品の評価は、独自のチェックシートと照らし合わせると良いです。なお、サンプル品の現物を使い、日本側の輸入規制の確認、HSコードの特定などもすると良いでしょう。

サンプルの評価項目の例

製品情報
  • 製品名
  • ベンダー詳細
  • 使用材料
  • 寸法
  • 重量
  • その他の仕様
パッケージ
  • パッケージの状態
  • 傷などはない?
  • 損傷している所は?
  • 説明書の有無
品質と安全性
  • 不良の確認
  • 材料の品質は?
  • 安全規制への対応
  • 有害物質や物質の存在は大丈夫?
デザインと機能性
  • 安全で使いやすい。
  • 対象とするユーザーが好みそう?
  • ユーザーの身体的特性に合っている?
  • 意図したとおりに動作する
  • 問題や不具合は発生していない?
テストの完了日
  • テストを実施した者
  • 完了日

3. サンプルは、品質基準(クレーム基準)を定める意味でも重要

サンプル品のは、何を「良とする製品なのか?」「不良とする製品なのか?」などの品質基準を定める意味でも使います。

例えば、今後、本格的に商品を輸入するようになった際は…

  • この商品のカラーは、○○が基準
  • この商品の材質は、○○が基準
  • ラベルは、この部分に貼る。

など標準とする規格をサプライヤーとの間で決めます。これにより、製品の標準的な品質基準が定まり、不良品、良品の判断が明確にできます。

4. サンプルを取り寄せるときの留意点

サンプル品(商業見本)を取り寄せる場合は、次の2つの点を覚えておきます。





  1. 税関や輸送上のトラブルを防止する。
  2. サンプル品にも本来の価格を記載する。

1.税関や輸送上のトラブルを防止する。

サンプル品は、税関で留められないように必要があります。また、バッテリー内蔵品(携帯電話を充電するためのパワーバンクなど)など、航空便や宅配便で送れない品目がいくつかあります。

2.サンプル品にも価格を記載すること

サンプル品を取り寄せる時のインボイスには、サンプル品の通常価格を記載するのが正しいです。

例えば、N.C.Vと書いたり、0円と記載したりするのは間違いです。サプライヤー側から貨物を無料又は低い価格でもらっていても、インボイスには、その貨物、本来の価格を記載します。

5. サンプル品を取り寄せる方法

アリババを使えば、簡単にサプライヤーに連絡ができます。アリババを通して、商品のサンプル品が必要であることを伝えます。もし、アリババ以外でサプライヤーとコンタクトしている場合も同様です。公式サイトの問い合わせフォームやメールアドレスからサンプル品がほしい旨を伝えます。

  1. サンプル品について問い合わせる。
  2. 対象商品を伝える。(カラーなど)
  3. サンプル品の送付先の住所を伝える。
  4. インボイスには、N.C.V+商品価格を記載してもらう。
  5. もし、本格的な輸入になったら、サンプル代を引いてほしいと伝える。

6.品質基準の重要性とは?

サンプル品による品質基準の特定、製品仕様を明確にすることは、今後、実店舗で販売をするときに大きく関係してきます。

といいますのは、現状、アマゾン等で商品を販売する場合は、製品の品質に関しては、そこまで厳しく言われないです。(例:ホルムアルデヒドなど)その為、アマゾン販売のみをしている方は、品質基準の考え方が少し緩い方が多いように感じます。

しかし、これが実店舗販売になると、一気に求められる品質基準が上がります。当然、エビデンスもも求められます。

例えば、この商品を販売する上では、第三者機関での成分検査データの提出が必要になるなどです。品質基準は、商品の販売先を実店舗に広げようとする際、強く意識することになるでしょう。

関連サービス:インスペクターとは?

このサンプル品と密接に関係するサービスがあります。商品の品質、工場の生産工程、出荷品質などを確認するインスペクターです。

例えば、中国の製造工場Aと生産契約を結んだ。契約書通りに生産をしていくことになっている。但し、本当に規格通りに生産してくれるのかが心配である。そこで、この監視を第三者が行うのがインスペクターです。

インスペクターで有名な企業は、QIMA(旧:AsiaInspection)です。QIMAは、中国工場で商品を仕入れて日本に商品を輸入する企業に対して、様々な検査サービスを提供しています。

  • 出荷前検査
  • 製造中の検査
  • 初期の製造チェック
  • 出荷前検査(船積みする前の検査)
  • 製造中の監視
  • サンプル品に対する評価

例えば、フォワーダー、サプライヤー、インスペクターの3社と密に連絡を取りながら、商品の生産(サプライヤーの仕事)、監視(インスペクターの仕事)、輸送(フォワーダーの仕事)の物流をつくることなどができます。

ある一定の規模で輸入する方は、日本での検品不良率を下げる意味でも有用です。

まとめ

サンプル確認は、大量発注前の重要な品質確保ステップです。この段階での慎重な確認が、後の輸送や販売段階でのトラブルを防ぎます。特に、輸送中の品質劣化リスクを考慮したサンプル評価が重要です。信頼できる物流パートナーは、商品の特性に応じた適切な輸送方法や保管方法についてアドバイスを提供できます。早い段階から相談することで、品質維持に関する課題を事前に把握できます。

次回予告

第3回:中国のサプライヤーとの価格交渉術

  • 適正価格の算出方法
  • 効果的な交渉戦略
  • 契約書の重要ポイント

 

 

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