中国から商品を輸入し、日本で販売するビジネスを始める際、最も重要なステップは商品の需要と適切なサプライヤーの選定です。この記事では、 日本市場の需要をどうやって見つけるか、商品選定の基準、サプライヤーを見つける方法、以及それらのポイントについて詳細に解説します。
商品需要、商品の選定、サプライヤーの見つけ方
あなたは、中国から商品を仕入れて日本で販売を検討しています。まず、何から始めれば良いのか?と迷っています。その答えは、商品の需要です。これは、悩み、課題とも言い換えられます。
- どのような商品に需要があるのか?
- その需要の裏には、どのような悩みや課題があるのか?
を考えることからスタートします。
日本市場の需要を見つける方法
どのような方法で、商品の需要を探せばいいのでしょうか?
主な方法には、以下があります。
- 日本のECサイトで売れ筋商品を分析する
- アマゾンのベストセラーをチェックする。
- 競合他社の取扱い商品から横展開する。
- SNSでのトレンド分析する。
- ヤフー知恵袋から不満がある商品情報を探す。
- 物関連の雑誌で特集されている商品の関連品
- 書店の売り場を広くとっている商品を見つける。
- 東急ハンズなどの売り場からヒントをつかむ。
- グーグルトレンドなどのキーワードツール
- シッピングモールをプラプラと歩く
- 現在のご自身のビジネスからの横展開
日本の物販は、90%以上が実店舗での売り上げであることを覚えておきましょう!
売れる商品を発掘!?5つの基準
商品の需要から、商品を選ぶときの基準は、次の通りです。
- 適切な利益率(30%以上を目安)を確保できる?
- 配送コストと商品価格のバランスは妥当?
- トレンド性商品なのか?継続性商品?
- 規制や許認可の有無はどうなっている?
- 中国側で商品を調達できる?
1.適正な利益率(30%以上を目安)を確保できる?
中国輸入の利益率は、工場の原価から考えて、最低限30%の利益です。逆に言うと、30%の利益をとれないような商品は、取り組むべではありません!
2.配送コストと商品価格のバランスは妥当?
商品を購入する価格、日本まで輸送する価格、輸入諸税や諸経費を含めて、現在、日本で販売されている商品と比較して、参入する魅力はありますか?
3.トレンド性商品なのか?継続性商品なのか?
商品には、2つのタイプがあります。
- トレンド商品
- 継続性商品
トレンド商品
は、爆発的に収益が増える可能性があります。当然、一気に需要がなくなり、そのまま在庫化することもあります。
=瞬時に需要を読み取り、損切ラインを設定できる方に向いています。
一方、継続性商品とは、その逆です。カメのようにゆっくりと売り上げが積みあげていきます。すぐに大きな収益を上げれない代わりに、息の根がながい商売を実現できます。物販の上級者は、このトレンド商品と継続性商品の2つをうまく組み合わせて、安定的なビジネスにしています。
4.規制や許認可の有無はどうなっている?
その商品を日本に輸入できるのでしょうか?
輸入規制や国内関連法規制から商品の可能性を評価することも重要です。需要が強く、魅力的な商品でも輸入規制により、輸入が出来なかったり、難しかったりすることがあります。
5.中国側で商品を調達できる?
上記1~4を全てクリアしても、中国側で商品を調達できるのか?の問題があります。ちなみに、中国側の商品の販売者をサプライヤー又はベンダーと言います。想定する商品を仕入れること、又は製造することができるサプライヤーを見つけられるのか?を考えましょう!
ざくざくアイディアを発掘!強みがある中国輸入の思考法
中国物販のビジネスモデルは、AIを活用しても考えられます。やり方は、次の通りです。この思考法は、特に現在、物販以外でビジネスをしている方に有効です。
もし、客観的に問題点がわからない場合は、AIに答えを聞きましょう!
例えば、あなたは接骨院を経営。最近、ライバルとの競争が激しくなり、接骨業とは別の収益を作りたいと考えているとしましょう!この業界に対して物販をやりたいと考えています。このヒントをAIから得たいと考えています。
私は接骨院を経営しています。この業界に携わる施術者が抱える身体的な悩みや課題をリストアップしてほしいです。
- 長時間の立ち仕事と体力的な負担
- 手や腕、背中の疲労と痛み
- 身体的ストレスとリフレッシュの難しさ
上記の悩み、課題を抱える人に対して物販をしたいと思います。既存製品と競合性が低い物でビジネスチャンスがありそうな商品をリストアップしてください。あわせて商品を選定した理由を教えてください。
手と腕のケア製品
- 理由: 施術者は長時間の手技が必要なため、手や腕の疲労が著しいです。手と腕のケア製品はこれらの問題を解決するのに役立ちます。
- 具体例: マッサージグローブ、手のクリーム、手のストレッチツールなど。
身体的ストレス解消用アロマオイルとエッセンス
- 理由: 施術者は身体的なストレスに常にさらされており、アロマオイルやエッセンスはリラックス効果があり、ストレスを軽減するのに役立ちます
- 具体例: ラベンダーオイル、ベルガモットオイル、エッセンスディフューザーなど。
健康食品とサプリメント
- 理由: 健康食品とサプリメントは、施術者の健康維持と身体的負担の軽減に役立ちます。特に、骨盤矯正や筋肉リラックスに関連する製品が効果的
- 具体例: 骨健康サプリメント、筋肉リラックスサプリメント、プロバイオティクスなど。
運動療法用具とフィットネス器具
- 理由: 運動療法は、施術者の身体的な健康維持と患者への治療効果の向上に役立ちます。ピラティスやロルフィングなどの運動療法用具が適切。
- 具体例: ピラティスボール、ロルフィングローラー、ヨガマットなど。
私は広告会社を経営しています。業界の課題を解決するための物販モデルを考えたいです。候補をあげてください。
広告効果測定キット
- 理由: 広告の効果を測定するためのキットを提供し、広告疲れを軽減し、効果的な広告戦略を立てるためのツールを提供します。
- 具体例: 広告クリックトラッキングデバイス、視認性測定ツール。
クリエイティブワークショップキット
- 理由: クリエイティブワークショップキットを提供し、広告の質を向上させるための教育リソースとツールを提供します。
- 具体例: グラフィックデザインキット、ビデオ制作ガイドブック
ターゲットマーケティングツール
- 理由: ターゲットマーケティングツールを提供し、少子高齢化による消費の減少に対応するためのツールを提供します。
- 具体例: デモグラフィック分析ソフトウェア、特定のデモグラフィックに合わせたマーケティングキャンペーンツール。
上記のようにAIと対話を繰り返し、少しずつ回答の精度を上げていきます。AIは優秀です。上手に活用することで、完成品以外の物販モデルを考えることもできます。
日本の需要を確かめる方法 ドロップシッピングとは?
本当に日本側に需要がある?
これを調べる場合は、アリエクスプレスが役に立ちます。アリエクスプレスで少量の商品を仕入れて、日本側のメルカリやアマゾン等でテスト販売します。これにより、日本にその商品の需要があるのか?を調べられます。
AliExpress.comは、中国のサプライヤーから少量の商品を輸入するときに適しています。
- アリエクスプレスから少量を輸入する
- 日本側で販売してみる。
- 需要が高い物をアリババで仕入れる
上記の使い方ができます。これによりデータ以外からの実需を把握できます。但し、基本的にアリエクスプレスは、アリババからの返品、不良品、過剰在庫の商品が販売されています。アリエクスプレスのバイヤーは、アリババ等の業者から商品を仕入れて販売する再販業者です。
つまり、アリエクスプレスで価格競争力がある商品を仕入れることは難しいですし、中国側のサプライヤーを開拓することも難しいです。
アリエクスプレスは、単に少量を輸入し、日本側の需要を確かめる為に利用します。なお、一般的には、アリの価格は、中国の工場から直接、仕入れるよりも50%以上高いです。何度も言いますが、アリは、アリババで販売されている商品を少量で仕入れてテスト販売するために活用します。
Aliexpress の概要
製品の品質
アリエクスプレスの商品は、アリババでの過剰在庫品、返品、何らかの理由がある商品が多いです。よって、高い品質は望めないと考えた方が良いでしょう。ですが、セラーにつけられた評価を確認することで、ある程度のレベルで、良い商品を選べます。
販売数が多く、レビューが高い商品を選びましょう!
支払い方法
アリババと同じくエスクローを通した安全に決済ができます。
発送方法
基本的に全世界に無料で配送しています。但し、チャイナポストを利用しているため、商品が届くまでに30日~60日前後の日数がかかります。
価格競争力
アリエクスプレスの価格は、中国の工場価格の50%程高いです。価格競争力があると言えば、無しです。但し、日本側の価格とアリエクスプレスの価格を比較すると、若干の価格差があるのも事実です。この価格差を利用すれば、お小遣い程度には稼げます。
ただし、アリエクスプレスの利用目的は少量をテスト輸入し、日本側の需要を見極めることです。よって、アリエクスプレスに対して価格競争力を求めること自体だがナンセンスです。
3.中国のサプライヤーの探し方
中国のサプライヤーを見つける代表的な方法は、次の通りです。それぞれの一長一短があります。ご自身が好きな所でサプライヤーを探しましょう!
- Alibaba.com
- Global Sources
- Made-in-China.com
- HKTDC.COM
- Taoba
- Aliexpress
展示会でサプライヤーを見つけるには?
上記の他、中国各地で開かれる展示会でサプライヤーを開拓するのも有効です。
中国の主な展示会
- HKTDC
- Globalsources
- 広州交易会
但し、物理的なこと、時間的なこと、言語的なことから、現地の展示会にいくことは難しい方も多いでしょう。その場合は、以下の方法によりサプライヤーを開拓します。
*展示会でもらったバッチは捨てないようにしましょう!
自宅にいながら中国のサプライヤーを見つける方法
- ジェトロの展示会情報サイトに行く
- 展示会の内、開催国を「中国」にする。
- 表示された展示会情報を確認する。
- 気になる展示会の情報を開き、ページの下部に移動する。(公式サイトへのリンク)
- 展示会の公式サイトに行く
- 公式サイトの「出展者一覧」を見る。
- 展示会に出展予定のサプライヤーの情報を取得できる。
4.アリババでサプライヤーを探してみよう
アリババは、B TO Bマッチングサイトです。B TO Bとは、企業と企業の取引です。具体的には、商品を販売したい企業(サプライヤー)と、商品を購入したい企業(バイヤー)とをつなげます。
アリババの魅力
- 中国工場と直接やり取りができる
- TRADE ASSURANCEで安全取引
- オリジナル商品の製造ができる。
- 複数のサプライヤーとやり取りができる。
アリババ3つの基礎知識
- 価格の考え方
- 最小注文(MOQ)
- 偽工場の除外
1.価格の考え方
アリババに表示される価格は、FOBが基準です。日本側の港までの輸送する前提の価格を知りたい場合は、CIPで見積もりをもらいます。逆に、中国の港よりも前(倉庫や工場)等での引き渡しを希望する場合は、EXWで見積もりを依頼します。
FOB又はEXWの場合は、どちらも買い手側が国際送料を負担します。=ご自身で手配が必要です。取引候補がない場合は、弊社が国際輸送の見積もりをさせて頂きます。
2.最小注文数量 (MOQ)
最小注文数量 (MOQ) は、製造元が生産を開始するために受け入れる最小注文です。但し、MOQは絶対的な数字ではないです。交渉等によりもさらに小さくできます。(例:100個、1000個など)
例:ある商品を購入する際、特別な化粧箱を要求すると最小注文数量が一気に大きくなります。白い化粧箱など汎用性が高い物を指定すると、MOQが下がります。
- 汎用性が高いカスタマイズ/生産=MOQは小さい
- 汎用性が低いカスタマイズ/生産=MOQは大きい。
3.アリババに蔓延る「偽製造工場」を除外する方法
当サイトは、最も一般的なアリババでの探し方をご紹介していきます。
まず最も大切なことがあります。それは、アリババやグローバルソースなどに関わらず、これらのサイトで探すのは、商品ではなく、大元の製造工場です。
アリババでは……
- 売れる商品を探す=間違い。
- 商品の工場を探す=正解
大元の工場を探す上でのポイントがあります。それは「偽装工場」の排除です。先に説明した通り、私たちは、アリババを通して、中国の本当の工場とつながりたいです。しかし、残念なことに、アリババには、自称、製造工場をかたる輸入業者、仲介業者、詐欺師が多いです。
アリババを利用する際は、これらの自称工場を除き、本物の工場を見つけます。
アリババで真の工場を見つける方法は?
商品を探す際、左側に表示される「Verified supliyer」をチェックします。これは、独立した第三者により、サプライヤーの会社概要、生産能力、製品、プロセス管理検査、評価、検証されていることを意味します。=このチェックをオンにして商品を探せば、偽装工場を除外できます。
5.アリババのサプライヤーは、この点を確認
その他、サプライヤーの候補は、以下の観点で評価します。
- 日本との取引経験の有無
- 事業許可証
- 工場の写真または会社の資料
- 取得済の認証(例:CEマーク)
- 生産能力、従業員/スタッフ/エンジニアの数
- 主な顧客
- 会社の売上高
- サンプル製品への対応
- 迅速なコミュニケーションができるのか?
- 正確な見積もりをくれる?
関連知識:ODMやOEMとは?
中国から商品を仕入れるビジネスをしていると、どこかのタイミングで中国の工場でオリジナル商品を販売したいと考える時があります。このような時にOEMやODMなる言葉を聞きます。
OEMとODMの言葉は似て非なる物です。
- OEM=生産設備を含めて、商品を独自開発すること
- ODM=生産設備は既存の物を活用し、商品を独自開発すること
例えば、OEMの代表例は、アップルです。IPHONEの本体を製造する為に、中国側の工場の生産設備を含めて独自開発をします。他方、アマゾン等で販売している商品をアリババ等で見つけて、無地の商品に自社のロゴ等を入れる。オリジナルの袋に入れるなどは、全てODMです。アリババやグローバルソースで見つかる物は、通常、ODMです。
中国側でODMをして、日本側に輸入するビジネスを構築するときのメリットは次の通りです。
- 注文数量が少なくてもできる。
- 誰でも購入できる
- 配送時間が短くてもできる。
6.サプライヤーに連絡してみよう!
候補となるサプライヤーを見つけたら、実際にコンタクトをしてみましょう!この時点では、複数のサプライヤーに連絡をして間口を広げておきます。
サプライヤーへの例文
[Supplier’s Company Name]
[Your Name]
[Your Position]
[Your Company Name]
[Your Contact Information]
Subject: Inquiry About Your Product Dear [Supplier’s Representative’s Name],
My name is [Your Name], and I am the [Your Position] of [Your Company Name]. We are a [your company’s business, e.g., Importer/Buying Office/Wholesaler/Online shop] operating in [your country]. You can visit our website at www.[your website].
I am writing to inquire about the product I saw on your website/catalogue/exhibition, specifically the [Product Name/Model Number].
Could you please provide the following information:
Unit Price: Based on [specified quantity]
Minimum Order Quantity:
Available Certifications:
Production Lead Time:
Payment Terms:
If you have any customization options, please include those details as well.
I will evaluate the information and get back to you as soon as possible. If you have any questions, please do not hesitate to contact me.
Thank you and best regards,
[Your Name]
[Your Position]
[Your Company Name]
[Your Contact Information]
- 初心者であることを伝えない。
- 質問は簡潔。箇条書きにする。
以上の点を考慮し、アリババなどでサプライヤーを開拓していきましょう!
7.初心者が陥りやすい失敗事例
商品とサプライヤーの選定に際し、よくある失敗例は次の通りです。
商品選定の失敗
商品に対する需要等のリサーチが悪いと在庫の山ができます。最悪、日本側で輸入ができず、全ての輸入品が全損になります。
- 流行の終わった商品を選ぶ。
- 配送コストを甘く見る。
- 輸入規制を見落とす。
- 商品の需要が無かった。
サプライヤー選定の失敗
サプライヤーを選定する時の失敗は次の通りです。
- 価格のみでの判断してしまう。
- 取引実績を確認していなかった。
- 知的財産権の確認が不足していた。
- 過度に信用していた。
- 日本への輸出経験がなかった。
- 貿易権(輸出権)を持っていなかった。
まとめ
商品選定とサプライヤー評価は、中国輸入ビジネスの成否を決める重要な要素です。次回は、選定した商品の品質を確実に確保するための「サンプル発注の方法」について詳しく解説します。
次回予告
- サンプル確認の重要ポイント
- 品質基準の設定方法
- 不良品発見時の対応策
- 中国輸入バイブル(イントロ)
- 第1回:商品需要の探し方、サプライヤーの見つけ方
- 第3回:中国のサプライヤーとの価格交渉術
- 第4回:中国輸入で安全性が高い支払い方法
- 第5回:海上輸送を効率化しながらコストを削減
- 第6回:税関手続きでトラブルを回避する方法
- 第7回:中国商品の輸入許可後の国内配送
- 中国の海上輸送のトラブル相談室
- 中国輸入の関税計算ツール
- 中国貿易のカレンダー
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