海外の化粧品を輸入するときに必ず知っておくべきこと

化粧の輸入他法令 食品/薬機/植物
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海外の旅先でお気に入りの化粧品と出会い、ついついまとめ買いをしてしまうことがあります。まとめ買いの理由は人それぞれです。ある人は、有名な「ブランド物」化粧品が日本価格の何割引きかで購入ができるから。また、ある人は、エステなどを通してその化粧品(オイルなど)を欲しくなる人もいます。

しかし、海外化粧品の輸入には、思いもよらない強い輸入規制があることを忘れてはいけません。特に海外化粧品を「販売用に輸入」を検討している人は、あきらめるべきです。もちろん「個人使用と偽って販売する」などは論外です。なぜ、このような結論にいたるのかを説明していきます。

化粧の輸入

副業感覚で輸入化粧品を取り扱うべきではない理由

サラリーマンや主婦の副業感覚で輸入ビジネスを行う人がいます。小資本で可能などの理由から、多くの人が「個人輸入ビジネス」を行っています。輸入する商品としてお手軽なのが「化粧品」です。軽さと手軽に扱えるところが人気なのだと思います。しかし、その手軽さの「ノリ」で輸入をすると、後から大変な思いをするかもしれません。

輸入品の中には、特に規制が厳しい商品があります。例えば「食品」「化粧品」「薬」などです。これらに共通する点としては、人の口に入ったり、肌に触れたりすることです。これらの商品は「個人目的で輸入する分」であれば、誰でも簡単に輸入が出きます。しかし、これが「商売目的」となると厳しい規制を受けます。

例えば、あなたはピザ好きであり、海外のピザを「個人的に楽しむ」ために輸入するとします。→この場合、すぐに輸入は許可されます。ではもう一方を見てみます。

あなたの友達はスーパーのオーナーです。スーパーで販売するために、ヨーロッパのお菓子を輸入しようしています。→この場合、販売目的での輸入となり「食品衛生法」に基づく食品規制の対象です。この場合、輸入許可を受けるまでのハードルがぐっと高くなります。同じ食べ物を輸入するとしても商売か?により、扱いが全く違います。実は、化粧品もこの理屈と同じです。

化粧品を「商売用」として輸入する場合は「薬機法(薬などに関する法律)」によって輸入規制を受けます。もし、合法的な手続きを取らずに輸入をすると「薬機(薬事)法違反」で罪に問われます。この規制は、ヤフオクなどをはじめとしたネット上で販売する小資本のお手軽系ビジネスも含まれます。

販売目的で化粧品を輸入する場合の税関と厚生省の関係

一般的に輸入の許可を出すのは税関です。しかし、ある特定の商品(化粧品など)の輸入については「税関以外の管轄省庁(かんかつしょうちょう)」から必要な確認や許可を受ける必要があります。税関は、これら管轄省庁からの「許可や確認」を得られた後に「輸入許可」をします。

販売目的の輸入であれば、厚生労働省薬事監視専門官から「薬監証明(輸入貨物が薬機(事)法に違反していないことを証明する書類)」を取得した後に、税関にこの証明書を提出します。この「薬監証明」をとるためには「製造販売業又は製造業の許可」を受けている必要があります。(個人使用目的であれば適用外)

化粧品輸入薬監証明書のイメージ

*薬や化粧品などの分野は厚生省の管轄であるため、税関独自で判断ができません。そのため、薬監証明を利用して「厚生省の輸入商品に対する見解」を聞いているのです。では、仮に輸入しようとしている商品が「輸入不許可」になった場合はどなるのでしょうか?

輸入不許可になった場合はどうなる?

あなたが輸入しようとした化粧品は「返送」または「破棄(はき)」のどちらかです。返送は貨物の送り主(購入先のお店など)に送り返すこと。破棄は貨物を捨てることを意味します。どちらの場合であっても、あなたの元から貨物が消えることに違いはありません。

化粧品は、基本的に輸入ができない商品です。

海外から「商売として」化粧品を輸入するためには、輸入しようとする人が「厚生労働省から製造販売業又は製造業の許可」を受けている必要があります。

ただし「個人的に使用する目的」で輸入する場合に限り、既定の数量の範囲内で例外的に「製造販売業の許可」を取らずに輸入ができます。よくある勘違いとして化粧品は自由に輸入できる物と考えがちです。しかし、それは大きな間違いです。基本的に規制されているものを例外的に認めているだけなのです。

化粧品の輸入は、個人使用に限って例外的に認められている。

化粧品輸入規制

個人輸入として認めてもらえる範囲

先ほど述べた通り「個人使用目的」であれば例外的に自由に輸入ができます。では、この個人使用目的とは具体的にどのような定義となっているのでしょうか。下記の図は、厚生労働省が示している化粧品に関する輸入規制の内容です。

○標準サイズで1品目24個以内
※品目については、8ページを参照してください。
※口紅の場合を例にすると、ブランド・色等が数種類あったとして
も総量として24個以内になります。

○少量の製品(内容量が60g又は60ml以下の製品) で1品目120個以内
※ただし、以下に該当する類別を除きます。
ファンデーション類、白粉打粉類、口紅類、眉目頬化粧品類、爪化
粧品類、香水類(品目については、8ページを参照)

引用元:厚生省配布資料

この内容によりますと、標準サイズであれば24個まで、少量の輸入であれば、120個までです。

化粧品の「サイズ」「内容量」によって輸入の可否を判断する。

また、この2つの観点とは別に、以下の二つの点で注意が必要です。

注意1.必ずしもこの数字を上限として個人輸入が認められているわけではありません

24個というのはあくまで数字上の目安です。物のサイズによっては、これよりも少量であっても「商業輸入にあたる」と判断される場合があります。

注意2.異なる色、ブランド等の違いはすべて同一品目として判断されます。
例えば、口紅にはさまざまな色が存在します。また、これらを制作しているブランドもたくさんあります。しかし、これらはどれも「同一品目」とされます。つまり色やブランドごとに24個ではなく、口紅の大枠として24個までとなります。

上記で説明をした「個数」や「量」を基準として個人的使用の分かを判断されます。ちなみに26個輸入すると2つだけ余ります。しかし、残念ながらこの2つは輸入できません。なぜなら個人使用目的の範囲ではなく、商業目的になるからです。つまり上記で説明をした薬監証明または「製造販売業又は製造業の許可」が必要です。

輸入した化粧品をネットオークションなどで販売できるのか?

これまでの説明で、輸入した化粧品を商売することは難しいことがわかりました。しかし、ネットオークションなどでは化粧品が大量に売られているのも事実です。この理由は以下の二つが考えられます。

  1. 日本で市販されている化粧品を転売している。
  2. 個人使用目的で輸入した化粧品を違法に販売している。

実は化粧品自体の販売に何かしらの規制があるわけではありません。例えば、あなたが近所のコンビニで売られている化粧品を購入して、ネットオークションなどで転売することは可能です。なぜなら、市販されている化粧品には「製造販売者(化粧品に何かしらのトラブルがあった時に責任をとる人)」が決められているからです。

一方、二番のケースは問題です。化粧品を輸入する場合は、輸入した人が「製造販売者の許可」を得ている必要があります。これは、万が一のことが起きた場合にあらゆる責任をとることを意味します。仮に化粧品を個人使用目的で輸入しているのに、ネットオークションなどで販売すれば、法律違反です。

こんなリスクも考えられます。

もし、あなたが輸入化粧品を違法に販売している場合、その化粧品を使ったことによる「被害の補償」を行う必要がでてきます。

例えば、数年前「茶のしずく石鹸事件」なる物が起きました。この石鹸に含まれていた小麦成分によって「アレルギー反応」が出てしまい60人余りの重傷者を出す事件へと発展しました。このとき、運営会社が多大なる補償の責任を負わされたことは誰にでも想像ができます。輸入化粧品を違法販売するというのは、このような「訴訟リスク」も含めて、すべての責任を負うことになります。

化粧品を販売できない理由

これまで述べた通り、輸入化粧品を個人が販売するのは、ほぼ不可能です。結局のところ「製造販売業又は製造業の許可」を取ることができないからです。製造販売業は、非常に厳しい条件をクリアする必要があります。主な条件は、次の通りです。

化粧品製造販売業の許可の条件

化粧品製造販売業を取ることによって、輸入化粧品を販売することはできます。では、この許可は、どのような条件で取ることができるのでしょうか。

例えば、広島県のサイトには、以下のように記載されています。

製造業の許可を取得するには,(1)人的要件と(2)構造設備的要件を同時に満たさな ければなりません。

(1)人的要件(製造所に常時配置しなければならない有資格者)の基準 薬事法施行規則第 91 条第 2 項に該当する次の者が必要です

① 薬剤師

② 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で,薬学又は化学に関する専門の課程 を修了した者

③ 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で,薬学又は化学に関する科目を修得 した後,医薬品又は化粧品の製造に関する業務に三年以上従事した者

(2)構造設備的要件(製造所の構造設備の基準) 薬局等構造設備規則(厚生省令第2号)第 13 条に適合すること

① 当該製造所の製品を製造するのに必要な設備及び器具を備えていること。

② 作業所は,次に定めるところに適合するものであること。 a. 換気が適切であり,かつ,清潔であること。 b. 常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。 c. 作業を行うのに支障のない面積を有すること。 d. 防じん,防虫及び防そのための設備又は構造を有すること。 e. 床は,板張り,コンクリート又はこれらに準ずるものであること。 f. 廃水及び廃棄物の処理に要する設備又は器具を備えていること。

③ 製品等及び資材の試験検査に必要な設備及び器具を備えていること。ただし、当該製造 業者等の他の試験検査設備又は他の試験検査機関を利用して自己の責任において当該 試験検査を行う場合であって、支障がないと認められるときは、この限りでない。

引用元資料:広島県

この資料を見ると許可の要件には「人的要件」と「設備的要件」があります。

人的要件には、薬剤師を常時配置することが求められます。ここで薬剤師への人件費をカバーできるのかという問題が出てきます。この問題をクリアすると、次に設備要件があります。a~fまでの条件だけでもかなり厳しいです。さらに極めつけが「製品等及び資材の試験検査に必要な設備を有すること」です。

もし、あなたが上記のような問題をすべてクリアできるなら参入してもいいです。しかし、多くの方は、ほぼ無理なはずです。私が記事の冒頭から申し上げている通り、個人事業レベルですべての要件を満たすのは不可能です。つまり、化粧品を輸入して販売することはできないと考えたほうがいいです。しかし、どうしても輸入化粧品を販売したいという方もいるはずです。この場合は、化粧品の輸入をサポートするフォワーダーなどに頼む方法があります。

フォワーダーランキングの中にある「阪急阪神エクスプレス」に問い合わせをしてみてください。または「化粧品の輸入代行会社のまとめ」をご覧ください。

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