ヨーロッパに住んでいる方に、代理で商品を購入してもらい、それを日本へ輸入している。もしかして、あなたの輸入ビジネスは、このようなスキームで行っていませんか? この場合、ヨーロッパで買い付けた商品価格の中に「VAT(付加価値税」が含まれてしまい、本来の輸入価格より高くなってしまう可能性があります。
そこで、この記事では、ヨーロッパで代理購入してもらうときに意識するべき「VAT」について詳しくご紹介していきます。
ヨーロッパでの買い付け時に注意すること
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[HU-H2]ヨーロッパには、日本の消費税に相当する「VAT(付加価値税)」があります。このVATは、ヨーロッパ各国で独自に設定されており、おおむね20%前後であることが多いです。つまり、100円の商品を購入したら、およそ20円の税金がかかります。2018年現在、日本は消費税率が8%であるため、VATの高さがわかっていただけると思います。
ヨーロッパの商品はVATが含まれます。
ヨーロッパにおけるVAT(付加価値税)は「ヨーロッパVATまとめ」で詳しく解説しています。ヨーロッパに所属する各国ごとの税率や、代表品目における税率などもご紹介しています。よろしければ、ご覧ください。
誰がVATを払う必要があるの?
ヨーロッパにおいてVATを支払うべき人は、ヨーロッパに居住する人です。一時的にヨーロッパへの旅行者が購入する物や、ヨーロッパから輸出される商品については、VATは課税されないことになっています。
例えば、一時的にヨーロッパを訪れている旅行者であれば、滞在中に購入した商品のレシートなどを保管しておき、出国時に、空港内にあるVAT払い戻しカウンターなどで続きをすれば、旅行中に支払ったVATを受け取ることができます。
VAT=ヨーロッパに居住している人が支払います。そのため、日本に居住している限り、ヨーロッパのVATを意識する必要はありません。しかし、ある一つのことをするときだけ、このVATがとても重要になります。それが先ほどからお伝えをしている「ヨーロッパで代理購入&発送してもらうとき」です。
VATを払う必要がない人
・一時的にヨーロッパを訪れている旅行者
・外国に輸出する商品
こんな買い付けは注意!
ヨーロッパの現地にて、商品を買い付けて、日本で販売する輸入ビジネスをしているとします。このような場合、ヨーロッパの企業などから商品を購入することが一般的です。しかし、場合によっては、ヨーロッパに住んでいる人に代理で買い付けをお願いしてもらうこともあるはずです。
「現地の企業と直接やりとりするよりも、現地に住んでいる日本人に買い付けをしてもらいたい!」との願いに大きな落とし穴があります。
先ほども述べた通り、VATとは、ヨーロッパに居住している人が支払う税金です。そのため、ヨーロッパにて代理で購入してもらうと、その商品価格には「ヨーロッパのVAT」が含まれた価格になってしまいます。なぜなら、代理購入してもらうタイミングでは「輸出するための商品」として扱われるわけではなく、単なる国内消費だと判断されてしまうからです。
現地での代理購入=輸出扱い とはらない です。これが大きな問題です。先ほども述べた通り、ヨーロッパのVATは、日本の消費税よりも、相当高いです。そのため、商品価格に、このVATが含まれている時点でライバルとの価格競争に敗れてしまう可能性が高くなります。
日本への輸入価格=本来の価格+ヨーロッパのVAT
このようなことを聞くと、VATの控除を受けられるように手続きをすればいいのでは?と考えてしまいます。しかし、その手続きが意外に複雑で大変なのです。仮に、VATの還付を受けるのであれば、ヨーロッパから商品を輸出する企業が「VAT登録」を行い、VAT仕入れ税額控除などを申請する必要があります。単なる代理購入レベルだと、労力とコストが合わない可能性が高いです。
では、現地で代理で購入してもらう輸入ビジネスを行うときは、どうしてもVATの控除を受けることは難しいのでしょうか?
VATの還付方法
ヨーロッパのVATは、非居住者または、輸出用商品については、課税されることはありません。逆にいうと、これら以外のケースでは、すべて課税されることになります。もし、あなたがヨーロッパに住んでいる人に代理購入をしてもらうときは、これらの条件を満たすことができなく、商品価格にVATが含まれてしまいます。
もちろん、この問題を解決する方法はいくつかあります。最も手軽な方法であれば「VATの還付業者」に依頼することです。この場合であれば、特に難しい知識や手続きも不要で、ヨーロッパで買い付けた商品のVATを還付できる可能性があります。ただし、相手は業者であるため、やはり高い手数料を取られます。
控除できるVATの額と、業者へ支払う手数料を比べて、判断されることをお勧めします。
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まとめ
ヨーロッパの商品を代理で購入してもらうときは、その中に「ヨーロッパのVAT」が含まれていることを理解しておく必要があります。もし、VATの還付をしたいときは、専門の還付業者に依頼することが最も手軽です。できるだけ手数料を支払いたくなければ、各国のVAT窓口で手続きを済ませるようにします。

