海外通販などをするときに気になるのが関税や消費税です。日本国内で購入すれば、商品価格に対して10%の消費税がかかるだけですので、税金に悩むことは少ないです。しかし、これが海外からの輸入となると、話は別です。ネット上には「海外から革靴を輸入したら、高い関税がかかった」という書き込みを見ることもあります。
そこで、この記事では「少額輸入貨物の無条件免税(個人目的使用)」をご紹介していきます。
- 一万円以下免税ルールは、個人使用と商売目的のどちらも対象
- 一度の輸入課税価格の合計が1万円以下は免税
- 個人輸入の課税価格=海外小売り価格に0.6
- 輸入課税価格が16000円相当は免税
- 個人使用目的=海外小売り価格×0.6の合計が一万円以下は免税
- 商売目的=商品価格+配送料金+保険代金の合計が一万円以下は免税
少額輸入貨物の無条件免税とは?
少額輸入輸入貨物の無条件免税とは、概ね輸入する価格の合計課税価格が一万円以下のときに、商品にかけられる関税や消費税を免税にすることです。かける労力と得られる税金の額から考えて、免税にした方が効率が良いとの理由から整えられている制度です。
根拠法:関税定率法14条 第18号
無条件免税は、どのようなときに関係する?
無条件免税は、インターネットを使って海外から商品を購入するときに関係してきます。ネットショップの画面で表示されている価格を日本円に換算して、その合計金額が一万円以下になっていれば、税関にて自動的に免税にしてくれます。ただし、この「一万円以下」には、少しだけ特別な考え方があります。
先ほど、外国のネットショップで表示されている金額の合計と書きましたが、もう少し正確に申し上げると「必要な調整をした価格」です。
必要な調整とは?
海外から個人使用目的で輸入するときは、海外小売価格に0.6をかけた価格を「課税価格」とする特例があります。先ほどから説明する一万円以下免税ルールは、この課課税価格に換算した「後」の合計価格のことを示します。決して海外販売価格の合計ではないため、注意しましょう!
課税価格の合計の根拠法:関税定率法基本通達14-21
課税、免税? 3つのパターンを検証
輸入品に関税がかかるのかは、合計課税価格に由来します。そこで、ここでは、いくつかの輸入パターンを例示して課税・免税のパターンを見ていきます。
- 一つの注文に16000円の商品が一つだけ入っている
- 一つの注文に10000円、3000円、3000円の3つの商品が入っている
- 一つの注文に4000円の商品が4つ。1000円の商品が2つ入っている
1.1つの注文に、16000円の商品が一つだけ入っている。
一つの梱包の中に、一つの商品が入っている。この場合は、16000×0.6となり免税です。
2.梱包の中に、10000円、3000円、3000円の3つが入っている
一つの梱包の中に10000円、3000円、3000円の商品が三つ入っている。この場合は、9600円となり免税(10000×0.6、3000×0.6、3000円×0.6)
3.梱包の中に、4000円の商品が4つ。1000円の商品が2つ入っている。
一つの梱包の中に、4000円×4、1000円×2。この場合は、合計が10800円(4000×0.6×4+1000円×0.6×2)です。=全量課税
おまけ:一万円以下免税ルールの除外品とは?
ここまでの説明をまとめると、個人使用目的で輸入するときは、海外の小売価格に0.6をかけて課税価格にした後、その合計が一つの梱包の中で一万円以下であれば、関税や消費税は免税です。ただし、一つだけ注意したいことは、この条件を満たしていても、輸入する物によっては、除外されることがある点です。
主な物としては、革製のバッグ、パンスト・タイツ・革靴・手袋など」などです。詳しくは、一万円以下免税ルールが適用されない貨物のまとめをご覧ください。
まとめ
- 少額輸入貨物の少額とは、一つの梱包の中に含まれる価格の合計が一万円のことを指します。
- 課税書価格とは、必要な調整をした価格です。この価格に対して税率を掛けます。
- 個人使用目的で輸入する商品の課税価格は、海外販売価格に0.6をかけた価格です。
- この課税価格の合計が一つの梱包の中で一万円以下であることが免税の条件です。
- ただし、この一万以下の免税条件を満たしていても、免税の除外をされてる物があります。
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