魅力的な輸出価格の決め方 海外バイヤーの首を縦に振らせるには?

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「輸出する価格の決め方」を悩む方が多いです。「海外では、りんご1個が3000円で販売されている」という情報を鵜吞みにして、あり得ない価格を海外のバイヤー(買い付け人)に提示すれば成約に至るのは難しいです。だからといって、採算ラインを割ってまで輸出する意味はありません。では、どのようにして輸出価格を決めればいいのでしょうか。基本的には、国内取引と同じように「自社商品の強み」と「ライバル商品の価格帯」を参考にするようにします。

以前、スーパーマーケットリサーチ法でもお伝えした通り、輸出を予定している国のスーパーマーケットを調べるだけで、貴社が取り扱う商品に関する情報を知ることができます。この中の一つの情報として「販売店での小売価格」があります。

一般的に日本での出荷価格のおよそ3倍~4倍の価格が、現地の小売価格になると言われています。これを逆に考えれば、現地販売店での調査を行えば、そこから逆算をして日本での適正な輸出価格を知ることができます。

この記事では、輸出価格を決めるために、インターネット上で輸出価格を調べたり、海外販売店の小売り価格を調べたりして、どのようにして輸出価格決めればいいのかをご紹介します。

海外向けの輸出価格は高くても大丈夫?

輸出するときに悩む問題の一つに「海外へいくらで輸出すればいいのか?」ということがあります。海外であれば「高い価格にしても売ることができる」と考えがちです。しかし、日本も海外もライバルがいることに違いはなく、やはりそこには、ある一定の適正価格が存在します。

インターネットが発達した世の中においては「アフリカのコカコーラの値段」を調べられるほど、情報が筒抜けになっています。当然、私たちが輸出しようとしている「商品価格」は、海外のバイヤーが調べようと思えば、すぐに調べられてしまいます。特に貴社がインターネット上で販売などをしていれば、そのハードルはさらに低い物となります。

マスコミの報道の中に「りんごが一個3000円で販売されている」という情報があります。だからといって、この値段が海外への一般的な価格であると考えてはいけません。

マスコミが価格差がある商品を「おもしろ、おかしく」取り上げているだけだと考えてください。もちろん、日本国内と海外との物価差は存在するため、それを含めた上で価格設定をすることは当然です。しかし、ギャンブルのように「一発当てて大儲け」ができるほど大化けする世界があるわけではありません。やはり貿易にも「相場観」が大切になります。

魅力的な輸出価格を決める2つの方法

現実的な相場観をもって輸出価格を決めることが必要です。一発逆転ホームランのような高価格で売りつけるのであれば、相手のバイヤーに拒絶される可能性が高くなります。当サイトでは、魅力的な輸出価格を決める方法として「便乗輸出価格決定法」と「スーパーマーケットリサーチ法」をご紹介しています。

1.便乗輸出価格決定法

当サイトが提案している「便乗輸出マーケティング」は、財務省統計局のサイトから輸出品目と輸出先の国を指定して「輸出価格」を調べる方法です。これは「どこの国へ輸出すれば良いのかわからない」「いくらで輸出すればいいのかわからない」と悩んでいる人にとって、ある一定の「アタリ」を付ける意味で役立ちます。

先ほどから何度も述べている「財務省統計局」は、日本の税関へ「輸出入されたデータ」がすべて公開されています。

例えば「大根が●●国から、●●円で、何本輸入されているのか」「みかんは、●●国へ、●●キロ、●●円で輸出されているのか」などの情報を調べ上げることができます。このように便乗輸出マーケティングを使えば、貴社が輸出しようとしている商品が「どこの国へ、いくらで輸出されているのか」を調べられるのです。

ちなみ財務省統計局で表示されている価格は、輸入の場合、CIF価格(貨物の代金の他に船賃などを含めた上)が表示されており、輸出の場合、FOB価格(貨物の代金のみ)が表示されています。FOB価格=輸出価格=バイヤーと契約した代金となるため、輸出価格は財務省統計局のデータを参考にして決めることができます。

■一つ目の方法
財務省統計局のサイトから「現実に輸出されている商品と価格情報」を調べ上げて、輸出価格の参考にします。

2.スーパーマーケットリサーチ法

2つめの方法として「スーパーマーケットリサーチ法」をお勧めします。これは現地のスーパーマーケットで販売されている商品を調べていき、輸出を予定している国の「消費者の現実」を知ることができる方法です。

例えば、スーパーでは様々な価格帯の商品が販売されています。同じ商品であっても相場よりも5割ほど高い商品もあれば、逆に安い商品もあります。これらの商品のうち、どれが最も消費されているのかを調べれば「現地消費者の相場観」がわかります。

この他、好まれる味、風味、大きさなど「現地の消費者目線」で調べていくと「消費者の現実」、つまり「どのような商品を輸出すればいいのか」の答えを知ることができます。これがスーパーマーケットリサーチ法です。

スーパーマーケットリサーチ法では、現地で販売されている価格情報も調べます。このとき、貴社が輸出する予定の商品の売り場を入念にチェックしてください。売り場にある商品価格を一つ一つ調べていくことによって「輸出価格をどれくらいにした方がいいのか」を知ることができます。この具体的な調査方法が以下になります。

スーパーマーケットの売り場からわかる輸出価格

スーパーマーケットの売り場をみると、同じ商品であっても、さまざまな価格帯が存在することがわかります。これらの価格帯を一つ一つ表にまとめていくと、売り場における商品の相場が見えてきます。ここでは、アイスクリーム売り場の市場価格を調査するため、商品を価格帯ごとに仕分けして、価格とアイテム数をセットにしてグラフに落とし込むこととします。

今、現地のアイスクリーム売り場に行ってみると、次のような商品があることがわかりました。100円のアイスが4アイテム、130円のアイスが3アイテム、180円が10アイテム、200円が6アイテムあるとします。これをグラフにまとめると、以下のようになります。このときの平均価格は、164円ということがわかります。(100*4+130*3+180*10+200*6)/23=164円

Hunade

次に価格とアイテム数に注目します。以下のグラフをご覧ください。赤矢印は、アイスクリーム売り場における価格の幅を表しています。最低価格の100円~200円までの幅があります。次に黄色矢印に注目します。これはアイテム数が多い価格範囲を表しています。

以下の図であれば、180円~200円の価格帯のアイスクリームが多いことがわかります。平均価格帯も高く、中心の価格帯も180円~200円となっているため、高級なアイスクリームに需要があることがわかります。つまり、このスーパーにおける顧客は、お金に余裕がある層となります。

Hunade

では、次のグラフであればいかがでしょうか。先ほどとは全く逆となり、安い価格帯のアイテム数が多くなり、高い価格帯が少ないですね。100円のアイテム数が一番多いため、アイスクリーム売り場の平均価格もぐっと低くなります。当然、中心となる価格帯も「100円~130円」となり、低価格のアイスクリームが求められていることわかります。この場合の顧客は、一般的な経済力である層になります。

Hunade

上記2つのグラフでもわかる通り、海外市場調査を行う場合は、商品の価格とアイテム数を表にまとめます。これにより現地販売店の売り場における「価格の幅」や「中心となる価格帯」「お店がターゲットにしている顧客の層」がわかります。(海外の小売価格)以前も申し上げた通り、日本の出荷価格の3倍~4倍の価格が現地での小売り価格になります。このことを現地の小売価格から逆算して考えると次のようになります。

1.複数の現地販売店で価格調査を行います。できるだけ多くのお店を周ってデータを集めるようにします。

2.売り場では、最低価格~最高価格までの「価格の幅」を調べます。

3.次にアイテム数が多い価格帯を調べます。これが売り場における「中心的な価格帯」となります。

4.中心的な価格帯が「高価格帯」であれば、それは輸出ビジネスで狙うべき市場になります。もし、低価格帯が中心の商品であると、薄利多売の商売になりやすいです。

5.4の中心的な価格を3や4で割った価格が理想的な出荷価格となります。もし、この価格が商売の最低ラインを下回るのであれば、その市場へは「参入しない」という判断を下すようにします。

この作業を輸出しようとしている複数のスーパーマーケットで行います。

 ■2つめの方法
スーパーの売り場にある商品を「価格帯」と「アイテム数」でまとめます。これを行うと、現地小売りの「中心的な販売価格」を知ることができます。この販売価格(高価格帯のみ)をなどで割って求められる価格が「日本からの輸出価格を決める」上で参考になります。

まとめ

バイヤーの首を縦に振らせるためには、現地の小売価格の販売状況をふまえて、適切な輸出価格を提示することがポイントです。決して的外れな価格を提示したり、当てずっぽうで決めることではありません。ここで重要になるのが「便乗輸出マーケティング」や「スーパーマーケットリサーチ法」です。便乗輸出マーケティングは、財務省統計局が発表するデータを利用して輸出価格を決めます。

一方、スーパーマーケットリサーチ法は、現地にある販売店(スーパー)の売り場を調査して「中心価格帯」や「価格の幅」を調べます。この調査を複数の店舗で行うと、徐々に地域全体の相場(輸出する予定の商品の価格)がわかるようになってきます。相場から逆算をして考えていくと、日本での出荷価格をいくらにすればいいのかが見えてきます。

あくまで現地での中心的な価格帯(高価格帯)の市場を見つけて、そこから逆算して理想的な輸出価格を考えるということです。

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