やTPP11のニュースを聞くと「○○の関税が撤廃される!」などの内容が多いです。関税をなくすのがEPAの目的の一つであるため注目されます。しかし、関税さえ削減すればいいのかというと、そうではありません。仮に関税率が0%になった物でも、輸入国側の規制次第では、実質的に関税があるのと変わらなくなることがあります。いわゆる「非関税障壁」です。
非関税障壁とは、関税以外の障壁となる様々な規制やルールを指します。
例えば、排出ガス規制、食品基準値を厳しくするなど、関税以外での規制の総称です。
そこで、この記事では、非関税障壁の意味、具体例などをご紹介していきます。
非関税障壁とは?
非関税障壁とは、関税分野以外のしがらみ、壁となる諸問題の総称です。いわゆるGATT11条で規定されている数量制限や植物検疫、その他、輸入国側の制限などが該当します。
例えば、A国とB国は、互いに牛肉に関する関税ゼロにするとします。この場合、輸入されるときに、お互いの国で関税がかからないため、輸出がしやすいです。しかし、正直なことを言うと、A国は、B国の牛肉を受け入れたくないです。もっと本音を言えばできるだけ排除したいです。ただ、B国との約束により関税を廃止しているため、今更、引き上げることはできません。
このとき、A国はあることを考えます。
「そうだ!関税以外で障壁になりそうな制度を設ければいいんだ~….例えば、B国産に対する牛肉への検査を強化して、輸入できる基準を大幅に引き上げればいい。そうすれば、検査で不合格となり、実施的に関税引き上げと同じ効果を得られる」
ということです。つまり、非関税部分のルールを決めておかないと、輸入国政府が関税以外の分野で障害となるものを導入して、実質的に関税引き下げの効力をなくせます。これを関税以外の分野の壁を作ることから「非関税障壁」といいます。また、非関税障壁には、次のものがあります。
- SPS協定(植物検査)
- TBT協定(貿易の技術的障害 基準や認証
本来、これらの協定は、自国の動物や生命を確保するために必要な規制です。このことは、WTO(世界貿易機関)も理解しています。問題は、この制度を盾にして「最もらしい理由」を作り、輸入を阻害することです。
例えば、自国の砂糖製品を守るために、外国製品の砂糖にだけ、非常に厳しい安全性基準を設定して、輸入を許可しないなどが考えられます。また、自国の機械製品を保護するために、外国製品には、別の技術基準や適合認証をクリアさせることなどがあります。
要は、国民の安全性~、自然保護~などの最もらしい理由を作り、実質的に輸入品を排除すること。これが非関税障壁です。WTO(世界貿易機関)では、この非関税障壁についても厳しく定められており、科学的見地に基づく合理的な物でなければ、基準を設けてはならないとされています。
非関税障壁の具体例
非関税障壁の具体例としては、次のものがあります。
- 輸入ライセンス
- 自国企業に有利な免許制
- 合理性に欠く制度や安全性基準など
- 自動車の排気量の規制など
これらの障壁は、特に途上国側で設定している場合が多いです。そのため、EPA(自由貿易)の交渉の中では、関税と並び重要な事項とされています。ただし、一般向けの放送番組などでは、あまり聞くことはありませんが…..
まとめ
- 非関税障壁は、関税以外の分野で規制して、実質的に関税削減の効果をなくす物です。
- 非関税障壁は、科学的見地から合意的な範囲で設定されなければならない物です。
- 国民の生命・安全の観点から基準を設けることは認められています。問題は、外国産品が入りづらくする目的で無意味な基準を設定することです。
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