海外へ製品を輸出する際、梱包は輸送中の破損やトラブルを防ぐ上で重要です。特に、機械や危険品の輸出には慎重さが必要です。
この記事では、機械や危険品、コイルやドラム缶といった特定製品の輸出梱包について、最適な方法と注意点を解説します。
機械・危険品などの特殊製品の輸出梱包
機械の輸出梱包:精密機械・工作機械の安全な梱包方法
機械の輸出梱包では、輸送中の衝撃や振動から製品を守るための工夫が必要です。特に、精密機械や工作機械は、輸送中のわずかなズレや衝撃でも故障の原因になり得るため、適切な梱包が必要です。
精密機械の梱包
精密機械の梱包には、木箱や強化ダンボールが使用されることが一般的です。特に、合板製木箱やLVL(単板積層材)を用いた梱包は、強度が高く、輸送中の振動や圧力から機械を保護します。さらに、内部には衝撃吸収材を敷き、機械が動かないように固定します。
工作機械の梱包
工作機械の梱包
では、重量があるため、耐久性の高い木箱やスチールケースが選ばれることが多いです。重量物を運ぶ場合、パレットに固定してフォークリフトでの積み降ろしをスムーズにすることも重要です。輸送前には、機械の可動部分を固定し、油圧部品などの漏れがないよう対策しておきましょう。

真空バリヤ梱包も長期輸送における錆防止に効果的です。
危険品の輸出梱包:リチウムイオンバッテリー・化学品の取り扱い
危険品の輸出には、各国の規制を遵守する必要があります。特にリチウムイオンバッテリーや化学品などは、誤った梱包をすると輸送が拒否されます。
リチウムイオンバッテリー
リチウムイオンバッテリーは、発火のリスクがあるため、国際航空運送協会(IATA)の規則に従った梱包が必要です。輸送方法によっては、バッテリーを個別に保護し、ショートしない対策が求められます。通常は、専用の危険品梱包箱を使用し、通関手続きのためにMSDS(製品安全データシート)を用意します。
化学品の輸送
化学品の輸送では、液体や粉末の流出を防ぐため、密閉性の高い容器を使用します。一斗缶やドラム缶はよく使用される梱包容器で、さらにプラスチックライナーを入れて二重梱包をすることもあります。

UN認証を取得した容器を選ぶことで、国際的な輸送基準を満たせます。
コイルの輸出梱包:重量物の取り扱いポイント
金属コイルは、輸送中の転倒やズレを防ぐために、特別な梱包をします。コイルは非常に重いため、通常の梱包では輸送中に荷崩れを起こすリスクが高いです。
コイルの梱包には、木枠やスチールバンドを使用して固定します。パレットに載せてスチールバンドで固定し、滑り止めのゴムパッドを使用します。さらに、湿気によるサビを防ぐために、防湿フィルムや防錆紙で包むことも重要です。

木箱梱包は約1トンまでの重量物に適しています。強化段ボールと組み合わせること1トン後半までの重量に対応できます。
ドラム缶・一斗缶の輸出梱包:液体・粉末の安全な輸送
ドラム缶や一斗缶は、液体や粉末状の製品を輸送する際に使用される梱包容器です。これらの容器は密閉性が高く、内容物の漏れを防ぎます。
ドラム缶の輸送では、貨物が転倒しないように固定することがポイントです。パレットに載せたうえで、スチールバンドやストレッチフィルムを巻き、輸送中に動かないようにします。一斗缶の場合は、複数の缶をまとめて強化ダンボールに入れ、衝撃吸収材をいれて保護するのが一般的です。
輸出梱包の選択基準とポイント
輸出梱包は、製品の特性や輸送手段を考慮することが重要です。機械のように重量があり精密な製品は、耐久性の高い木箱梱包が適しています。一方、危険品の輸送では、法規制に準拠した専用梱包材を使用します。コイルやドラム缶などの重量物は、輸送中の転倒やズレを防ぐための固定が欠かせません。
輸送中の環境条件も重要です。海上輸送では湿気が多いため、乾燥剤や防錆紙を使って製品を保護するのが有効です。(防水や防錆対策)さらに、貨物が破損しないように、内部の固定もしっかりと行う必要があります。
大型機械・重量貨物の輸出ガイド:FCL vs LCLと梱包のコツ
まとめ
機械・危険品・コイル・ドラム缶などの輸出梱包には、それぞれの特性に合った適切な方法を選ぶことが重要です。
- 機械の梱包では、衝撃対策を施し、内部の固定をしっかりする
- 危険品の梱包では、法規制を遵守し、安全性を確保
- コイルの輸送では、転倒やサビ対策をする。
- ドラム缶や一斗缶を輸出する際は、液体や粉末の漏れを防ぐ。



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