吉野家などに代表される牛丼屋さんといえば、アメリカ産の牛肉です。実は、日本は、牛肉に非常に高い関税率を設定しています。WTO協定税率で38.5%、さらに税率が優遇されやすいEPAでも、関税削減の除外品目としています。そこで、今回は、牛肉を輸入するときの関税率を考えるときのポイントと牛肉の輸入価格をご紹介していきます。
牛肉の関税率と輸入価格
によると、牛肉の関税率は、大きく分けて冷蔵と冷凍の2種類があります。これら2つの大枠の中に以下7つの区分があります。もし、これらの内、適切な関税率がわからないときは、事前表示制度や関税監査官に相談することで、適切な関税率がわかります。
■アメリカ商品の海外通販&仕入れ
- 商品ページをラインで送るだけ輸入ができる。
- リチウムイオンなどの危険品を輸送できる。
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- 枝肉、半丸枝肉(大分類)
- その他の骨付き肉(大分類)
- 骨付き以外(大分類)
- ロイン(小分類)
- かた、うでおよびもも(小分類)
- ばら(小分類)
- その他(小分類)
牛肉の関税率
2019年8月現在、牛肉に設定している関税率は、暫定税率の38.5%が基本です。牛肉の関税率は非常に高く設定されており、いわゆる特恵関税率、EPA税率などの関税減額の仕組みも、一部の国を除き、ほとんどが対象外です。あらゆる品目の中でも非常に厳しい関税率だといえます。このような状況の中でも唯一、減税設定があるのが次の4つです。
2019年8月現在の関税率は、次の通りです。関税のみの観点でみると、特別特恵国からの牛肉が最も優遇されています。その次にTPPや日欧EPAです。ちなみに、特別特恵国とは、ラオスやミャンマーなど世界の中でも特に貧しい国を指します。これらの国の産品は、牛肉を含めて基本無税です。ただし、実際、特別特恵国から輸入するときは、関税の問題ではなく、洗浄国リストの観点から加工肉などにする必要があります。
特別特恵関税 | 日オーストラリア | TPPまたは日欧EPA | 暫定税率 |
0% | 28.8% | 26.7% | 38.5 |
2019年時点、オーストラリアから牛肉を輸入するときは、日オーストラリア協定よりTPPの方が税率が低いです。また、今後の譲許予定を見ても、日オーストラリア協定では、2028年の23.5%が下限である一方、TPPは2033年の9%が下限です。この譲許日程をみると、オーストラリアからの牛肉を輸入は、TPPを活用するべきです。その他、ヨーロッパ諸国の牛肉もTPPと同レベルの関税削減が行われる予定です。
アメリカ産の牛肉に対する関税率は?
対日の牛肉は、アメリカ産とオーストラリア産がライバル関係にあります。しかし、2019年現在、日本とアメリカは自由貿易協定を結んでいないため、オーストラリア産は、26.6%の関税率が設定されている一方、アメリカ産牛肉には、暫定税率の38.5%が適用されます。つまり、日本に輸入される時点で、アメリカ産の牛肉は、非常に不利な状態が続いています。
2019年8月現在、日米自由貿易協定の会合が行われていますが、この点が大きな問題になっているかと思います。これ以上の牛肉関税の譲歩を許せば、日本側の反発を招く。かといって、ライバル関係にあるオーストラリア産の牛肉だけ一方的に有利な状態を与えるにも限界があります。さて、日本政府は、どのような形でまとめるのでしょうか。
牛肉の輸入価格
少し古いデータですが、2016年度における日本に輸入される牛肉の輸入価格をご紹介します。なお、データは、すべて「財務省貿易統計局」から取得しています。いずれも日本の港へ着いたときの1キロ当たりの価格です。(CIF)
牛肉の種類 | HSコード | 国名 | 単位(kg) |
冷蔵の牛肉輸入価格 | 0201.20-000(冷蔵の骨付き肉) | アメリカ合衆国 | ¥1,863 |
オーストラリア | ¥1,609 | ||
フランス | ¥2,312 | ||
カナダ | ¥776 | ||
ニュージーランド | ¥908 | ||
メキシコ | ¥605 | ||
イタリア | ¥2,079 | ||
オランダ | ¥2,467 | ||
冷凍の牛肉輸入価格 | 0202.20-000(冷凍の骨付き肉) | アメリカ合衆国 | ¥735 |
ニュージーランド | ¥490 | ||
オーストラリア | ¥1,163 | ||
メキシコ | ¥531 | ||
カナダ | ¥881 | ||
オランダ | ¥1,079 |
TPP11域内と肉類(牛肉・豚・鶏など)を輸出入するポイント
【直接貿易】肉を輸入する方法(手続き)
どこの国の肉なら輸入ができる?洗浄国早見表
まとめ
- 牛肉は高い関税率で保護されている。
- 特恵関税やEPA税率でも関税削減がされていない可能性が高い。
- 牛肉の関税を削減したいときは、特別特恵、TPPまたは日欧EPAの適用を検討しよう。
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