蔵入承認とは? メリットなど、輸入の活用方法を紹介!

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    この記事は、蔵入承認の基本知識(メリット、延長方法、他法令との兼ね合いなど)と輸入実務での活用方法をご紹介していきます。

    蔵入承認

    蔵入承認(読み方:くらいれしょうにん=IMPORT FOR STORAGE(IS))とは、保税蔵置場3カ月を超える期間、保管するときの手続きです。通常、輸入商品は、貨物が到着すると、税関へ輸入申告をし、輸入許可を受け取ったら、貨物を引き取ります。蔵入れ承認は、輸入許可等を受けず、港近くにある保税蔵置場に保管する手続きです。

    なぜ、貨物が到着しているのに、港から引き取らないのでしょうか? 実は、これには、いくつかの理由があります。まずは、蔵入承認を確認していきましょう。

    適用法令は関税法です!

    保管期間と延長

    蔵入承認は、保税蔵置場に3か月を超える期間、保管するときに受ける承認です。保税蔵置場とは、税関の許可を受けた倉庫の事であり、外国貨物を保管する場所です。

    外国貨物と内国貨物の違いは、税関の輸入許可の有無にあります。

    • 税関から輸入許可を受けた物=内国貨物
    • 税関から輸入許可を受けていない物=外国貨物

    アマゾン、オープンロジ、その他の荷主倉庫など、一般的な倉庫は、上記の内、内国貨物(輸入許可後の貨物)を保管する所です。一方、外国貨物は、税関から許可を受けている保税倉庫でしか保管できません。

    さらに、外国貨物と内国貨物は、関税法上、輸徴法上、次の相違点があります。

    • 内国貨物=関税・消費税等は支払い済
    • 外国貨物=関税・消費税等は留保

    外国貨物は、輸入時の関税や消費税を留保しているため、特別な許可がいる「保税蔵置場」等に保管する必要があります。そして、今回、説明する蔵入承認は、この保税蔵置場に3カ月を超える期間、保管するときに受ける手続きです。 根拠法:関税法43条-3-1項

    (外国貨物を置くことの承認)
    第四十三条の三 保税蔵置場に外国貨物を入れる者は、当該貨物をその入れた日から三月(やむを得ない理由により必要があると認めるときは、申請により、税関長が指定する期間)を超えて当該保税蔵置場に置こうとする場合には、政令で定めるところにより、その超えることとなる日前に税関長に申請し、その承認を受けなければならない。
    2 前項の承認は、保税蔵置場に同項の期間を超えて外国貨物を置くことが他の法令の規定によりできない場合及び保税蔵置場の利用を妨げる場合を除くほか、しなければならない。
    3 第六十七条の二(輸出申告又は輸入申告の手続)、第六十七条の三第一項前段(輸出申告の特例)及び第六十七条の十九(輸入申告の特例)の規定は、第一項の承認の申請をする場合について準用する。

    引用元:関税法第 43 条の 3 第 1 項

    延長できる期間は二年間は?

    保税蔵置場に外国貨物を入れる者は、貨物を入れた日から、三カ月を超える場合は「蔵入承認」が必要です。(三か月未満は不要です。)そして、この蔵入承認を受けると、原則、二年間、貨物の保管ができます。(延長も可能)

    蔵入承認の3つのメリット

    なぜ、蔵入承認を受けるのでしょうか? 蔵入れ承認のメリットは、次の2つです。

    1. 在庫調整機能
    2. 倉庫保管代金に対する消費税を抑える。
    3. コンテナ価格の上昇への対応策の一つ

    1.在庫調整機能

    蔵入れ承認の最大のメリットは、日本国内の市場の売れ行きに合わせて、必要最小限の輸入ができる点です。ご存じの通り、日本に貨物を輸入する場合は、原産国、品目等によって、関税や消費税を支払う義務があります。当然、税を支払わない限り、日本国内に貨物を入れられないです。

    これは言い換えると、輸入した物は、売れ行きが良くても、悪くても、又は、原材料として使っても、使わなくても、全て関税や消費税を支払うことを意味します。

    仮に、10個の貨物を輸入し、10個とも販売できれば、輸入販売は成功です。ただし、中には、10個輸入したのに、1個しか売れなかった等、計画よりも販売数や使用数が違う可能性もありますね!

    ただし、税関に対して、輸入後に販売数が悪かったら、売れなかった商品の関税や消費税等を戻してほしい!と要求しても認められません。税関が税を戻すのは、ある一定の条件を満たす場合のみであり、基本的に一度、輸入許可を受けた税金は返さないです。

    したがって、もし、販売数に応じて、必要最小数を輸入したい場合は、輸入許可を受ける前に調整をする必要があります。その調整機能の一つが「蔵入れ承認」です。

    蔵入れ承認と輸入許可のイメージ
      1. 蔵入れ承認=関税・消費税は留保されている。
      2. 商品が必要になった。
      3. 必要な分だけ蔵出承認を受けて、輸入をする。
      4. 結果、輸入許可を受ける貨物を必要最小限にできる。(関税と消費税の支払いを最小化)

    蔵入れ貨物は「売れ行きが悪いから外国へ返したい」などの理由でも、簡単に積戻し(海外に送り返すこと)ができます。また、保税の状態で第三者に転売をする「保税転売」等も可能です。

    2.倉庫代金に対する消費税はかからない。

    保税蔵置場に貨物を保管している場合は、倉庫の保管代金が発生します。但し、貨物は輸入許可を受けていない外国貨物であるため、倉庫代金に対する消費税は発生しないです。

    3.コンテナ価格上昇への対応策

    ご存じの取り、2021年9月現在もコンテナの価格が上昇しています。この運賃価格の上昇への対応策として、保税保管(蔵入承認)が有効です。保税保管をすることで、次のメリットがあります。

    関連記事:【2021年9月版】コンテナの輸送価格 2021年秋以降の見通し

    • 一回の輸送でできるだけ多く輸送して、貨物辺りにかかる運賃を最小化したい。
    • でも、日本国内には、必要最小限の量を輸入したい。

    保税保管は、日本にある外国倉庫のような存在です。各貨物の輸送価格の先行きが不透明なときに、極めて「手元に近い在庫」として保管ができます。今後、2022年の旧正月まで、さらに輸送価格が高騰すると予想される中、こうした保税保管による輸入在庫の管理は、とてもメリットがあります。

    必要な書類

    蔵入れ承認で必要な書類は、次の通りです。なお、通関業者とお取引がある場合は、蔵入れ承認を受けたい旨を伝えます。

    • 蔵入承認申請書
    • インボイス等

    原産地証明書と他法令ついて

    蔵入れ承認を受けるときは、原産地証明書の提出の他、他法令の確認が必要な貨物は、それを証明する必要があるとされています。

    令第 36 条の 3 第 7 項に規定する他の法令は次に掲げる法令とし、蔵入
    承認を受けようとする外国貨物が保税蔵置場に置くことにつき、これらの
    法令の規定により許可、承認その他の行政機関の処分若しくはこれに準ず
    るもの(以下この項において「許可、承認等」という。)又は検査若しくは
    条件の具備を必要とするものである場合には、蔵入承認申請書の提出の際、
    後記 70―3―1 の別表第 1 又は別表第 2 の第 1 欄に掲げるこれらの法令に係
    るこれらの表の第 3 欄に掲げる書類により、当該許可、承認等を受けてい
    る旨又は当該検査の完了若しくは当該条件の具備を証明させる。

    引用元:税関資料

    蔵入れ承認ができない貨物と税関検査について

    蔵入れ承認を受けるときは、貨物検査を受けます。この検査は、他法令、関税分類、知的財産の保護の観点で行われます。なお、輸入貿易管理令の対象貨物は、蔵入れ承認を受けられ点にも注意します。

    貨物検査(貨物確認(他法令の該非の確認、関税分類、知的財産侵害物品の
    認定等輸入貨物等についての適正な審査を行うため、従来、通関部門が行つ
    ていた貨物の検査のことをいう。)を含む。

    引用元:税関資料

    輸入在庫戦略と蔵出し輸入申告

    日本に貨物を輸送し、税関の許可を受けずに貨物を保管。この保管日が三か月を超えようとする場合に蔵入れ承認を受けます。

    それでは、実際の輸入ビジネスの活用で、蔵出し承認の活用例をご紹介しましょう。

    ワインの輸入

    ご存じの通り、日本にワインを輸入するときは、関税、消費税の他、酒税がかかります。すでに述べた通り、これらの諸税は、輸入許可を受けて、保税地から貨物を引き上げるときに課税されます。

    「日本に輸入すると、各種税金がかかる。しかも、ワインは酒税まで発生する。日本国内の売れ行き状況に合わせて輸入したい!」

    このように考えているワインの輸入業者は、港近くの保冷庫で蔵入れ承認を受けて、適宜、必要な量を輸入申告してワインを入れています。この蔵入れ承認を受けた貨物を蔵から出すことを「蔵出し輸入」と言います。

    日本国内での販売がうまくいっていないのに、全量を輸入すると、税金分だけ手元キャッシュが少なくなってしまいます。もちろん、関税の延納制度を利用することもできますが、最終的な在庫処分をする際に、選択肢が少なくなります。

    上記の蔵入れ承認を使い、外国貨物の状態で在庫をコントロールすれば、倉庫代に対する消費税もかからない上、最終的な在庫処分の際に、保税転売又は、積戻しが簡単にできます。法律上の制度として「保税」があるわけですから、うまく活用する方法を考えると良いです。

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    この記事の執筆者
    HUNADE

    貿易サイト「HUNADE」の代表。通関業者で勤務した経験をもとにして「もっと貿易を身近に。」をミッションに活動中!難しい貿易をできるだけわかりやすく解説し、貿易の一助になることが目標。基本的には、東海地方に住みながら国内各地、海外などでも活動し、できるだけ柔軟な発想を維持できるように努力しています!

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