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海外送金は厳しい! 強い送金規制があることに注意!

輸入代金の支払うために、海外の銀行に向けて送金をする方も多いでしょう。海外送金は、銀行送金の他、ワイズ(旧:トランスファーワイズ)を使った方法があります。いずれの方法でも、実際に何度も海外送金をしていると、海外送金の強い規制に面食らうときがあります。

「いや、俺のお金だから、誰にも送ってもいいっしょ!?」と言いたい所ですがそうはいきません..汗 そこで、この記事では、海外送金に関する注意点、強い送金規制についてご紹介をしていきます。

なお、この記事では、海外送金なら●●銀行が良い!●●の手数料が一番安い!等の小さな観点で説明をしていません。海外送金をする上で必ず知るべき点のみを解説していきます。



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海外送金の注意点を解説

最近は、銀行振り込み等をせず、クレジットカード、コンビニ等で商品代金を支払うことが多いですね!友達や家族等に送金をしたければ、ライン等が運営する「ラインペイ」を使えば、誰でも簡単に送金ができます。

しかし、これが海外送金となると、一気に話が変わります。非常に厳しい送金制限があり、送金目的、送金先等を厳しく確認されます。

海外送金の強い規制の理由とは?

海外送金と国内送金は雲泥の差です。月とスッポン。三輪車と自動車。新幹線とSLほどの違いです。なぜ、海外送金には、強い規制があるのでしょうか? 日本政府が海外送金を厳しく監視する理由は、次の3つにあると思います。

  1. 富裕層の海外離脱
  2. マネーロンダリング対策(資金洗浄)
  3. 外為法関連

1番と2番は、貿易とテーマが変わるため割愛します。ここでは、外為法の観点で説明していきます。外為法とは、外国為替及び外国貿易法の略であり、外国との間で資金や商品をやり取りするときのルールです。

例えば、外為法には、輸出貿易管理法輸入貿易管理法などがあり、個別の品目毎に禁止又は、数量等を管理しています。その他、今回、取り上げる海外送金等も、この外為法の規制を受けます。

外為法の目的は、物品やお金の「入りと出」を管理することにより、日本や世界の治安や平和を維持し、健全な社会発展を目指すことです。(表向きの理由ですが、裏側の真の理由はよくわかりません。)特に、昨今、非常に問題になっている●ロ資金の流出を防ぐことを目的にしています。

例えば、2021年現在、北朝鮮への輸出入は、全面的に禁止されています。人によっては、中国等の港を使い迂回輸出をする事例がありますが、この場合も外為法違反です。(経済産業省が追跡調査をしています。)日本政府が北朝鮮は、●ロ行為をしている国家として指定しているからです。

外為法は、送金行為と商品の輸出入を厳しく管理します。●ロ行為を助長する資金と物資を断ち切る目的です。

海外送金も外為法の規制を受ける

では、一般の輸入取引で外為法の規制を考えてみましょう。

輸入者は、海外の取引先に対して送金をしますね。この送金も外為法の規制を受けます。もし、あなたが海外に送金をする場合は、その送金行為を次の観点でチェックされます。

  • 送金者(輸入者)は、反社会的勢力とつながっていないのか?
  • 送金先(売り手)は、誰なのか?
  • 送金先は、送金禁止国に指定されていないのか?
  • 送金先は、送金禁止の人物ではないのか?
  • 何の目的で送金をするのか?

送金者と受け取り者の両方をチェックし、●ロ資金等が海外に流れることを防ぎます。海外送金については、ある信用金庫に勤める方は、次のように言います。

「いや~、ここ数年から、とにかく海外送金に対する規制が強まりましたね。うちは、元々、口座を持っている人で、事業内容等から判断して海外に送金する必然性があるのか?などをチェックしています。万が一、当行から出金したお金がヤバい所に流れたら大変ですので…..」

「基本は、何年もお取引履歴があり、直近一週間の口座の動きを確認させていただき、最終判断をしています。ただ、この判断は、支店レベルではできず、中央の方で一元的に判断しています。特にこれまで一切海外取引をしていないのに、いきなり始めたいとなると、やはり身構えりますね」

上記は、ある信用金庫に勤める方の生の声です。基本的には、日本全国の銀行、信用金庫など関係なしに、海外送金に関する規制は強まっていると考えた方が良いでしょう。特に窓口に現金を持っていき、いきなり海外送金をするなどは、ほぼできないです。

  • 何年も口座の取引があること
  • 海外送金に必然性や理由が明確であること

海外送金の注意点

上記の文章から、海外送金には、強い規制があることがおわかりいただけたかと思います。ここでは、もう少し実務的な部分での海外送金の注意点をご紹介をしていきます。

主な注意点は、次の2つです。

  1. 銀行口座があっても海外送金開始には時間がかかる。
  2. 送金限度額に注意せよ。

1.銀行口座があっても海外送金開始には時間がかかる。

一つめの注意点は、海外送金を始めるには、時間がかかる点です。なお、この場合の「始める」とは、海外送金の利用登録手続きの時間を指します。

例えば、これまである銀行の口座を使っていた。この度、新しく海外との取引を始めることになり、既存の口座から海外送金をしたい。

このように考えているとしましょう。この場合、取引からすでに数年経過していて、口座残高がそれになりにあっても、申し込みをしたら、すぐに利用できるわけではないです。

例えば、楽天銀行の場合は、海外送金の申し込みをする場合は、マイナンバー等の書面を追加で求められます。その必要書類が整った時点から、さらに数週間の審査期間があり、ようやく海外送金ができます。

すでに取引がある銀行口座からであれば、海外送金の申し込みをすれば、すぐに利用できる。

これは、完全な間違いです。実際に海外送金をするには、それなりに時間がかかります。もし、売買交渉をしているなら、いつでも海外送金ができるように準備をしておきます。海外送金が必要なタイミングになって、初めて、海外送金ができないことに気付くなどのミスをしないようにしましょう。

特に契約書等で送金日(タイミング)が明記されており、遅延すると損害金が発生する契約をしている方は注意します。あなたが「銀行から送金ができないです」といっても、相手にとっては、何の理由にもならないからです。

海外送金を実行するまでには時間がかかることを覚えておこう!

2.送金限度額に注意せよ

海外送金には、送金先や送金目的に強い規制があります。実は、これらの規制の他、「送金限度額」の規制もあります。送金限度額は….

  • 個人であるのか?
  • 個人事業主であるのか?
  • 法人であるのか?

の立場によって、その額が変わり、法人は最大限の限度額を設定。個人に行くほど小さくなります。また、一日、一カ月、一年間の三つの限度も細かく設定されています。(銀行等により変わる)

  • 一日100万円を超える額迄
  • 月に500万円を超える額迄
  • 年間に6000万円を超える額迄

この三つの送金限度額の条件を全て満たす場合のみ、海外送金ができます。

例えば、一月の1日に100万、5日に100万円、10日に100万円、15日に100万円、20日に50万円、30日に150万円を送金するとしましょう。この場合は、次のようになります。

一日の100万規制一カ月の500万規制一年の600万規制
1日
5日
10日
15日
20日
30日××

送金の限度額は、銀行ごとに、また立場(個人、個人事業、法人等)の立場によって変わります。詳しくは取引銀行に確認しましょう!

参考情報/海外送金の方法

最後に参考情報として、海外送金の方法をいくつかご紹介します。過去、海外送金をした経験者としては、次の方法が便利だと思います。最近は、ビットコインによる支払いができる売り手も増えてきました。

  • 楽天銀行
  • ワイズ(トランスファーワイズ)
  • ペイパル
  • 新生銀行

それぞれ一長一短があります。私は、主に楽天銀行とワイズ又はペイパルを使い海外送金をしています。使い分け方法は、一回の送金額が100万以下の場合は、ワイズ。超える場合は、楽天銀行です。ワイズは、一回の送金上限が100万円です。そのため、例えば、300万円をワイズで送金したい場合は、100万円を三回、繰り返します。

三回も送金を繰り返すと、ワイズのメリットである送金手数料の削減も小さくなるため、100万円以上は、楽天銀行の海外送金サービスを利用しています。又は、ペイパル送金。

海外送金の特徴を理解し、適切な業者を選ぼう。メガバンク経由の送金は、総じて手数料が高く、相手先口座に着金するまでに時間がかかる印象が強いです。

海外送金で考えるべきこと

実際、私は、過去に楽天銀行を使い海外送金をしようとした所、月間の500万円規制にかかり困った経験をしたことがあります。どう手続きをしても、500万円を超える送金ができないため大変です。これまで説明してきた通り、海外送金は、非常に強い規制があります。また、実際に海外送金をするための申し込みにもそれなりに時間を要します。

このような経験等を踏まえると、海外送金の機会が増えると感じた場合は、できるだけ早めに海外送金ができる体制を構築するべきです。具体的には、取引先の銀行に海外送金の申し込みをしたり、ワイズに口座を開設したりして、いつでも海外送金ができるようにしておきます。

何でも申し上げますが、海外送金は、簡単に始められないです。「今日送金したい」と考えても、実際に送金できるのは、数週間後です。この点をしっかり理解しておき、抜かりがない貿易の準備をしましょう!

貿易の会社を設立したい!検討するべき5つのポイント

まとめ

  • 海外送金は、外為法により強い規制がある。
  • 海外送金をしたいと考えてもすぐにはできない。
  • 海外送金する側、受け取る側に審査がある。
  • 海外送金は、送金先、送金目的などを細かく確認される。
  • 各銀行の海外送金に関するルールを理解し、早めに準備をしよう。
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