中国といえば、日本を仮想敵国扱いするひどい国だという印象が強いです。デモ行進、暴動、略奪など、イメージとしては最悪です。やはり、自分の国(日本)を嫌う人のことは好きになれないです。
しかし、実際に中国(上海)に行ってみると、アンチ中国派であることが馬鹿らしくなります。「なんて自分は狭い世界観にいたのかな~」「中国、都会すぎ!」そんなことを感じます。もちろん、中国について知ったかぶるつもりはないです。中国について知れたことは、全体の0.0001%以下だと思うからです。
そこで、この記事では、中国あまり好きでない派の私が中国へ行き、感じたことをご紹介していきます。
中国嫌いの人が中国へ行って感じた10のこと
人口が13億人を超える中国は、アジア最大の人口大国です。この13億人の内、日本の総人口に当たる1億~2億人の人たちが富裕層だと言われています。数字でも中国という市場の巨大さがわかります。
その一方で気になるのが「反日」です。時々、中国の上海や北京でも、日本企業への暴動が起きるときがあります。店舗は壊されてしまい、店の商品を持ち逃げされてしまいます。このようなことを含めて考えると、中国市場は、チャンスでもあり、危険な所でもあると感じます。
しかし「百聞は一見に如かず」の言葉がある通り、百回聞くよりも、一回みることの方が物事を正しくとらえられます。これが中国嫌いの私が上海へ行くことにした理由です。この記事では、中国に行き、不便・便利・不快に感じたことなどをビジネスとは関係なくご紹介していきたいと思います。
中国で感じた10のポイント
私が上海に滞在中に感じた10のポイントは、次の通りです。
- 通信制限がヒドイ
- 日本と同様、英語は通じない。
- 抗日ドラマがお腹いっぱい。
- サービスレベルは低い
- 電子決済がすごい。
- 貸自転車の仕組みが素晴らしい
- 意外に物価が高い。
- セキ、タン、くしゃみをする人が多い。
- 上海老街(Chinese old street)は一見の価値あり
- バイクが電動化されている。
1.通信制限がヒドイ
中国に行き最も驚かされることの一つに「通信制限」があります。日本では、憲法が補償している「通信の自由」があるため、○○のサイトへのアクセスを遮断する~などの処置は、ほとんどありません。(最近、NTTが行っていますが….)一方、中国の場合は、政府による通信制限がヒドイです。
中国に住む中国人は、もちろんのこと、中国にいる外国人の通信も遮断されてしまいます。
例えば、日本で人気の以下のサービスは、使えません。これらのサービスは、スマホの画面上に通知は表示されるもの、詳しく確認しようとすると「接続できません」と表示されます。実際、私は、この通信制限によって、Gメールの未読数だけがどんどんと増えていきました。
- グーグル関連サービス(Gメール、グーグルマップなど)
- ライン
- ツイッター
また、中国から外国サイト(日本を含む)へのアクセスも難しいです。接続を試みると「接続できません」と表示されます。もし、これらのサービスを中国で使う場合は、VPNが必要です。
2.日本と同様、英語は通じないと考えた方が良い。
「上海のような大都会であれば、英語は通じるはず」
中国へ行く前は、このようなことを考えていましたが実際は、通じないことが多いです。たしかに、普段から外国人がくる所(空港や地下鉄、ホテルなど)であれば、英語は通じます。しかし、街に出ると、英語で話しかけても通じないことが多かったです。
例えば「上海のお茶市場」です。ここは、商品用のお茶を購入するバイヤーが集まるので、英語ぐらい通じると考えていました。しかし、実際は、この場所あっても「How much?」など、当然、聞かれるであろう簡単な英語すら通じませんでした。
結局の所、世界共通言語である英語でも、少しディープな所へ行くと、ほぼ通じないです。もし、あなたが中国と絡めた商売をするのであれば、英語だけではなく、中国語をしゃべられることが前提だと思います。
3.抗日ドラマでお腹いっぱい
中国のテレビを見ていると、朝から晩まで、どこかのチャンネルで「戦争ドラマ」が放送されています。悪者である日本兵と、それに立ち向かう中国人との対決を描いたものです。しかも、人の腕が取れたり、弾丸が頭を突き抜けたりする過激な描写が多いため、なおさら気分が悪くなります。
4.サービスレベルは低い!
上海のような都会であれば、多少は、サービスレベルは高いのかな?と考えていましたが、実際は、他の発展途上国とかわらないです。残念ながらサービスレベルが良くないです。発展している上海でも、接客などに代表するサービスレベルは、低いです。もちろん、お金持ちを対象にしているお店などは、違うかもしれませんが….
一般的な庶民が利用するようなところは、依然、他のアジア諸国と同じようなサービスレベルです。
5.電子決済がすごい!
中国における電子決済は、すごいです。若者からお年寄りまで、Wechatなどの通信アプリを使い、決済しています。しかも、どんなに小さな商店だとしても電子決済ができる点が素晴らしいです。
例えば、下の写真のような屋台でも、電子決済ができます。果物の前にQRコードがありますね? 自分が使っているスマホに、QRコードを読み込ませることによって、お金の支払いができます。各自が使っている決済アプリと銀行口座がつながっているため、そこからお金が落ちるようになっているのです。
これによって、お店の人は、品物の販売だけに集中ができます。また、買う方としても、いちいち、現金を取り出す手間もありません。かなり、スマートなやり取りができます。
現金主義の日本では考えられないことが中国では当たり前です。日本では「小銭つかい切りたい病」や「ポイント貯めたい病」などの人たちによって、レジ待ちをさせられることが多いです。そういう意味においても、電子決済は有効です。
電子決済は、日本と比較して中国の方が圧勝です。日本は、かなり出遅れ感があります。もちろん、日本でもワオンやナナコなどの電子マネーがあります。しかし、それらは、各社の囲い込み色が強く使えるお店が限られているのが実情です。一方、中国の場合は、上記の写真の通り、使える店舗に制限はなく、どんな小さな店舗であっても決済できる所がすごいです。
決済できる場所が広いから利用者が増える。利用者が多いから、それに対応させる事業者も増える。
このような好循環によって、中国においては、急速に電子決済化が進んでいます。電子決済による顧客の囲い込みばかりを狙っている日本の事業者とは、根本的に考え方が違うようです。
6.貸自転車の仕組みが素晴らしい
上海市内における「貸自転車」の仕組みも素晴らしいです。下の写真をご覧下さい。こちらの自転車は「シェア自転車」と呼ばれるものであり、いつでも、どこでも借りられるサービスです。
最大の特徴は、
借りる場所を選ばず、また返す場所を選ばないこと
にあります。利用したい人は、あらかじめ「モバイク(mobike)」などのシェアサイクルアプリに登録すれば、好きなときに利用できます。
下の画像をご覧下さい。シェア自転車には、QRコードがあります。自転車を借りるときは、QRコードを読ませてロックを解除します。逆に自転車の利用をやめるときは、ロックをします。
ロックを外す、ロックをする。
この2つの行為だけで自転車を借りられます。もちろん、利用料金は、すべて自動決済して落とされるため、どこかの誰かに現金を渡す必要もありません。この仕組み、日本にはあるのでしょうか? IT技術者の方は、ぜひ、導入していただきたいなと思います。
7.意外に物価が高い。
中国と聞くと、物価が安いと考えてしまいます。しかし、上海市内だけを考えると、そこまで安い印象は受けなかったです。
静安寺周辺にあるデパートで色々と商品を見てきましたが「納豆3パックで700円」など、物によっては、日本よりもはるかに高い商品があります。もちろん、高級デパート以外の一般庶民が行くお店もチェックしてみましたが、やはり意外に物価が高いことがわかります。上海という土地柄のこともあると思いますが….
8.セキ、タン、くしゃみをする人が多い。
中国といえば大気汚染=PM2.5というイメージです。この影響かはわかりませんが、上海市内を歩いていると、くしゃみをする人が多いです。また、キレイな格好をした女性がいきなり「ガー」と言わせながら、どこかのおっさん並みに、タンを吐く所を目にします。この部分は、本当にレベルが低いですね。正直、かなりのマイナス部分です。
9.上海老街(Chinese old street)は一見の価値あり
上海の東側には、通称「上海老街」と呼ばれる地区があります。もし、上海に行くときは、必ず行くことをお勧めします。宮崎駿監督の映画に出てきそうな建物が広がっています。中国四千年の歴史と言っても、確かに過言ではないと感じます。規模感が違いすぎます。
見ての通り、人であふれかえっています。
行き方:上海地鉄10号線・豫園駅の3番出口から徒歩で10分ほどです。
10.バイクが電動化されている。
中国は、国策として自動車の電気化を目指していると言われています。その先駆けとなるのでしょうか。 上海市内で走行するバイクを確認すると非常に静かです。上海市内を走るバイクは「電動化」されています。電気の力で走行しているため、全然、走行音も聞こえないですし、汚い排気ガスも出していません。
日本などでは、2サイクルの爆音スクーターが走行している一方、上海では、すでにバイクの電動化が終っているのです。もちろん、電動化と、ガソリン派は、それぞれ好みが分かれるます。バイク好きの人からすると、バイクの電動化はあり得ないと考える方が多いのではないでしょうか。
一方、バイクに乗らない立場としては、マフラーの音がうるさい。さっさと電動化した方が良いとも思います。どちらが良いとははっきり言えませんが、バイクを乗らない立場としては、上海での電動バイクは、とても好印象でした。
以上、上海に行って感じた10のこと。中国嫌いでなくなった人からのレポートでした。
おまけ:上海の光と影を感じられる「濃い写真集」
上海の象徴です。
なぜか、くまもんがいます……許可を得ているのでしょうか…汗
上海の摩天楼近くにある飲食店の張り紙です。このあたりでは、どれくらいの給料が払われているのでしょうか? 一番上の店長クラスで、月給18万円ほどですね。
さらに、このお店の価格は、大体、700円くらいです。
地元ローカルのスーパーを訪れてみました。意外に多くの果物がそろっています。特に、ドリアンという臭いフルーツがたくさんあったのが印象的です。
近くにあったさらにローカルな市場に足を運んでみました。野菜、水産物、肉類などが所狭しと並んでいます。うーん、何でしょうか。まったく購買意欲がわかないです..汗
光の裏には、必ず影があります。どれだけ高層ビルが林立していても、一歩路地の中には入れば、この通りです。
一体、何が起きたらこうなるのか不思議です。
シェア自転車もかわいそうな姿になっています。
まとめ
- 日本で報道されている中国と、実際の中国には大きな隔たりがあります。
- 「百聞は一見に如かず」一度は、足を運んだ方が良いです。
- 良い部分、悪い部分を含めて、それが中国です。
- 中国が優れている所から学びを得る。逆に悪い所は、反面教師とすることが重要です。
- 中国は、経済が自由。政治は不自由。日本は、経済が不自由。政治が自由です。
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