EMS(国際スピード郵便)の禁制品(送れないもの)・東南アジア編

EMS禁制品国際郵便(EMS)
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EMS(国際スピード郵便)は、誰でも気軽に海外に発送できる便利なサービスです。このサービスを利用するためには、いくつかの守るべきルールが存在します。これを守らないと発送先の国で「返送」や「没収」または「滅却処分(捨てる)」をされてしまう可能性があります。

例えば、シンガポールへ発送してはならない貨物として「チューイングガム」があります。実は、このチューイングガムは持ち込みに加えて、発送することも禁止されています。EMS、国際小包、郵便などすべての発送形態において禁止されているのでご注意ください。また、同じ東南アジアのベトナムでは、「缶詰」が発送できません。

このように一見、発送できそうな商品であっても「相手国のさまざまな事情」によって、発送禁止品(禁制品)になっている物があります。そこで、この記事では、「どのような貨物がEMSなどで送ることができないのか」また、「東南アジア各国によって設定されている特徴的な禁制品」などを紹介していきます。

EMSなどで発送できない物(禁制品)

発送できない物品の説明に入る前に、国際郵便の種類を簡単に説明します。国際郵便を大別すると、以下の三つに分けられます。後ほどの説明でこの発送方法による違いが関わってきます。

1.通常(郵便)
手紙・はがき・印刷物などを届けるサービス

2.小包(船便・SAL便・航空便)
物を届けるサービス

3.EMS(国際スピード郵便)
物を届ける最速のサービス

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発送できない商品の根拠

国際郵便による発送できない商品(禁制品)は、どのような根拠により定められているのでしょうか。以下の二つの根拠があります。

発送できない商品の2つの基準

1.万国郵便連合条約(世界の郵便事業を行うための条約)やその他の関係法令で禁制品に指定されている
2.各国による独自の法律・制度により禁止されているもの

万国郵便連合とは、世界中の郵便事業を行うためのルールを定めている国際機関です。各国の郵便事業は、この万国郵便連合のルールに基づいて運営されています。日本では、日本郵政が郵便事業を担当しています。この万国郵便連合のルールでは「輸送してはならない貨物」としていくつかの物が指定されています。

例えば、わいせつ物、麻薬、危険物などが万国郵便連合のルールで禁止されています。また、これとあわせて、各国の禁制品が存在していることになります。つまり、禁制品といっても、

  • 万国郵便連合の禁止品
  • 各国独自の規制
  • IATA(航空輸送上)の規制
  • 関連条約による規制

など、複数の禁止ルールに基づいています。

例えば、IATA(国際航空運送協会)が定める航空貨物に関する危険物品。この危険品は「航空輸送上、安全性に問題はないのか?」の観点から、禁制品を指定します。航空輸送であるため、主に爆発物や引火性があるもの、ガスボンベなどが禁止されています。輸送途中に燃えたり、爆発したりする可能性があるものを排除する目的があります。また、この他、関連する法律により禁制品を指定している物もあります。

例えば、動物に関する法律として「ワシントン条約」があります。これは、生きている動物の取引や、動物の一部から作った製品などを禁止または、制限をする条約です。このような関連条約・法律などに触れる商品も「万国郵便連合の禁制品」としての指定を受けることになります。

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それでは、具体的にどのような物が禁制品として指定されているかを見ていきます。

万国郵便連合にる禁制品一覧

まずは万国郵便連合による禁制品となります。この条約を大前提とした上で「関連する条文・法律」や「各国の禁止品」がケースバイケースで適用されることになります。

●麻薬
●わいせつ物
●偽造品・模造品
●各国独自で禁止しているもの
●危険性があるもの
●いきた動物
みつばちを除く
●IATA航空危険物
●その他、関連する規則

赤字の部分により禁制品に指定する対象範囲を広げています。

IATAの航空危険物(禁制品)

IATA航空危険物

IATAの航空危険物の指定は「安全に航空輸送できるか」がポイントになります。したがって、必然的に可燃性や爆発性、ガス系など「発火原因」になりやすい物を禁止しています。様々な物があるように感じますが、発火する可能性がある商品かを基準に考えると、すぐに判断ができます。

IATAの禁制品の一例:

●爆発系のもの 具体例:花火、クラッカー
●引火性のもの 具体例:アルコールが60%を超える物→化粧品・香水・酒・塗料など
●ガス系のもの 具体例:ガスコンロや消火器

各国、独自の法律により禁止しているもの

違反事例

東南アジア各国はどうなっている?

次に各国で禁止されている物品を説明していきます。万国郵便連合の禁制品の中には「各国で禁止している物品」も含んでいます。各国で禁止にしている商品は、それぞれの国内習慣などにより様々な物があります。EMS、国際小包などで発送する際は、これらの国で禁止されている物品に当たらないかどうかも確認する必要があります。

各国の表の中にある「適用される輸送方法」は、貨物を該当する「輸送手段を用いて発送したとき」に適用される規定です。

例えば、マレーシアの表の中にある「貴重品」であれば、3000マレーシアリンギッド以上の紙幣を「小包」で送る場合は、3000以下となるように送る必要があります。以下、各国順に紹介をしていきます。

シンガポール

シンガポールの特長としては、チューイングガムがあります。ちょっとしたお菓子として発送しがちな商品ですが、シンガポールへの発送はすべて禁止されています。

品名禁制品(禁止)条件付き輸入適用される輸送方法
お守り通常、小包、EMS
チューイングガム通常、小包、EMS
脱脂牛乳郵便、小包、EMS
わいせつ物通常、小包、EMS
賭博関連品通常、小包、EMS
加工食品総重量5KG未満+100シンガポールドル未満の物通常、小包、EMS
果物合理的な量通常、小包、EMS
海産物5KG未満の魚製品 2KG未満のカニやエビ通常、小包、EMS

マレーシア

サッカーくじ、賭博などに関する商品が禁止されています。また、「お守り」などの迷信に誘う商品も発送不可です。

品名禁制品(禁止)条件付き輸入適用される輸送方法
競技の勝敗を予想する物品通常、小包、EMS
お守り通常、小包、EMS
賭博に関する物通常、小包、EMS
郵便切手小包
 貴重品3,000マレーシア・リンギット以下であること小包
練乳 関係当局の許可を得る通常、小包、EMS
郵便、小包、EMS

タイ

東南アジア各国の中では一番緩やかな基準であるといえます。禁制品として指定されているのは、肉のみです。また、米については「生米」は禁止されていますが、米の加工品(温めるだけで食べられる米パックや煎餅、餅)などは禁止対象ではありません。

品名禁制品(禁止)条件付き輸入適用される輸送方法
肉製品通常、小包、EMS
米パックや米菓子、餅などは除く通常、小包、EMS

インドネシア

羽毛系の商品、中国文字で書かれた書物などを発送するときに注意が必要です。また、通常輸送やEMSなどでは、衣類を含めた「中古品」の発送が禁止になっています。中古品については、小包で発送した場合のみ認められていいます。

品名禁制品(禁止)条件付き輸入適用される輸送方法
賭博に関するもの通常、小包、EMS
サロン通常、小包
羽毛(オウム科の鳥)通常、小包
酒精飲料(アプサント)通常、小包
 織物(パティクろう染)通常、小包、EMS
中古の物(衣類含む)通常、EMS
毛や皮、肉通常、EMS
印刷物(中国文字による雑誌等)関係当局の許可通常、EMS

ブルネイ

ブルネイの場合、アルコールの発送は「小包」としてのみ認められています。

品名禁制品(禁止)条件付き輸入適用される輸送方法
100ドルを超える紙幣など通常、小包、EMS
アルコール通常、EMS
発火性のある映画フィルム通常、EMS
富クジ通常、EMS

フィリピン

フィリピンは「避妊用具」が禁制品に含まれる珍しい特徴があります。また、食料品や医薬品の粗悪品においても禁制品に指定されています。粗悪品の定義が曖昧のため、少しわかりづらい制度となっています。

品名禁制品(禁止)条件付き輸入適用される輸送方法
と博用品(ルーレットなど)通常、小包、EMS
圧縮ガス(ガスボンベなど)通常、小包、EMS
酒精飲料通常、小包、EMS
貴金属通常、小包、EMS
食料品・医薬品(粗悪な物)通常、小包、EMS
牛肉・羊肉郵便、小包、EMS
避妊用具通常、小包、EMS
富クジ通常、小包、EMS
刃物包装されていれば可能通常、小包、EMS

ベトナム

ベトナムは、東南アジア諸国で最も「うるさい」国になります。中古の製品~農作物や水産加工品までさまざまな商品を禁制品に指定しています。表中の一番下にある「文化的な物品」には、子供向けの玩具なども含まれるのでご注意ください。また、個人用の物品であっても一品目50ドル以上の物に対しては、関税がかかるのが特徴です。以下、表中には書ききれない分を説明をしていきます。

■中古の物(贈り物を除く)
毛布、蚊帳、靴。サンダル、電気製品、家電機器、医療器具、家具、室内装飾品など、贈り物以外として発送することは認められていません。これらを発送する際は、伝票中に「贈り物」であることを強調して記載する必要があると言えます。

■たまねき、乾燥したニンニク、乾燥した野菜
たまねぎ、乾燥したニンニクなども禁制品に指定されています。これらはベトナム国内の産業を保護したい思惑を感じられます。

■文化的な物品
絵画、書籍、新聞、映画、レコード、子供無の玩具・ベトナム政府の許可が必要

品名禁制品(禁止)条件付き輸入適用される輸送方法
いもの木(落花生、ごま、トマトなど)通常、小包、EMS
缶詰通常、小包、EMS
はちみつ通常、小包、EMS
塩漬けの肉通常、小包、EMS
危険な医薬品通常、小包、EMS
スイカの種子通常、小包、EMS
ワラ、牧草通常、小包、EMS
中古の衣類通常、小包、EMS
玉ねぎなど通常、小包、EMS
無線機通常、小包、EMS
非商業目的の個人物品各品目ごとに50アメリカドル以下(超えると課税)通常、小包、EMS
落花生1000g以下通常、小包、EMS
茶 500g未満 もみ茶 1000g未満通常、小包、EMS
干し魚1000g未満通常、小包、EMS
干しイカ1000g未満通常、小包、EMS
ビーフジャーキーなど1000g未満郵便、小包、EMS
塩漬けの肉1000g未満通常、小包、EMS
乾燥芋1000g未満通常、小包、EMS
郵便切手通常、小包、EMS
文化的な物品担当局の許可通常、小包、EMS

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まとめ

EMS(国際スピード郵便)で送ることができない理由を説明しました。万国郵便連合による禁制品と各国独自の禁制品があることがわかりました。私たちが海外へ発送する際は、万国郵便連合による禁制品、国ごとに設定されている禁制品の二つを確認する必要があります。これをすることにより、送付先の国において「返送」は「没収」される可能性が低くなります。

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