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「TARIC」EUの関税率を調べる方法

日欧EPAを活用して、日本の産品をEU向けに輸出しようとしていますか? 輸出するときに気になるのが、EU側の関税です。どれだけ素晴らしい商品であっても、EUへの輸入時に課税される関税率が高ければ、EUでの価格競争力を失います。関税は、輸出先の国で「自社の商品が戦えるのか?」を判断する上で重要です。

そこで、この記事では、EUの関税率を調べられる「TARIC」をご紹介していきます。

 



 

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TARICでEUの関税を調べる方法

日本で設定されている関税率(輸入時に適用)は、WEBタリフで確認ができます。これは、あなたが外国の産品を日本に輸入するときに利用します。一方、あなたが日本から輸出するときは、相手国で設定されている「関税率」を調べます。世界各国の関税率を調べるには、次の3つの方法があります。

  1. 各国の税関サイトで調べる
  2. ワールドタリフを使う
  3. TARICを使う。

1番の各国の税関サイトは、字のごとく、各国における税関のサイトの確認です。タイであれば、タイ税関、オーストラリアであれば、オーストラリアの税関サイトへいき、日本の産品に対して設定されている関税率を調べます。この方法が最も正確に関税率を調べられます。しかし、関税を調べるたび、各国の税関サイトをチェックしなければらならないのは、大変です。そこで、各国の関税率をまとめて調べられる「ワールドタリフ」をお勧めします。

ワールドタリフは、フェデックスさんが運営する各国税関の関税率を調べられるサイトです。一つのサイトの中で、中国、アメリカ、イギリス、フランスなど、ほぼすべての国々の関税率を調べられるため、非常に便利です。(関税率の他、自由貿易協定に関する情報なども有ります)ただし、ワールドタリフは、フェデックスが提供する二次情報であるため、掲載されている情報と実際の情報が一部違う可能性があるため、注意が必要です。

最後の「TARIC」とは、ヨーロッパ連合(EU)で設定されている関税率を調べるサイトです。2019年2月1日をもって、日本とヨーロッパは、日欧EPAを発効しました。これにより、今後、日本産品を欧州へ輸出する機会が増えるかと思います。もし、EUに向けての輸出がメインであれば、先に示したワールドタリフよりも、TARICをお勧めします。

この記事では、このTARICにおける関税率の調べ方をご紹介していきます。

TARICの使い方

まずは「TARIC」にアクセスしましょう! ページを開くと、画面中央に三つのタブが並んでいます。関税率を調べるときは、このままの状態で使います(1番の選択)

画面右上にある「LAST UPDATE=最終更新日」も必ずチェックしましょう。表示される内容がいつの情報であるのかは重要です。関税率を調べるときは、1番に商品のHSコード、1番に調べる対象国を選びます。(HSコードがわからないときは「HSコードの解説書」などを購入するといいです。)

例えば、日本から牛肉を輸出するときは、1番の部分に「0201.10」、2番の部分に「日本」を選びます。これで、日本から牛肉(枝肉)をEUへ輸出したときの関税率がわかります。

TARIC EU 関税

輸出する産品のHSコードがわからないときは、赤枠の「Browse」から対象産品を順番に選ぶ方法もあります。

TARIC EU 関税

Browseボタンを押すと、画面下にHSコードのリストが表示されます。右側の青枠部分の内容を確認しながら、赤枠部分のセクションを選びます。この作業を数回繰り替えしながら、徐々に対象産品を絞りこみます。イメージでいうと….大>>中>>小 と、広い情報から、徐々に狭い情報にしていき、対象産品を特定します。

TARIC EU 関税

赤枠部分を「深堀り」していきます。

TARIC EU 関税

この画面が表示されても、右側の画面を見ながら、さらに深堀りをしていきます。

TARIC EU 関税

最終地点までの深堀が終わったら、検索ボタンを押します。検索ボタンを押すと、対象産品に対する関税率が表示されます。日本産品の場合は、赤枠の「JAPAN」の部分を確認します。この産品であれば、関税率は0%であることがわかります。

TARIC EU 関税

右側にある「D19…」などの部分をクリックすると、いつから、対象の関税率になったのか?を調べられます。

TARIC EU 関税

また、下の表示のように「EXCLUDING」という項目が表示されているときがあります。この記載がされているときは「対象から除外されている国」として判断しましょう!下の例でいえば、スイス、アイスランドなどは「ERGA OMNES」から除外されています。

ARTIC

未来の関税率を知るには、どうすればいいの?

TARICを使えば、現時点におけるEU側の関税率を調べられます。ただし、日欧EPAは、協定発効後、即時撤廃された物以外に、発効後、3年で関税率がゼロになるもの、16年目にゼロになるものなど、数年かけて関税率がゼロに変化する物も多いです。そのため、現時点の関税率だけではなく、将来の関税率の変化を知ることも大切です。将来の関税率を調べるときに便利な表が「日欧EPAの譲許表」です。

譲許表とは、関税率の撤廃スケジュールを記載した表です。品目ごとに関税率の変化が記載されているため、将来にわかる見通しを立てるときに役立ちます。ぜひ、ご活用ください。

日欧EPAの譲許表

日本に輸入するときの関税率の変化を確認したい方=日本側

EUへ輸出するときのEU側の関税の変化を確認したい方=EU側

まとめ

  • 日欧EPAなど、ヨーロッパ側で設定されている関税率を調べるときは、TARICを活用しましょう!
  • TARIC以外であれば、ワールドタリフでも調べられます。
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