初めての海外旅行としてイタリアを選ばれる方は多いです。イタリアと言えば、ワイン、チーズ、オリーブオイル、革靴など、身近にある製品を輸出する国としても有名です。イタリアの主要な都市をいくつか周るだけで、たくさんの素敵な製品と出会えます。
イタリアの商品を購入したら、何らかの方法で日本へ持ち帰らなければなりません。スーツケースに入れるのにも限界があるからです。そこで「小包を使った国際発送」を考えます。これをイタリアから日本に向けて発送するには「どのようなポイントがあるのか?」をご紹介していきます。
イタリアから日本へ荷物を送る方法
郵便局と民間業者の間には、こんなに差があります。
イタリアから日本まで荷物を送るにはいくつかの方法があります。残念ながら、安心、確実、安さをすべてを兼ね備えた発送方法はありません。そのため「何を優先するのか?」を考えて発送方法を選ぶことがポイントです。あなたが日本へ帰国する寸前の旅行者であるなら、早さを優先してEMSを選びます。商売で仕入れるバイヤーであるときは、最も安く大量に発送できる船便を活用します。
イタリアから商品を発送するときは、大きく分けると2つの方法があります。1つは、イタリア郵便局系の配送です。これは日本でもおなじみである「郵便局(イタリア版)」が提供する配送サービスです。もう一つは、民間会社の配送です。イタリアにもヤマト運輸が展開しています。他にMail Boxes、Dhl、Fedexを使っても日本まで荷物を送れます。
実は、これら配送の違いによって、スタッフの接客態度や、サービス内容が大きく違います。
接客態度 | サービス内容・日本語 | 価格競争力 | |
郵便系配送 | × | × | 〇 |
民間系配送 | 〇 | 〇 | × |
郵便局系の配送は、もっとも安く送れる方法です。なるべく安い価格で海外発送したい人には最適です。しかし、イタリアの郵便局を使うときは、日本の郵便局をイメージしてはいけません。何でも親切丁寧に教えてくれる日本とは対照的で、不親切な接客をされることが多いです。さらに、イタリアの郵便局では、英語を含む外国語がほとんど通じないため、外国人が利用するにはかなりのストレスです。
一方、民間輸送業者は、説明も丁寧にしてくれるため、安心して発送ができます。その中でも特にイタリアのヤマト運輸はお勧めです。日本のヤマト運輸と同じように、スタッフが日本語で接客してくれます。これは、イタリアが不慣れ、かつ初めての海外発送をする人には、とてもメリットがあります。ただし郵便局に比べると、送料は高めです。
それでは、それぞれの特徴をご紹介しています。いくつかのポイントを抑えておくだけで、イタリアからの最適な発送方法を選べます。
イタリアの郵便局から荷物を送る3つの方法
イタリアの郵便局はPosta(ポスタ)と言います。黄色地にPTのマークが建物の目印です。イタリアの郵便局から送る方法は、次の3です
- EMS
- Paccocelere internazionale(パッコチェレーレ)
- 通常国際航空便(pacco ordinario internazionale)」
*イタリアの郵便局では船便を扱っていないため、ご注意ください。
1と2.EMSとPaccocelere(パッコチェレーレ)
EMSとPaccocelere(以下、パッコチェレーレ)は、国際速達書留便です。それぞれの特徴は、次の通りです。
日本前の到着日数 | 最低料金 | 特徴 | 送れる最大重量 | |
EMS | 土日祝日を除く2日~5日間 | 32.94ユーロ | 小荷物と書類の発送 | 30kg |
パッコチェレーレ | 土日祝日を除く2日~4日間 | 30.5ユーロ | 小荷物専用 | 30kg |
イタリア郵便局の3つの特徴
1.日本までの補償日数は、およそ2日~5日間ほど
2.発送できる最大の重さは、30kg
3.貨物にダメージがあったら、日本の郵便局で対応してくれます。
→EMSとpaccocelereなら、送り状記載の荷物番号を使って郵便局サイトから追跡ができます。貨物には、保険がついているため、盗難、紛失や破損があったときでも安心です。補償を希望するときは、送り状を日本の郵便局へ持っていきます。貨物の配送事故であると認められれば補償を受けられます。
3.通常国際航空便
通常国際航空便とは、一般的にイメージする国際郵便です。速達や書留扱いではないため、日本へ到着するまでの日数は、10日から25日程かかります。また、保険などもついていないため、万が一のときは不安です。ただし、その代わりとして、EMSなどと比て料金が安いです。貨物を急いで送る必要もなし、さらに貴重品ではないときにおススメする方法です。
基本的に、通常航空便には追跡サービスはついていません。しかし、追加で「書留機能」を加えれば、荷物の追跡ができます。もし、荷物の追跡を希望するときは、郵便局の窓口で「書留つきで(per raccomandata /ペル・ラッコマンダータ)」と伝えましょう。
イタリアの郵便局を使うときのポイントと知識
イタリアの郵便局では、英語はあまり通じないのが一般的です。観光客の多い町であれば、簡単な英語でやりとりできる郵便局もありますが圧倒的に少ないです。これは、日本の地方にある郵便局で英語が通じないことと同じです。基本的には、イタリア語しか通じないと考えておきましょう。
しかし、外国人の利用ができないのかというとそうではありません。次に示す3つのポイントを伝えれば、誰でも簡単に荷物の発送ができます。「1.送り先」「2.送付方法」「3.貨物の中身」これら1~3の必要事項を紙などに書いておき、窓口では、この紙をスタッフに渡します。大切なことは、必要最低限の情報を「いずれかの方法」でしっかり伝えることです。
- 送り先はどこですか?→日本「Giappone (Japan)」
- どの輸送方法で送りますか?→「EMS」や「Paccocelere」「通常航空便(pacco ordinario internazionale)」
- 貨物の中身は何ですか?→革製品など
3番の貨物の中身ですが、これは「革製品が含まれているのか?」を確認されることがあります。製品が牛革製品であれば、輸出は許可されているため、特に心配はいりません。もし、送る貨物の中に「牛革サイフ」含まれているときは、荷物の発送時に申告をして、簡単な証明書にサインをします。
大切なことは「どこへ、どのように、何を送るのか?」が伝わるようにすることです。イタリア語が不慣れな場合は、メモ用紙で伝えるようにします。また、そのほか、イタリアの郵便局を利用する上で、ちょっとした知識をお伝えします。
イタリア郵便局・4つの知識
1.発送に使う箱は、早めに用意しておきましょう。
郵便局を利用するときは、発送用の箱をなるべく早く用意しておきます。もちろん、イタリアの郵便局内で空箱の購入はできます。しかし、売り切れになっていることも多く、一度、売り切れになると、次にいつ入荷するのかわかりません。ダンボールは、文房具店でも購入できます。バイヤーの方で、梱包用ガムテープや詰め物(imbottitura per pacco)を現地で購入する場合は、文房具店をのぞいてみましょう。
2.利用予定の郵便局について、業務時間をあらかじめ確認!
イタリアの郵便局は、通常、月曜から金曜までは8時から18時30分まで、土曜は8時から12時30分まで営業しています。ただ小さな郵便局では、業務時間を短縮をしていることも珍しくありません。土曜は終日閉店の所もあります。中には、sciopero(ショーペロ/ストライキのこと)で突然休業することもあります。
3.イタリアだからといって過剰に包装する必要はありません。
どのような箱を使うとしても、発送時に段ボールを茶色い紙で包む必要はとくにありません。ガムテープでしっかりと留めておくだけでも、日本まで問題なく到着します。
4.意外にしっかりと発送してくれます。
イタリアの郵便事情は心配するほど悪いものではありません。日本に荷物が届かなかったという被害は意外に少ないです。
以上がイタリア郵便局の利用方法です。次にイタリアのヤマト運輸の使い方をご紹介します。
クロネコヤマト国際宅急便で荷物を送る方法
では、ヨーロッパから日本までの国際輸送サービスを行っています。イタリアでは、ミラノ、フィレンツェ、ローマ、ヴェネツィア、ボローニャ、パレルモ、パドヴァ、シエナに営業所があります。もちろん、この他の町からでも発送は可能です。
ただし、利用するときは、前もって近くの営業所へ予約が必要です。どの営業所を使えばいいのかわからないときは「ミラノ営業所」へ問い合わせましょう。
ミラノ営業所には、日本人スタッフもいるため、荷物に関する問い合わせなどは、すべて日本語でできます。外国語が不慣れな方にとっては、言葉の心配をせずに日本までの発送できるのはヤマト運輸を使う最大のメリットです。ヤマト運輸の荷物は、営業所へ自分で持ち込むか、ホテルなどの滞在地まで集荷を依頼します。
ヤマト運輸の特徴は、以下の通りです。
日本語対応 | 最大重量 | 所要日数 | 一押しサービス | |
ヤマト運輸の特徴 | 〇 | 25kg | 1週間~10日 | ワインダイレクト便 |
■ヤマト運輸の主なポイント
- 最大重量は25kg。郵便局よりも5kgほど少ない。
- 最低料金は、50ユーロ~。重さと配送先によって料金が違う。
- 日本までの到着日数はおおよそ1週間から10日
- 小荷物用の段ボール箱も販売(自分で用意した箱もOK)
- スーツケースごと送ることも可能
- イタリアワインやオリーブ発送に便利なビン送付サービス
- クール便サービス(チーズや生パスタなど)
- 船便にも対応(郵便では取り扱い不可。日本到着まで一カ月ほど)
クロネコヤマト国際宅急便を使うときの2つの注意点
- 提供エリアと営業時間
- ヤマト独自の禁止品
1.提供エリアと営業時間に注意する
ヤマト運輸の場合、イタリア国内で一律のサービスを受けられるわけではありません。都市部から離れた田舎では、集荷サービスやクール便を使えないことがあります。この点は、前もって営業所へ問い合わせをするようにしましょう。ヤマト運輸の営業所は、平日の午後に2時間程度、昼休みのために閉店します。土日祝は終日閉店しています。ただし、ローマ三越内のオフィスのみ、祝日以外は月曜から日曜まで、10時45分から19時15分まで連続営業しています。
2.ヤマト運輸独自の禁止品に含まれていないのかを確認
クロネコヤマト国際宅急便では、荷物の内容に対する制限が郵便局よりも厳しく決められています。危険物、麻薬、動物などはもちろんですが、1点ものの工芸品などもヤマト運輸では引き受けていません。ヤマトを利用するときは「輸送禁止品(ヤマト独自)に当たらないのか」を電話などで確認します。
そのほかの輸送方法:Mail Boxes、Dhl、Fedexで送る
これまでの説明で郵便局とヤマト運輸をご紹介してきました。実は、イタリアでは、その他の会社も国際輸送サービスを提供しているため、あわせてご紹介します。「Mail Boxes」「Dhl」「Fedex」の3社です。これら三つのうち、どの会社を利用しても、土日祝を除いて最短3日で日本まで荷物を届けることができます。
この中でも特にMail BoxesとDhlの営業所は、観光客の多い町では比較的多く開業しています。英語を流暢に話すスタッフが多いので、イタリア語がわからない人でも安心して利用できます。営業所が少ないFedexは、ホームページから集荷の申し込みができます。また、これらの会社は、ヤマト運輸の場合と同じく、小荷物専用の箱を販売したり、スーツケースごと配送サービスを提供していたりします。
これら3社を使うときには、それぞれの禁輸品目と店舗の営業時間に注意します。ヤマト運輸と同じように、各社が独自に輸送対象外の品物を定めています。また、どの会社の営業所も、平日13時から17時近くまで昼休みで閉店します。いずれも土日祝は終日閉店である点は、同じです。
まとめ
郵便局を利用する最大のメリットは、多少の手間がかかっても輸送費が安くなることです。また輸送に関する規制がゆるく、禁止品目が少ないなどの特徴もあります。多少のリスクがあっても経済的に送りたいひと、民間輸送会社では引き受けてくれない品物を送りたい人は、郵便局を使うことをお勧めします。
何よりも安心を優先したい場合は、民間輸送会社を利用するほうがいいでしょう。料金は高くなるものの、サービスの質と配達の速さは郵便局を大きく上回ります。とくに日本人にはヤマト運輸利用がお勧めです。Mail BoxesやDhl並みのサービスに加え、ヤマト運輸営業所には日本人スタッフが常駐しているという大きなメリットがあるからです。ただ滞在地によってサービス内容が多少変わること、禁輸品目が多いこと、料金が高めであることは覚えておきましょう。
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