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【中国】海上輸送のトラブル相談室|事例と解決策の公開

日中の海上輸送トラブル110番|相談フォーム&解決事例集

中国輸送のトラブル事例をシーンで探す

コミュニケーショントラブルと解決策

輸送業者やフォワーダーとの連絡不備

連絡不備による輸送ミスが発生した!

貨物の滞留時、運航に遅延が発生しているときなどに連絡が遅くなることがあります。これは、中国側の荷主、フォワーダー、日本側の代理店との間で、連絡がうまくできていないときに置きます。

解決策

例えば、デジシップやShippioなどのサービスを使用して船積みごとに管理すると良いです。これらのデジタルサービスは、貨物の現在地を追跡する機能も付いています。

言語や文化の違いによる意思疎通の不備

機械翻訳による誤訳が発生!

中国の輸出者とのやり取りは英語でできます。英語が苦手な方とは、グーグル翻訳を通して取りをします。この場合、誤訳によるトラブルにつながることが多いです。

解決策

翻訳ツールは、誤訳又は意図しない文になっている可能性があります。各種翻訳ツールを使えば、ある程度の意思疎通はできます。ただ、全てを信じ込むことは危険です。また、中国側の慣習も重要です。

もし、コミュニケーションに課題がある場合は、中国側の慣習や意思疎通に長けているフォワーダーの力を借りることも検討しましょう!

例えば、フレイトマンロジックス株式会社は、日本側には、日本人の中国語話者の他、中国人ネイティブ。現地側には、高度な知識を持つ中国側のスタッフが常駐しています。相談の中心は、輸送であることに違いないですが、それ関連のトラブルや相談事にも応じています。

契約・保険トラブルと解決策

インコタームズ(FOB、CIFなど)の誤解

インコタームズ(FOB、CIFなど)の条件が明確に理解されていないため、リスクの移転点や費用負担についてトラブルになった!

例えば、FOB(Free on Board)条件では、貨物が輸出地の港で船舶の甲板に積まれるまでの手続き・費用を輸出者が負担する。ですが、これを買主側が理解していないこともあります。

解決策

必ず売買契約書を作成し、その中にインコタームズの記載内容を含めます。インボイスなどにも「FOB●●」などと記載すると良いでしょう。まずは、ご自身でインコタームズの理解が必要です。

運送保険未加入による損害補償の不足

海上輸送中に損害が発生!でも、海上輸送保険に未加入だった!

例えば、輸送中の損害には、水濡れ、盗難、破損などがあります。保険に未加入の場合、これらのリスクを全て引き受ける必要があります。

解決策

まず、売り手との間のインコタームズを確認します。インコタームズによっては、売り手が保険を付保するものがあります。例:CIP 当然、その逆の買い手が付保することもあります。(例:FOB)

保険金の額は、貨物の価格に応じて決まります。(インボイスの金額が基準)基本的には、100万円相当の貨物を補償するのに3000円程度~です。価格自体は、そこまで高くない為、海上保険をかけない選択肢はないです。

保険の種類は、いくつかあります。基本は、オールリスクにします。オールリスクにしておけば、ほとんどの貨物トラブルに対応できます。保険のかけ方は、個別保険の他、包括保険があります。なお、海上保険は、直接、ご自身で保険会社に申し込む他、通関業者経由でも可能です。

保険条件の確認: 保険条件を確認し、どのような損害がカバーされるかを明確しましょう。輸送条件によってはカバーされない部分もあるので注意が必要です。

契約内容の曖昧さによる費用負担の押し付け合い。

貿易契約書に記載された条件が曖昧で、費用負担やリスクの移転点が不明確になった!

例えば、CIF条件は、運賃と保険料まで輸出者の負担です。しかし、売買契約書に明記されていない場合、買主と売主間で費用負担を押し付け合うトラブルが発生することがらいます。

解決策

売買契約書に適用するインコタームズの他、設定されている費用負担やリスクの移転時期を明確に記載しておきましょう!

インボイスへのインコタームズの記載例:FOB SHANGHAI USD-2000

フォワーダーとの契約不備

フォワーダーとの契約内容が不明確で、トラブルになった。

例えば、契約条件に明確な運賃や遅延に対するペナルティが記載されていない場合などです。

解決策

フォワーダーとは、様々なリスクを想定した輸送契約を結びましょう。といいますのは、過去、韓進海運が洋上で破産するなど、にわかに信じられないことが起こっています。

海上輸送は、いつ、どのようなトラブルが発生するかわかりません。様々なイレギュラーを想定した契約書を取り交わしておくことが重要です。

代金支払い後の商品未出荷

商品代金の支払い後、連絡が取れなくなった!

例えば、アリババを通してやり取りをする場合は、アリババのエスクローサービスを利用することで、商品代金に関するトラブルにあう可能性は低くなります。アリババ等のプラットフォーム以外で取引をしている場合は、ペイパル、ペイオニアによる決済などがあります。

もし、銀行送金等の場合は、二段階で支払うなどによりリスクを小さくできます。

【輸出】TT決済でリスクと利便性を半々にする方法

解決策
  • エスクローサービスの利用
  • 段階的な支払い条件の設定
  • 商品の出荷確認後の支払い条件への変更(二段階支払い)

税関・書類トラブル例と解決策

商業インボイスやパッキングリストの不備

インボイスやパッキングリストに記載ミスがあり、税関審査が遅くなった。

例えば、インボイスに必要な記載事項(差出人氏名・住所・電話番号、受取人氏名・住所・電話番号、品名・正味重量・数量・単価・合計額など)が不足している。又は記載内容が違うなどです。

よくある不備例
  • インボイスの金額不一致 →契約書の金額とインボイスの金額が違う。 送金額とインボイス額が違う。
  • 品名や品目コードの誤記 →HSコードが間違っている。
  • パッキングリストとの不一致 →インボイスやパッキングリストの記載内容が違う。
  • 原産地証明書の不備 →記載内容が欠落している。
  • 数量や重量の誤記 →パッキングリストとB/Lの数値が合わない。
  • 記載内容がそもそも違う →フレイトプリペイドなのに、コレクト表記になっているなど
解決策

必要な書類を事前に準備し、記載内容をチェックします。特にインボイスとHSコードは、輸入税額の計算の根拠となるため注意が必要です。船積後、速やかに通関業者等へ転送し、予備申告用に準備を開始します。その際、不備がある場合は、通関業側から何らかの指摘があります。

修正申告: 万が一、修正が必要な場合、迅速に修正申告をします。

著しく価格が低いと指摘される。

中国からの商品価格を申告したら、著しく価格が低い(レンジアウト)と指摘された。

税関は、ナックスにより各国、品目ごと、季節ごとの価格情報をデータ化しています。同類、同種、同性生産国の商品を申告した際、他の申告価格と著しく乖離している場合は、レンジアウトしていると判断しています。つまり、価格が安すぎるから、何かあるのでは?と疑いの目を向けます。

解決策
  • インボイスに記載する金額は貨物の本来の価格です。
  • 種類を問わず値引きを受けている場合は、値引き額を記載すること
  • 税関は、膨大な申告データを所有し、常に適性な価格を把握している。
  • よって、浅はかな考えにより、本来の価格よりも安い価格を申告しない事。
  • 特に激安の中国製品全般にレンジアウトの厳しい視線が注がれている。

商品分類コード(HSコード)の誤り又は意図的な分類ミス

商品のHSコード(関税分類番号)が誤っていて、追加の納税が求められた!

例えば、税率が5%の商品を税率2%の物で申告するなど。計算の結果、納税額に過不足が発生したら追加の納税が必要です。納税額の差が大きい場合や意図的な場合は、過少申告加算税等のかかります

解決策

商品のHSコードを正確に把握し、申告しましょう。基本的には、お付き合いがある通関業者に依頼して、商品のHSコードを特定してもらいます。又は、税関の事前教示制度を利用する方法もあります。手軽さは通関業者、より正確、かつ時間がかかっても良い場合は事前教示制度を利用します。

関税評価に関する問題

輸入する商品の価格に「加算するべき費用」を盛り込まず申告してしまった!

例えば….

  • 商品価格に送料や保険代金を加えていない。
  • 輸出した副資材を評価に入れていないなど

評価漏れ

は、納税額に関係するため、ケースによっては、ペナルティが課せられます。

解決策

関税評価に関する加算要素を正しく理解しましょう。つまり「どのような費用を輸入申告価格に加えるべきなのか?」です。通関業者に書類を送付する際、併せて伝えると良いです。

【輸入】評価申告と加算要素の考え方を徹底的に解説!

関税評価には、特別な事情に基づく取引なども考慮する必要があります。

例:親子間の会社での取引など

必要な許可証や検疫書類が不足していた。

必要な許可証や検疫書類が不足していたので輸入ができなかった!

例:美容関連製品

解決策

日本の法律上、特定の品目には、特別な許可が必要です。

例えば、お酒、たばこ、塩です。この内、中国からの輸送品で許認可関係でトラブルになりやすいのは美容関連製品です。例:脱毛器など

美容関連品は、薬機法、景品表示法など、いくつの法律上の規制を受ける為、輸入を実行する前に十分に確認が必要です。なお、中国側で購入できることと日本側に輸入できることは全く別です。中国側で購入できても、日本側で輸入不許可の上、滅却や積戻しになることは山ほどあります。

輸入予定の商品に関する輸入規制を確認した後、検討しましょう!

通関手続き

輸出入通関の手続きでミスが発生し、納税額が増えたり、遅延が発生したりした!

例えば、通関の営業担当者と荷主の間の連絡不備で、輸入許可後の配送ができない。又は、通関業者の通関担当者により、適用するHSコードに間違いがあり、結果、納税額が多くなるなどです。

解決策
  • 過去、輸入実績がある場合は、その際の輸入許可書も添付する。
  • 通関手続きを通関業者に委託し、正しい申告書類の作成をする。
  • RCEP協定を利用して原産地証明書を取得し、関税を削減する。

税関検査による遅延

税関検査の結果、書類と現物が不一致だった!

税関検査の結果、書類や実物の一致していないと、追加の検査(コンテナを空ける)が行われたり、内容点検の指示が出されたりすることがあります。この場合、輸入者には、遅延と追加費用を負担する責任が発生します。

なお、税関検査と密接に関するのが横持トラックの手配です。横持トラックとは、保税施設から税関検査場又は税関検査場から別の税関検査場へ荷物を輸送することです。繁忙期になると、この横持トラックの手配が出来なかったり、税関健自体の予約がとれくなったりします。

解決策:
  • 輸出入者符号を取得し、定期的に輸出入を行うことで税関検査の頻度を減らす。
  • 輸入書類(INVOICE、PACKING LIST等)を正確に作成し、実物と書類の不一致を防ぐ。
  • 無償サンプル品についても適当な金額をINVOICEに記載する。
  • ダンボール、化粧箱など、マニュアルなど、コンテナの中身は全てインボイスに記載する。

サレンダーの確認ができない場合のトラブル

アライバルノーティスが発行された際、代理店から「サレンダーの確認ができない」と言われた!

解決策
  • 日本側の代理店に再度、現地側に確認をしてもらう(サレンダーではないか?)
  • それでもダメなら、売り手側に、B/Lを差し入れているか?=サレンダーにしたか?を確認する

B/L原本が届いていない

輸出国側にサレンダーにしていない&日本側にB/Lの原本が届いていない=荷物を引き取れない!

解決策
  1. 取引する銀行に依頼して「BANK LG」を発行してもらう。
  2. バンクLGを船舶代理店に差し入れて貨物をリリースしてもらう。
  3. B/Lの原本が到着次第、船舶代理店に差し入れてBANK LGを返却してもらう。
  4. BANK LGを銀行に返す。1~4の間、銀行からは補償料が請求され続ける。

荷物・商品トラブル例と解決策

効果・効能を標ぼうする貨物

商品の外装パッケージに効果効能を標ぼうする表記があり留められた!

例えば、美容関連製品は、その効果をアピールする為に直接的な宣伝文句を外装や説明書に記載していることがあります。

解決策
  • 効果、効能の標ぼうは不可。医学的見地からその効果を立証できない限り不可
  • 特に美容関連製品を輸入する場合は注意する。直接的な表現をしている箇所がある場合は、その部分の修正(外装の交換、マニュアルの交換)を依頼する。
  • 日本に到着後に判明した場合は、積戻し、破棄又は、保税地にて該当部分の修正が必要
  • 効果・効能を標ぼうする商品は非常に厳しい。安易な輸入は、膨大なコスト負担につながる為、輸入前に関連機関に外装、商品内容などを含めて、事前相談を受けた方が良い。

商標権侵害による輸入差し止め

中国の工場で生産したキャラクターグッズを輸入しようとしたら留められた。

日本に商標権を侵害している貨物を輸入しようとすると、税関より認定手続きが開始されます。認定手続きとは、輸入しようとする貨物が本物か?偽物か?を判断するために、権利者、輸入者が商品の信ぴょう性を証明する資料を提出し、その正当性を主張する手続きです。特に中国や韓国からの商品は、知的財産権を侵害している可能性が高い貨物として監視されています。

なお、認定手続きで偽物と判断されると、その貨物は滅却処分。つまり、問題無用で全て破棄されます。当然、仕入れにかかる費用、輸送費用は、全て輸入者の責任の下、解決します。

解決策
  • 基本的に知的財産が関係する商品(特に有名ブランド)を扱わないこと。
  • 事前に商標権を調査する。
  • 権利者と事前協議をする。
  • 正当な輸入をする場合は、書類上に全ての権利者が登場しなければならない。
  • 例:ブランドの所有者A、ブランド所有者Aから委託を受けて生産する工場B、工場Bで生産した商品を購入し、輸入するCなど。この場合、A、B、Cの三者が一つの書面上にのっていなければならない。

原産国の記載ミス

中国から届いた商品だけど、インボイスに「MADE IN 中国以外」の記載がある。あるいは、ダンボールの外装部分に中国産以外の記載があるので貨物を留められた!

解決策
  • 中国の売り手に依頼し、原産国表記を正しく行うよう強く求めること。
  • 原産国は、正しい国名又は無記入のいずれかです。
  • 但し、原産国が無記入の場合は、販売時までに原産国表記が必要
  • 問題は、中国産の商品にイタリア産などの表記がある場合
  • 上記の場合は、イタリア産の表記部分を全て修正する必要がある。
  • 例:保税地にて全ての商品ラベルの貼り変えなど。
  • なお、直接、原産国が記載されていなくてもパッケージなどの標ぼうから誤解を生む可能性がある物も修正の対象になる(例:中国産の商品なのに、イタリア国旗が描かれているパッケージに入っているなど)

湿気やカビで商品が劣化

コンテナの中と外の気温差により結露してカビが生えた!

特に高温多湿になりやすい時期は、結露による水分によりカビが発生しやすいです。コンテナ内部の湿度を下げるグッズを導入することで対処できます。

解決策
  • 除湿器、乾燥剤、コンテナードライ、業務用乾燥剤、湿気バリアなどの使用
  • 温度・湿度センサーの設置する
  • 防水・防湿包装を使用する。

貨物の水濡れ

高波による雨水、海水、または結露による水濡れが発生し、貨物が損傷した!

貨物の水濡れトラブルが発生する可能性は高頻度です。よく発生すると言っても良いでしょう。

  1. コンテナ自体に穴が空いている。又は大きなスキマがある。
  2. 航海中、その穴から水が浸入する。
  3. ダンボールなどに浸水し、中の貨物も含めて使えなくなる。

又は昼夜の寒暖差が激しいときに結露し、結果、水濡れに至ることもあります。

解決策
  • 貨物をビニールやフィルムで保護する。
  • 除湿剤を封入する。
  • 気密性の高いリーファーコンテナを利用する(特に湿気に弱い商品の場合)。
  • 台風シーズンなど天候不順が懸念される時には、出入港の日程を調整する。
  • 貨物を船倉部分(アンダーデッキ)に積載することをリクエストする。

例えば、リーファーコンテナと聞くと食品輸送と考えガチです。しかし、実は、非常にデリケートな商品(化学製品)等を輸送する時にも活用しています。

輸送中の破損や汚損

落下や衝突による破損、または中国の売り手の扱いにより商品が破損した!

例えば、中身がスカスカのコンテナになっている。貨物の重心点を全く考慮していない。不適切な梱包等をしている、航海中の揺れ等により貨物が破損することがあります。

又は、LCL貨物の場合は、保税倉庫などで行われる保税作業によって貨物が壊されることもあります。例:中国側の雑なバンニング作業によるダメージ、フォークリフトで破損するなど。

解決策
  • 信頼できる売り手を選定すること(最初は少量でテスト輸入)
  • 安全に運びたいならコンテナ輸送(FCL)の方が良い。
  • 売り手に対して貨物を適切に梱包するように依頼すること
  • 海上保険に加入すること
  • 問題がある場合は、引き取り時の状態を写真で撮る
  • フォワーダー及び保険会社に連絡をする。(クレームノーティス

危険物との混載による汚染や異臭付着

危険物と混載されていて貨物が汚損した。又は、コンテナを汚損した!

まず売り手に状況を伝えます。その後、発生した費用などについてクレームを出します。場合によっては、フォワーダー(船会社)から汚損に対する原状回復を求められることがあります。

解決策
  • 売り手に対してバンニング時に確認するように依頼する。
  • 問題が発生した場合は、コンテナの使用履歴を確認する。
  • 場合によっては、臭気検査を実施する。

商品の紛失(海に落ちるなど)

輸送途中に商品が紛失した!

例えば、コンテナを本船の甲板に積載しているときに、何らかの理由により、コンテナが海に落ちることがあります。本船側のコントロールは難しいですが、少なくても重心点等は考えられます。

解決策
  • パレット梱包を行い、荷役作業を容易にしましょう。
  • 梱包容積や重量を確認し、適切な輸送方法を選ぶ。
  • 海上貨物保険に加入し、リスクを軽減する。

出荷時と到着時で数量が合わない。

中国側で商品を出荷した時の記録と日本側の記録が合わない!

数量違い、破損、汚損、何でもありです。ある程度は、許容する気持ちが必要です。

解決策
  • ある程度、中国クオリティとして妥協が必要
  • インスペクター制度を利用する。
  • コンテナへの封印(シール)の取り付けと記録

納品時のトラブル

輸入許可後の納品時:納品先の場所に荷下ろしをするスペースがないためデバンができない。又は、納品先までの交通ルールにより近づけない!

デバン場所に関する選定場所、周辺の交通環境の把握不足が原因です。特に都会を納品先とする場合は、納品場所と時間帯指定などの通行規制に注意します。

解決策
  • 納品場所のスペースを事前に確認し、必要な人員や機械(フォークリスト等)を準備する。
  • コンテナを運ぶドレーは巨大です。このドレーが問題なく通行できるかを確認する。
  • コンテナの取り出し作業がスペース的に、人員的にできない場合は外注を検討する。
  • 梱包材の廃材処理についても事前に計画し、追加費用を避ける

冷凍・冷蔵品の温度管理不良

冷凍・冷蔵品が適切な温度で保たれず、品質が低下した!

予冷作業の不足、コンテナ内部貨物の積みつけ不良などにより冷気が行き渡らず、品質が劣化することがあります。原因:リーファーコンテナに関する基本的な知識の欠落

解決策
  1. リーファーコンテナを使用し定温環境を実現する。
  2. リーファーコンテナは、通常-30℃から+30℃の範囲で設定ができる。
  3. 輸送前に予冷処理をして、コンテナ内の温度を事前に調整
  4. 温度モニタリングを記録する「データロガー」を導入する。

危険物の輸送に関する規制違反

危険物輸送の規制を遵守せず、船舶火災等が発生した!

例えば、MSDS(Material Safety Data Sheet)に誤りがあり、危険品として取り扱われるべき貨物が正しく扱われずに輸送されることがあります。

解決策
  • 危険物輸送に精通したフォワーダーに相談をすること
  • 正確なMSDSを取得する事
  • IMDGコードに従い梱包要件、ラベル条件を満たすよう売り手に要求すること

貨物の盗難

輸送中や保管中、貨物が盗難された!

  • 港湾内のセキュリティ不足 →混雑する港、監視カメラがない所が危ない。
  • フォワーダーによる犯罪 →間接的に盗難や不正行為を働くなど
  • 高価な商品(換金性が高い物) →精密機器や高価な商品は特に狙われやすい。
解決策

輸送中や保管中の貨物に対してセキュリティ対策を講じます。

  • 保険をかける。
  • 特に換金性が高い商品は、外からわからないようにする。
  • 無地のダンボールを使う。

例えば、外装から中身を判断できないように無地のダンボールを使います。段ボールには、ケースマークのみを記載し、パッキングリストと照合することで、貨物の中身がわかるようにしておきます。

運航・スケジュールトラブル例と解決策

外交関係の悪化による輸出入規制の強化

中国政府の政治的な駆け引きから、日本への○○の輸出を禁止した!

中国では、政治的な関係から、ある日、突然、税関の審査を厳しくしたり、輸出を制限したりします。ある種のプロレスの為、これに対する有効な解決策はないです。強いていうなら日ごろから、少し在庫を余分に確保しておくことです。

解決策
  • 政治・外交情勢のモニタリング
  • 代替調達先の確保
  • 在庫の積み増し

トランシップ港での積み替えミス、荷物の紛失や破損

積み替え港で長期滞留している。積み替えミスが発生している。あるいは、荷物が紛失した!

シンガポール港などで積み替える予定で運航する船は多いです。この積み替え時に意外にトラブルになりやすいです。多いのは長期滞留です。ずっと次の船が決まらず、港に荷物が滞留していることがあります。(例:すでに一週間滞留しているなど)

解決策

船には、港から港をダイレクトに行く「ダイレクト船」と、どこか第三、第四の港を経由する「積み替え船」があります。積み替えによるトラブルを防ぎたい場合は「直行便」を利用します。各フォワーダーは、この直行便を「ダイレクト混載」などのサービス名で販売しています。

  • 第一に直行便を利用することが有効です。
  • 荷物をトラッキングできるようにしておく。
  • フォワーダーとの連携を強化する。
  • 保険の適用範囲の拡大
  • GPSトラッカーの設置

中国の工場の生産遅延や港湾の混雑による遅延が発生

中国の工場での生産が遅れている!→ 日本側の納期も遅れそう。

解決策
  • 生産スケジュールに30%以上の余裕を持たせる
  • 事前に代替工場を確保しておく
  • 混雑の少ない近隣港の利用を検討する

中国の祝日による港湾作業の停止や遅延

旧正月などの長期連休の存在を忘れていて、仕入れができない。商品の在庫が無くなりそう!

解決策
  • 年間の祝日カレンダーを作成し、中国の祝日も確認しておこう。
  • 中国の長期連休の前後1週間は、余裕を持たせた計画を立てる
  • 祝日前の駆け込み需要を避けるため、出荷を前倒しする
  • 祝日期間中の作業料金の事前確認と予算確保
  • 長期連休直後の品質は下がることを覚えておきましょう!

コンテナ不足による出荷延期。

コンテナ不足により、輸送の遅延や運賃が上昇した!

解決策
  • 複数のフォワーダーと契約をし、細く長くお付き合いをします。
  • 1社がメイン、他2社がサブのイメージ
  • 1社とは継続的なお付き合いを前提とする。常に連絡を取り合い関係構築に努めること
  • フォワーダーは、自社に継続的な収益を持たらす人を「優良顧客」とします。
  • フルコンテナ輸送(FCL)と小口コンテナ輸送(LCL)を適切に選択すること。

中国主要港の混雑と滞船

中国の主要港で船舶の待ち時間が発生し、輸送費の高騰や遅延が発生した!

中国の主要港は、特に10 月頃または旧正月の直前に混雑します。

解決策
  • 混雑時期を見越して生産&輸送計画を立てる。
  • 代替港湾を利用する(例:混雑が少ない港湾へのルート変更)
  • 輸送会社と密な連携を取る。
  • 特に現地港の最新の混雑状況は、フォワーダーの現地駐在員の情報が最も役立つ。

台風などの悪天候によるスケジュール変更

台風や悪天候にスケジュールに変更が生じた!

例えば、台風などの自然災害は、港湾機能の停止や鉄道、フェリー、道路輸送の混乱を引き起こし、広範囲に影響を及ぼします。

解決策
  • フェリー船など、比較的、スケジュールの維持率が高い輸送手段を選ぶ。
  • 悪天候が予想される場合、代替ルートを設定する。
  • 航空輸送への切り替え: 海上輸送の遅延が深刻な場合、航空輸送に切り替える。
  • シルクロードカレンダーなどに記載されている天候情報などを参考にする。

船舶の機関故障

船舶の機関故障にスケジュールが変わった!

例えば、上海港に停泊するコンテナ船がエンジン故障により3日程、出航できないなどもあります。

解決策
  • マリントラフィック又はシッピングガゼット等を使い船舶の建造日や経歴を確認しましょう。
  • 古い船舶や事故歴のある船舶は、故障リスクが高いと判断できる。

コスト関連のトラブル例と解決策

中国側が提示する見積もり価格に含まれない物があった!

当初、中国側の売り手から、日本側の任意の地点まで輸送する価格の見積を得ていた!ところが、実際に輸送してみると、見積もり価格に含まれていない部分が多く、予想以上に追加の費用が発生した!

これは、中国から大型の機械設備などを輸入する時に発生しやすいです。中国側の想定する見積もり価格の中に、日本側でかかる費用が含まれておらず、トラブルになることがあります。

例えば、大型トラックで貨物を輸送してきたとして、任意の地点に貨物をおろすとしましょう。その際の費用を含んでいないなどです。又は、日本側の通関から先の費用は含まれていないなどです。

解決策
  • 中国側の売り手が日本側のあらゆる諸費用を想定して見積もりをするのは難しい。
  • 日本に輸入する前提なら、日本側の費用を正しく把握できるようノミネーションフォワーダーを利用した方が良い。
  • 例:中国側の売り手からEXWやFOBで最小の見積金額を提示しもらう。ノミネーションフォワーダーから輸送費用+通関+国内配送+据え付け代などの見積をもらう。

輸出者にFOBで見積もり依頼をしたらありえない価格を提示された!

当初、中国の売り手に対してCIFで見積もりをもらった後、再度、FOBで見積もりをもらったら、ありえない金額が提示された!

解決策

中国の売り手に対して、見積もり依頼するときは、いくつかのパターンがあります。代表的なパターンは、次の3つです。

  • EXW →中国側の工場(倉庫)で引き渡す価格
  • FOB →中国側の港で引き渡す価格
  • CIP →日本の指定港で引き渡す価格(売り手が送料と保険料を負担)

売り手に対して見積もりを依頼する場合は、まずFOBでお願いをしてみましょう。その際、○○チャージなど、不明な価格がオンされていると感じた場合は、「EXW」で見積もりを依頼します。

原則、この方法により、売り手から提示する見積もり価格は下がるはずです。(FOB→EXW)下がらない場合は、何らかの余分な費用を請求している可能性が高いため、予定する売り手との取引は見合わせた方が良いでしょう。

LCLの方が安いと思ったのに意外に高かった!

中国からLCLで貨物を輸送した所、思ったより高かった!

解決策

最小数量を大幅に下回る場合は、郵便のような小包単位の輸送を検討しましょう!

LCL貨物には、日本側で高額なCFSチャージが発生する為です。基本、LCL貨物は、1立方メートルが最小課金単位だと考えます。つまり、これよりも少ない貨物は割高になることが多いです。

例えば、ダンボールサイズの貨物を1箱のみ輸送する。 → これは海上輸送の範囲ではなく、国際郵便などの小包輸送の範囲です。

海上輸送=常に安い。

と考えるのは誤りです。輸送量に応じて割安になると考えた方が良いでしょう。

為替変動による支払額が増加

為替相場(円安方向)の変動が発生し、輸入コストが増加した!

特に小規模事業者は、為替予約をしないため、大きな影響を受けやすいです。為替予約とは、将来の特定日または期間において、外国通貨を購入または売却する価格(予約レート)や数量を現時点で契約する取引のことです。これにより、将来の為替相場の変動による影響を受けずに、あらかじめ確定した条件で外国通貨の受け渡しができます。

解決策
  • 外国為替は常に変動することを念頭に置くこと。
  • 日本側の商品価格にバッファを設けること。
  • ある程度の規模感で取引をしているなら、為替予約(為替ヘッジ)をする。
  • 輸入元と長期的な契約を結び、為替変動によるリスクについて何らかのルールを決める。

【貿易業向け】為替リスク対策7選!為替予約とオプション取引の違い等

不当なチャージ又はキックバック

海上運賃が高騰し、または不当なチャージが請求された! 又は、船社が中国側輸出者にキックバックを支払い、日本側輸入者に不当なチャージを請求された!

例えば、本船が到着するときに発行されるアライバルノーティスを受け取ってから初めて、様々な費用(チャージ)が判明することも多いです。システムチャージなども最たる物です。本来、中国側の売り手が支払うべき費用を日本の買い手に押し付けるなど、悪い悪習慣もあります。

解決策
  • 長期的な契約を検討し、運賃の安定を図る。
  • 運賃の透明化を求め、不当なチャージに対して是正を要求する。
  • アライバルノーティスにシステムチャージがあるか?、ないか?で判断できます。
  • 輸送会社の評判や信頼性を確認し、信頼できる会社を選ぶ。

デテンションチャージやデマレージが発生した

港から貨物を受け取るのが遅くなり、デマレージが発生した。又は、ターミナルにコンテナを返すのが遅くなり、ディテンションチャージが発生した!

解決策
  • 標準は、港に到着してから5日間がフリータイム。
  • フリータイム以降の引き取りは、デマレージが発生する。
  • デバン後の空コンテナの引き取りにも期限があるので注意する。
  • 一定期間内に空コンテナを返さないとディテンションチャージが発生する。
  • 要するに早くコンテナを引き取ったり、返したりすればOK!

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