なぜ、送料削減が重要なの?中国輸入特有の事情
中国から日本への輸入では、商品の仕入れコストと並び輸送コストが利益率を大きく左右します。特に中国輸入では、港ごとの料金体系、通関のスピード、混載の可否など、日本の貿易と異なる独自のルールがあります。
例えば、広州や深センなどの南部エリアは、LCLの物流が盛んで安価に輸送できるのに対し、天津や大連といった北部の港はFCLを前提とした物流が多いため、LCLだと割高になることが多いです。
また、中国側の混載倉庫(CFS)の料金体系は都市によって大きく異なり、同じLCLでも寧波経由が最安値になることがあるなど、細かな違いがあります。
この記事では、中国特有の輸送事情を踏まえたLCLとFCLの使い分けを解説し、より実践的な送料削減の方法を紹介していきます。
LCLとFCLの基本 中国の輸送事情と絡めて解説
LCL(混載輸送)の特徴と中国の事情
LCL(Less than Container Load)は、1つのコンテナを複数の荷主が共同で利用する輸送方法です。中国では主に広州、深セン、上海、寧波の港でLCL輸送が活発であり、日本向けの混載貨物の取り扱いも豊富です。
中国のLCL事情とコスト削減のポイント
- 寧波・深センのCFS(コンテナフレートステーション)が安い → 同じLCLでも港を選ぶことで費用が変わる。
- 上海・広州発は週に複数回のLCL便がある → 混載の回転率が高く、安価なプランを選べる
- 中国国内輸送のトラック代が影響 → 倉庫が港から遠い場合は中国国内の輸送費も検討するべきです。
FCL(コンテナ貸切輸送)の特徴と中国の事情
FCL(Full Container Load)は、1つのコンテナを貸し切る輸送方法で、大量の荷物を輸送する際に適しています。中国からのFCL輸送は、南部の広州・深センよりも上海・天津・青島の方がコストが低くなることが多いです。
中国のFCL事情とコスト削減のポイント
- 中国北部(天津・青島)のFCL運賃は比較的安価 → 北部から大量輸入するならFCLの方が有利
- 広州・深センのFCLは倉庫利用料が高め → 港の選択次第で倉庫コストを抑えられる
- 一部の港ではリーファーコンテナ(冷蔵・冷凍)が割安 → 食品や化粧品を輸入する場合に利用ができる。
LCLとFCLの最適な使い分け【中国輸入向け】
中国輸入特有の事情を踏まえたLCLとFCLの使い分け方法をご紹介します。
1. 少量・テスト輸入はLCL
初めて輸入する商品や、まだ売上が安定しない場合は、LCLを活用しましょう。特に、深センや寧波経由のLCL便はコストを抑えやすいため、おすすめです。
2. 取扱量が増えたらFCLに移行
継続して販売できる商品が決まったら、FCLに切り替えることでコストを抑えられます。目安として、コンテナの70%以上が埋まる場合は、FCLの方が安くなる傾向にあります。
3. 倉庫と港の距離を考えよう
中国国内での商品保管場所(倉庫)が、輸出港から遠い場合は、国内輸送費が高くなります。例えば、浙江省義烏の倉庫から出荷する場合、寧波港より上海港を使う方がトータルコストが安くなるケースが多いです。
4. リードタイムも考慮
LCLはコンテナを満載にするまでの待機時間や、混載作業に時間がかかるため、輸送リードタイムが長くなりがちです。急ぎの輸送が必要な場合は、多少コストが高くてもFCLを選ぶ方が良いです!
FCLとLCLの違いは、以下の記事でも説明しています!
送料を安くするための具体的な手法【中国特化】
1. 中国国内の混載ルートを活用
LCLのコスト削減には、中国国内の混載拠点を有効活用すると良いです。
例えば、広州発の混載は、義烏や深センの倉庫を経由することで費用が下がる可能性が高いです。
2. 共同輸入を検討
中国輸入ビジネスでは、複数の事業者と共同でコンテナを手配することでFCLのメリットを享受できます。特にアパレルや雑貨などの分野では、LCLよりもFCLの方がコストが抑えられる場合が多いです。
3. 早割運賃を活用
中国の海上輸送では、事前に予約をすることで安くなる「早割運賃」が設定されている場合があります。輸入スケジュールを事前に決めておけば、通常よりも10~20%安い料金で輸送できる可能性があります。
4. 港選びでコストを削減
同じ中国発でも、港を変えるだけで大幅にコストを抑えられます。
- 広州や深センからのLCLは安価だが、CFS費用が高い
- 寧波経由のLCLは日本向けの貨物量が多く、送料が割安
- 北部(天津・青島)のFCLは港湾コストが安く、リーファーコンテナ向き
中国との貿易でよく使う港を地図上に表示!各都市からの運賃は?
5.圧縮袋を検討する
圧縮袋を使い、容積を最大50%前後にする方法もあります。詳細は、以下の記事を確認してください。
まとめ
中国からの輸入において、送料を抑えるためにはLCLとFCLの特徴を理解し、中国特有の物流事情を考慮した最適な輸送方法を選ぶことが重要です。LCLを利用する場合は、CFS費用や国内輸送コストに注意し、最適な港を選ぶことがコスト削減のカギになります。一方、取扱量が増えたらFCLへの切り替えを検討し、輸送単価を下げることが大切です。
賢く輸送方法を選び、中国輸入ビジネスのコストを最適化しましょう!




関連記事
輸出入と国際輸送の手引き
1.取引先を探す。
3.船積み準備
4.法規制
5.国際輸送
カテゴリ一覧
新着記事
記事を検索
最新の見積もり状況
種別 | 積み地 | 揚げ地 | 品目 | 輸送モード |
法人 | 深圳 | 神戸 | 電気製品 | フェリー |
法人 | ルアンパバーン空港 | 成田 | コーヒー生豆 | 航空輸送 |
法人 | タイ | 東京 | 冷凍加工食品 | リーファー |
法人 | 深圳 | 神戸 | 電気製品 | フェリー |
法人 | ルアンパバーン空港 | 成田 | コーヒー生豆 | 航空輸送 |
法人 | タイ | 東京 | 冷凍加工食品 | リーファー |