2025年1月24日、日銀は、政策金利を0.25%から0.5%に引き上げることを決定しました。(今後、さらに引き上げを予定。1.0%まで上昇する!?)これは、2008年10月以来の高い金利水準です。実は、政策金利と物販には、輸入資金の借り入れや商品需要の変化などの点で関係する部分があります。
この記事では、金利が上昇する世界と貿易ビジネスとの関係(商品需要)について、私見を述べていきたいと思います。
金利がある世界の物販ビジネスへシフトが必要
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政策金利の上昇=すぐに商品需要が変化するとは言い難い。理由は、商品需要が金利だけで影響されるわけではないからです。
上記を前提として、今後、少しずつ金利が上昇する世界なら、こういう変化があるかも~という大いなる予測を共有していきます。
金利がある世界と金利が無い世界の違いとは?
金利とは、お金を借りるときのコストです。金利が低い、または無い場合、人や企業は安く資金を調達できるため、消費や投資が活発になります。一方、金利が高くなると、借り入れコストが上昇し、消費や投資が抑制される傾向にあります。
金利が無い、または極めて低い環境では、消費者は高額な商品でも分割払いやローンを活用して購入しやすいです。また、企業も積極的に設備投資を行うため、ビジネス向けの商品需要が高まります。
一方で、金利が高くなると、ローンや分割払いに伴う支払総額が増え、消費者の購買意欲が低下します。特に高額な耐久消費財(車、家電、家具など)の需要が減少し、企業も設備投資を控える傾向が強まるといわれます。
日銀の政策金利引き上げによる影響
日本銀行が金利を引き上げると、まず影響を受けるのが金融機関を通じた借り入れです。企業は運転資金や設備投資のための資金調達コストが上がり、新規事業の展開や仕入れに慎重になります。同様に、個人も住宅ローンや車のローン金利が上昇するため、支出を抑える傾向が強まります。
輸入ビジネスにおいても、仕入れ資金を銀行融資に頼っている場合、金利上昇により仕入れコストが増加し、販売価格への転嫁が必要になります。その結果、価格競争が激化し、利益率の低下を招く可能性があります。
商品需要への影響
金利が低い環境では、比較的高額な商品でも購入しやすく、贅沢品やブランド品の需要が増加します。
例えば、海外から輸入される高級バッグや時計、スポーツ用品などは、ローンやクレジット払いを利用する消費者にとって魅力的です。また、企業向けの輸入機器や業務用設備なども、安い資金調達が可能なため、購入意欲が高まります。
しかし、金利が上昇すると、消費者の購買力が低下し、実用的な商品やコスパを重視する傾向が強まります。
例えば、生活必需品や低価格帯のファッションアイテム、食品などの需要は高まる一方、高級品や嗜好品の購入は控えられることが予想できます。
金利が高い環境と相性が良い商品例
- 生活必需品(トイレットペーパー、洗剤など)
- コスパの良い家電(基本機能の冷蔵庫、洗濯機)
- 手頃な価格のアパレル(ファストファッション、ユニクロ系)
- 簡単に調理できる食品(レトルト食品、インスタント食品)
- エコ商品(節電家電、再利用可能な水筒など)
- 安価なDIY用品(工具、家庭修繕用品)
- ペットの生活用品(お手頃価格のペットフード、簡易トイレ)
- サブスク商品(食材宅配、調理キット)
- コスト削減型オフィス用品(低コストのプリンターインク、文房具)
- 格安アウトドア用品(キャンプギア、折りたたみチェア)
参考情報:金利が安い環境と相性がよい商品例
- 高級家電(プレミアムオーディオ、スマート家電など)
- 高額ファッションアイテム(ブランドバッグ、時計など)
- フィットネス器具(スマートフィットネス機器)
- 高級家具(デザイナーズチェア、高級ベッドなど)
- 海外製ガジェット(スマートデバイス、VRヘッドセット)
- 旅行関連商品(スーツケース、高級トラベルアクセサリー)
- 高級嗜好品(ワイン、クラフトウイスキー)
- eバイクや電動スクーター
- クリエイター向け機材(高性能カメラ、音響機器)
- 高級ペット用品(オーガニックフード、高級ベッド)
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*実際は、為替レートの変化、生活スタイルの変化など、変動要因は様々です。
貿易ビジネスにおける対応策
金利が低い時期には、比較的、高価格帯の商品を中心に扱い、クレジット払いを活用した販売戦略を強化するなどの方法が有効です。
例えば、高品質な家具や家電製品、プレミアム食品などを輸入するなどです。
一方、金利が上昇した場合は、日常的に必要とされる生活必需品やコスパが優れた商品との相性がよくなります。また、まとめ買いやサブスク販売を活用し、消費者がコストを抑えながら商品を購入できる仕組みを整えることもいいでしょう。
まとめ
金利が上昇すると、消費者の支出が抑えられ、生活必需品や低価格帯の商品にシフトする傾向が強まります。貿易事業者としては、全体的な潮流を注視しながら、柔軟な販売戦略を取ることが求められます。
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