あるクリスマスの日。海外の友人からクリスマスプレゼントが送られてきました。しかし、なぜか、このプレゼントに関税が発生してしまったのです! なぜでしょうか?
基本的に「ギフト(プレゼント)」は、対価が伴わない条件の下、免税で輸入ができます。これは、関税に関する法律に規定する「寄贈物品」への特例措置によるものです。しかしながら、今回は、何らかの理由で、この特例措置から外れて課税されたようです。
そこで、この記事では、プレゼントに対する課税と免税ルールについて詳しくご紹介していきます。この説明を通して、クリスマスプレゼントが課税された理由を説明していきます。
海外からプレゼント(ギフト)が届いた場合に納める関税
海外から届く商品は、次の2つに分けられます。
- 個人的に使用する物
- 商業用に使用する物
個人使用とは、自分で使うために輸入(海外通販での購入など)するものです。輸入した物を転売したり、業務用に使ったりはできないです。一方、商売用であれば、自由です。また、個人使用目的にも次の2つがあります。
- 個人で購入した物
- プレゼントされた物/した物
個人で購入した物とは、海外ネットショップから購入した物を指します。購入額は関係なく、物の対価として、お金を支払っているのか?が重要です。一方、プレゼントは、海外にいる友人や知人などから無料でもらうことです。
- 購入した物=少額輸入貨物扱い。
- プレゼント品=寄贈品扱い(ギフト)
一見すると、同じ輸入に見えますが少額輸入貨物扱いと寄贈品扱いには違いがあります。今回の事例でいうと、クリスマスプレゼントに関税がかけられているため、何らかの理由により、寄贈品扱いにはできなかったと推察できます。
では、どのような理由なのかを説明していきます!
商品がギフトとして扱われるための条件
ギフトとして扱うのかは「関税定率法基本通達14-21前後」に記載されています。それによると、ギフトとは、下記の条件をいずれも満たす場合とされています。
- 課税価格の合計額が一万円であること
- 届く荷物の外装や税関告知書に「Gift」の記載があること
- 個人(海外)から個人(日本)にあてられた物であること
- インボイス(レシート)など、商取引を確認する書類が入っていないこと
- 法人宛ての場合は、対象が個人使用する物と認められる場合
注意点は、課税価格の合計額が一万円を超えた場合は、その全体に対して税金をかけられることです。クリスマスプレゼントなのに、関税が発生した方は、上記、いずれの定義から外れてしまった可能性が高いです。
関連記事:寄贈物品とみなされるための5つの条件
商品を「ギフト扱い」してもらうための工夫
しかし、ギフト条件を満たしていても、誤って課税されることもあります。これを防ぐためには、プレゼントを送ってくれる方に対して、次の4つのことを伝えておくようにします。
- 書類に「ギフト」であることを強調して記載する。
- 商品の価格をしっかりと示してもらう
- インボイスの貼り付け、または、商取引と勘違いされやすい書類を破棄する。
- 貨物の中身がわかるよう記載
以上の4つを満たすように発送してもらいましょう! 上記のような対策をしても、誤って課税されることもあります。この場合は「受け取り拒否」をして差し戻しなどの対応も可能です。詳しくは「関税や消費税が誤って課税されたまま届いたときの対処方法」をご覧ください。
おまけ:ギフト扱いされなかったときの課税方法
ギフトして通関されなかった場合は、一般の少額輸入貨物に対する簡易税率が適用されます。この場合、次の2つの観点から関税率が決定されます。なお、これと合わせて個人輸入における「0.6かけルール」、「一万円免税除外ルール」なども関係してきます。
- 一つの梱包箱の中に入っている商品の合計課税価格が1万円以下なのか?
- 一つの梱包箱の中に入っている商品の合計課税価格が20万円以下なのか?
海外にプレゼントを贈るときの関税は?
逆に日本から海外にプレゼントを贈るときの関税は、どのようになっているのでしょうか? 海外にプレゼントをおくっているのに、相手に関税等が請求されるのは避けたいですね!
実は、相手先国で関税がかかるのかは、相手先国での仕組みによるため、判断は難しいです。多くの国は、日本と同様の基準内であれば、プレゼント扱いで関税等の諸税を免税にしくれます。しかし、発展途上国の場合は、その基準が非常に厳しく、ちょっとした物でも課税される可能性があります。
そこでお勧めなのが次の2つのいずれかです。
- 関税等を元払いにする。
- 相手国内のネットショップで注文をする。
1.関税を元払いにする。
実は、フェデックスや日本郵便には、相手先国でかかる輸入諸税を「発送側」に請求する仕組みがあります。もし、どうしても相手先に関税等の諸税が発生するのを避けたい場合は元払いサービスを申し込みましょう。
2.相手国内のネットショップで注文する。
プレゼントの概念を柔軟にすることです。プレゼントを考えた場合、必ず「日本から発送するべき」だと考えがちです。しかし、もう少し視野を広げると別の方法があることに気づきます。
例えば、カナダにいる友人向けのプレゼントなら、アマゾンカナダで注文をして、配送先を送りたい相手にします。そして、ギフトラッピング扱い等で発送をすれば、特に不自由なくプレゼントの発送ができますね!
もちろん、どうしても日本の商品を送りたいなら話は別ですが….ただ、やはり、相手国で日本の商品を扱うネットショップがないのか?を探してみるのは良いと思います。
まとめ
- ギフト品扱として通関をしてもらうためには「対価による輸送でないこと」を証明する。
- 対価の上で送られているときは、プレゼントではなく、購入品としての扱いを受ける。
カテゴリ
タグ一覧
新着記事の一覧
記事を検索する
種別 | 積み地 | 揚げ地 | 品目 | 輸送モード |
法人 | 広州 | 浜松 | ガラスフィルム | LCL |
法人 | 上海 | 名古屋 | 革製品 | フェリー輸送 |
法人 | 厦門 | 浜田 | アパレル 15トン | フェリー輸送 |
法人 | 広州 | 浜松 | ガラスフィルム | LCL |
法人 | 上海 | 名古屋 | 革製品 | フェリー輸送 |
法人 | 厦門 | 浜田 | アパレル 15トン | フェリー輸送 |