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目次

  1. 高市政権で変わる貿易実務―中小企業が今すぐ備えるべきこと
    1. 今後3年間のスケジュール
      1. 移行期(2025年度下期)
      2. 第1段階(2026年度)
      3. 第2段階(2026年度末〜2027年度)
      4. 第3段階(2027年度以降)
    2. 補助金と財政支援の具体的な内容
      1. 成功事例
      2. 採択されるための5つのポイント
    3. 日米関係と地政学リスクへの対応
      1. リスク管理の具体策
    4. 中小企業に迫る新しい規制
    5. 提案①:最短で整える「法務・輸出管理・人事」の基本3点セット
      1. A. 契約
      2. B. 輸出管理
      3. C. 人事・アクセス管理
      4. チェックリスト(着手1か月版)
    6. 提案②:サプライチェーン再設計―「国内回帰×海外分散」を同時進行
      1. 国内回帰(設備・人材)
      2. 海外分散(市場・調達)
      3. 目標指標(KPI)の例
    7. 実例:小規模貿易事業者の成功・失敗ケース
      1. 成功例:長野県の電子部品輸出企業
      2. 失敗例:福岡県の食品輸入商社
      3. 成功例:岐阜県の機械部品メーカー
    8. 荷主が知っておくべきフォワーダー(物流業者)の選び方―経済安保時代の新しい基準とは?
      1. 1) コンプライアンス・制度への適合性
      2. 2) 情報セキュリティ・データ管理
      3. 3) オペレーション(運用)能力
      4. 4) 契約・ガバナンス(管理体制)
    9. よくある質問(Q&A)
      1. Q. 小さな試作図面を海外に送る場合も申請が必要ですか?
      2. Q. 退職者の競業避止はどこまで可能ですか?
      3. Q. C事業の共同申請で相手を見つけるのが難しいです。
    10. 実務テンプレート(社内通達の例)
    11. まとめ
      1. 参考資料(公式情報)
          1. この記事に関連するかも!?

高市政権で変わる貿易実務|中小企業の実務対応・補助金・フォワーダー選定【2025–2027】

  1. 高市政権で変わる貿易実務―中小企業が今すぐ備えるべきこと
    1. 今後3年間のスケジュール
      1. 移行期(2025年度下期)
      2. 第1段階(2026年度)
      3. 第2段階(2026年度末〜2027年度)
      4. 第3段階(2027年度以降)
    2. 補助金と財政支援の具体的な内容
      1. 成功事例
      2. 採択されるための5つのポイント
    3. 日米関係と地政学リスクへの対応
      1. リスク管理の具体策
    4. 中小企業に迫る新しい規制
    5. 提案①:最短で整える「法務・輸出管理・人事」の基本3点セット
      1. A. 契約
      2. B. 輸出管理
      3. C. 人事・アクセス管理
      4. チェックリスト(着手1か月版)
    6. 提案②:サプライチェーン再設計―「国内回帰×海外分散」を同時進行
      1. 国内回帰(設備・人材)
      2. 海外分散(市場・調達)
      3. 目標指標(KPI)の例
    7. 実例:小規模貿易事業者の成功・失敗ケース
      1. 成功例:長野県の電子部品輸出企業
      2. 失敗例:福岡県の食品輸入商社
      3. 成功例:岐阜県の機械部品メーカー
    8. 荷主が知っておくべきフォワーダー(物流業者)の選び方―経済安保時代の新しい基準とは?
      1. 1) コンプライアンス・制度への適合性
      2. 2) 情報セキュリティ・データ管理
      3. 3) オペレーション(運用)能力
      4. 4) 契約・ガバナンス(管理体制)
    9. よくある質問(Q&A)
      1. Q. 小さな試作図面を海外に送る場合も申請が必要ですか?
      2. Q. 退職者の競業避止はどこまで可能ですか?
      3. Q. C事業の共同申請で相手を見つけるのが難しいです。
    10. 実務テンプレート(社内通達の例)
    11. まとめ
      1. 参考資料(公式情報)
          1. この記事に関連するかも!?

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高市政権で変わる貿易実務―中小企業が今すぐ備えるべきこと

2025年10月21日、高市早苗氏が総理大臣に選出され、新内閣が発足しました。新政権が掲げるのは「経済安全保障の再定義」と「供給網の強化」。これは単なるスローガンではありません。貿易・投資・技術・人材の管理方法を根本から変える大きな動きです。

これまで貿易実務といえば、通関手続きや関税、物流がメインでした。

しかし今後は、重要物資の確保、先端技術の保護、取引先の信頼性チェックまで含めた「サプライチェーン全体の安全保障対応へと広がります。

特に中小企業の貿易担当者にとっては、これまでの「書類と許可申請」の世界を超えて、輸出管理・契約・人事・情報セキュリティをまとめて管理する体制が必要になります。

例えば、社員が海外の取引先に送る技術データや、共同開発で使うクラウド上の情報も監視対象になる可能性があります。

また、国の補助金や税制優遇は、安全保障に役立つ分野に集中する傾向が強まっています。制度を理解して対応できる企業とそうでない企業の間で、大きな差が生まれるでしょう。

この記事では、こうした制度変化を背景に、中小企業が「守り」と「攻め」の両面で何を準備すべきかを、実務の視点から解説します。

今後3年間のスケジュール

企業が準備すべき「期限」を明確にするため、まず今後の実施計画を確認しましょう。

移行期(2025年度下期)

  • 重要物資の追加指定に向けた準備通知
  • サプライチェーン強化補助金 第5次募集の事前案内(〜12月)
  • 国内生産拠点支援の優先審査制度の準備

第1段階(2026年度)

  • 重要物資の追加指定(再生可能エネルギー素材・新型蓄電池など)
  • サプライチェーン強化補助金の募集・採択・着工

第2段階(2026年度末〜2027年度)

  • 経済安全保障推進法(ESPA)関連の省令改正:アクセス管理・秘密保持の実地監査を開始
  • 中小企業向けセキュリティガイドラインの運用開始
  • 税制優遇(加速償却・投資減税)の本格実施

第3段階(2027年度以降)

  • 中小企業向け「ESG+経済安保」連動評価制度の導入
  • 同盟国間の技術流出防止協定の運用開始

つまり、2026年初頭までに、秘密保持契約(NDA)の整備・アクセス管理・補助金申請の準備を完了させる必要があります。

補助金と財政支援の具体的な内容

現在実施されている「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」は、以下のような内容です。

事業区分対象補助率想定上限額実施スケジュール
A事業生産集中リスク解消中小:2/3以内約10億円2025年12月公募予定
B事業生活重要物資対応中小:3/4以内約7億円2026年1月公募予定
C事業中小企業共同事業中小:3/4以内約15億円(グループ単位)2026年春採択見込み

成功事例

兵庫県の工作機械メーカーは、C事業を活用して補助率3/4で生産ラインを国内に戻しました。人件費の増加はIoT自動化で吸収し、受注単価を維持したまま納期を短縮することに成功しています。このモデルは地方の製造業でも再現可能です。

採択されるための5つのポイント

  1. 供給途絶リスクを具体的に示す(特定国への依存率、在庫日数など)
  2. 国内回帰で増える供給能力を明示(月産量・歩留まり・国内調達比率)
  3. 技術流出防止策を具体化(アクセス者数、退職時の誓約、NDAのカバー率)
  4. 海外分散の実証計画(対象国・提携先・目標指標・2年以内の現地開始)
  5. 段階別の資金計画(自己資金・補助金・融資のバランス)

日米関係と地政学リスクへの対応

トランプ政権下で再び強化されている米国の関税政策(Section232・301)は、日本の輸出品に直接影響する可能性があります。高市政権は日米同盟を重視しながらも、供給網の偏りを減らすため、ASEANやインドとの自由貿易協定(FTA)推進、同盟国間の技術共有協定を加速させる方針です。

リスク管理の具体策

  • 主要市場の関税スケジュールを四半期ごとに更新(米・中・ASEAN)
  • 為替変動時の利益率シミュレーション(±10%を想定)
  • 代替輸送ルート(港・空港・陸上輸送)の確保計画をBCP(事業継続計画)に明記
  • 輸出先国の安全保障関連法令(輸出許可・サイバー規制)を調査

特に、米国関税政策の変動リスクに備え、2026年度から中小企業向けに「緊急代替輸出支援枠(JETRO・経産省共同)」が設置される予定です。

中小企業に迫る新しい規制

高市政権が重視するのは以下の3点です。

  1. 重要物資の安定供給(サプライチェーンの強化)
  2. 技術・情報の流出防止(経済安全保障推進法・外為法の強化)
  3. 国内回帰と海外分散の両立

これにより、中小企業でも次のような対応が必要です。

  • 輸出「品目」だけでなく、図面・CADデータ・試作品評価など「技術・情報」の共有も管理対象になる。
  • 秘密保持契約(NDA)、守秘義務、競業避止義務などの契約書の整備と、取引先・委託先まで含めた継続的な管理
  • アクセス権限、入退室管理、データ持出し制限など「物理・技術的な防御策」を伴う社内規程の明確化
  • 重要物資に関わる投資や認定を受ける場合の、補助金申請に必要なコンプライアンス体制の構築
  • 地政学・関税リスクに応じた販売・調達先の見直し

提案①:最短で整える「法務・輸出管理・人事」の基本3点セット

中小企業がまず取り組むべきは、以下の基本体制です。会社の規模に応じてExcelやクラウドツールから始め、半年で「監査に耐える形」に引き上げましょう。

A. 契約

  • NDAの標準ひな形を1枚にまとめる(定義・目的外使用禁止・再開示制限・準拠法・損害賠償・監査条項・契約終了後の義務)
  • 取引基本契約に「安全保障貿易遵守条項」「経済安保関連の情報管理条項」「下請先への同等管理義務」を追加

B. 輸出管理

  • キャッチオール規制の判定フローと該非判定ワークフローを1枚の図に統合
  • 海外への技術提供(技術データ・サービス・クラウド共有・出張での講習)の社内申請フォームを統一

C. 人事・アクセス管理

  • 重要技術へのアクセス者名簿、退職時の誓約書(守秘・競業)と貸与物回収チェックリストの整備
  • 入退室ログ、記録媒体の持出し管理(USB申請・クラウド共有権限)を週次でレビュー

チェックリスト(着手1か月版)

  • NDA(日本語・英語)の改訂版をすべての取引先と更新済み
  • 該非判定記録(型番単位)が案件フォルダに紐付けられている
  • アクセス権限表が最新で、部門長の承認済み、退職者分を即座に反映

提案②:サプライチェーン再設計―「国内回帰×海外分散」を同時進行

重要物資(半導体、蓄電池、工作機械・産業用ロボット、航空機部品、先端電子部品、重要鉱物など)に関わる中小企業は、国内投資と海外市場への分散を二本柱で進めましょう。

国内回帰(設備・人材)

  • 国内投資促進の補助金(A:集中リスク解消、B:生活必需品、C:中小の共同事業)を用途別に活用
  • C事業の3/4補助率を前提に、同業・異業種と連携して「生産ライン強化・技術補完」を共同で計画

海外分散(市場・調達)

  • 対米・対中の関税・規制動向に応じて、ASEANや南アジアへの販売・調達をテスト
  • 越境ECや現地実証(PoC)をDX支援策と組み合わせて、初期コストを圧縮

目標指標(KPI)の例

12か月で「国内比率+10ポイント」、対米依存度−15%、代替サプライヤー2社追加、海外実証2件完了

この目標は、後述の90日プランの各段階(Week 4、Week 8、Week 12)に対応させて進捗管理すると効果的です。

実例:小規模貿易事業者の成功・失敗ケース

成功例:長野県の電子部品輸出企業

経済安保対応でNDAを更新し、該非判定を徹底。補助金(B事業)を獲得して社内のセキュリティ環境を刷新した結果、米国の防衛関連企業との取引獲得に成功。

失敗例:福岡県の食品輸入商社

安全保障の対象外と考えて準備を怠った結果、2025年後半の制度改正で検査体制の不備が判明し、補助金申請に失敗。事前準備の遅れが致命的となった事例。

成功例:岐阜県の機械部品メーカー

C事業で地元3社と連携し国内回帰を実現。サプライヤー連携で物流コスト15%減を達成。

制度を理解して早めに準備した企業ほど、補助金を得やすく、取引機会を増やしている。

荷主が知っておくべきフォワーダー(物流業者)の選び方―経済安保時代の新しい基準とは?

経済安全保障が重視される時代では、物流業者を選ぶ基準が大きく変わりました。従来の「価格」や「配送スピード」だけでなく、コンプライアンス(法令遵守)能力・情報セキュリティ・危機対応力が必須の評価ポイントになっています。

1社に依存するのはリスクが高いため、基本的には3層構造で考えることをおすすめします。

A社を基幹(メインで使う物流業者)、B社を分散(リスク分散のためのサブ)、C社を非常時(緊急時のバックアップ)として位置づけ、それぞれに役割を持たせます。

以下、具体的な評価軸を解説します。

1) コンプライアンス・制度への適合性

AEO認証(信頼できる事業者の認証)の有無です。通関業者・貨物取扱者としてのAEO認証に加えて、各国の信頼プログラム、たとえば米国のC-TPATやEUのICS2への対応状況を確認しましょう。

次に重要なのがDPS(取引先スクリーニング)体制です。制裁対象・禁輸・要注意リストとの自動照合が行われているか、監査ログがきちんと保管されているかを確認します。

また、HS分類や該非判定のサポート体制も重要で、分類根拠が文書化されているか、原産地証明やEPA(経済連携協定)原産判定の記録が適切に管理されているかを見る必要があります。

さらに、申告品質のKPI(重要指標)として、修正申告率、税関での差戻し率、税額の訂正件数などを確認することで、そのフォワーダーの実務能力を測ることができます。

2) 情報セキュリティ・データ管理

情報セキュリティの面では、まずISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)ISO 27001などの認証を取得しているかを確認します。多要素認証や権限分離、ゼロトラスト型の接続方式が採用されているかも重要なポイントです。

データの保管場所についても慎重に確認する必要があります。国内または地域内での保持が可能か、個人情報や設計図面がどのように暗号化されているか、SFTP(安全なファイル転送)や専用ボックスなど安全な受け渡し方法が用意されているかを見ましょう。

また、事故対応のSLA(サービスレベル契約)として、侵害検知から報告までに何時間かかるのか、封じ込めから是正までの手順が明確になっているかも確認が必要です。

3) オペレーション(運用)能力

運用能力の面では、多ルート冗長化が鍵になります。

海上・航空・鉄道・トラックなど複数の輸送手段を持っているか、港や空港の代替候補があり、切り替えにどれくらいの時間がかかるのかを確認しましょう。

スペース確保力も重要で、ピーク時でも輸送スペースを確保できる契約があるか、特定の運送会社に依存せず分散しているかをチェックします。規制変更への対応力として、AMS/ISF/ACI/ICS2(各国の事前申告制度)などの新制度について先行告知や社内教育が行われているかも見るべきポイントです。

さらに、可視化(見える化)の仕組みとして、API(自動連携)やEDI(電子データ交換)による配送状況の通知、トラブル発生時の自動アラートなどが整備されているかを確認します。

4) 契約・ガバナンス(管理体制)

契約面では、まず監査権条項が含まれているかを確認しましょう。年1回、プロセス・DPS・ログを監査できる権利が荷主側に保証されているかが重要です。

NDA(秘密保持契約)については、再委託先にも同等の義務が課されているかを確認します。また、不可抗力・制裁条項として、制裁強化時の履行停止手順や代替案の提示期限が明確になっているかも重要なポイントです。

重大インシデントが発生した場合の罰則・改善計画として、改善目標と期限が設定されているかも確認しておくべきです。

よくある質問(Q&A)

Q. 小さな試作図面を海外に送る場合も申請が必要ですか?

A. 用途・相手・国によっては対象になります。社内申請フォームで起案し、該非判定と客観要件チェックを通してから共有してください。

Q. 退職者の競業避止はどこまで可能ですか?

A. 期間・地域・職務範囲の合理性が重要です。守秘義務を基本に、個別の合意と対価のバランスで設計しましょう。

Q. C事業の共同申請で相手を見つけるのが難しいです。

A. 同業団体・商工会・自治体の産業振興部・地域金融機関と連携し、「工程分担で補完関係にある企業」を中心に組成しましょう。

実務テンプレート(社内通達の例)

  • 海外向けの技術・情報を新たに共有する場合は、事前に「技術提供申請票」を提出し、輸出管理責任者の承認を得ること
  • 重要技術の閲覧権限は「最小限」とし、権限の付与・変更・剥奪の履歴を記録すること
  • 退職時は、貸与物の回収・クラウド権限の剥奪・守秘誓約の取得を必須とする
  • 取引先と重要技術に関するNDAを締結し、年1回の履行レビューを行うこと

まとめ

  • 高市政権下では「安全保障化した貿易実務」が標準になる
  • NDA・該非判定・アクセス管理の「3点セット」から着手
  • 国内回帰はC事業(中小共同3/4補助)で資金効率を最大化
  • 海外分散はDX支援と組み合わせて実証→現地展開
  • 監査に耐える「記録管理」を90日で立ち上げる

参考資料(公式情報)

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