第1回：売れる輸入商品をAIで発掘！

売れる商品の見つけ方（ChatGPT活用法）

輸入ビジネスを始めるとき、最初に悩むのが「何を仕入れるか？」です。よくある失敗は、「海外で目立った商品をとりあえず仕入れたけど、日本では売れなかった」パターンです。

この失敗を防ぐには、「すでに日本で欲しがっている人がいる商品」を見つけることです。つまり、「海外で良いものを探す」のではなく、「日本に足りないもの」「日本の人が不便に感じていること」から出発する考え方が重要です。

この視点がないと、どんなにオシャレで安い商品でも、日本では売れないです。売れる商品は「逆算」で見つけるのがコツです。

売れる商品を見極める視点

「売れる商品」は、流行っているだけのものではありません。毎日の生活で本当に使われて、何度も買いたくなる“実用的な商品”が売れやすいです。

たとえば….

• 「軽い傘がほしい」→ 軽くて丈夫な折りたたみ傘
• 「アレルギー対応のお菓子がない」→ グルテンフリーや乳製品なしのスイーツ
• 「よく使うものは安く買いたい」→ 詰め替え用・大容量パック

こういった例の裏には「ちょっとした困りごと」があります。とくに、本人も気づいていない不便さや、あきらめている悩みに目を向けると「本当に必要とされている商品」が見えてきます。

ChatGPTで実現する”声なきニーズ”の発見術

そんな奥深くの悩みや課題を見つける際、ChatGPTが役立ちます。ChatGPTで適切なプロンプトを使い調査をしていくことで、思わぬ発見があることでしょう。今後の貿易ビジネスは、ChatGPT等のAIをどれだけうまく活用できるのか？にかかっていると予想しています。

ご自身の経験や判断等に依存せず、多角的、大局的な観点で需要調査ができる。これがChatGPTの大きな魅力だと考えます。ぜひ、当記事を含めた5記事で、貿易ビジネスにおけるChatGPT等との活用方法をご紹介していきます。

プロンプトとは？

プロンプトとは、ChatGPTに「何をしてほしいか」を伝えるための指示文です。

たとえば、「日本からベトナムに人気のある商品を教えて」と入力すれば、その内容に合った答えが返ってきます。

このプロンプトの書き方しだいで、返ってくる情報の正確さや使いやすさが大きく変わります。特に、商品ニーズの調査などでは「短く・はっきり・具体的に」書くことが大切です。

ChatGPTが使えない場合の代替手法

ChatGPTを使いこせない場合でも、日本で売れる商品を見つける方法あります。

例えば、

• メルカリやAmazonで「売り切れ商品」だけをチェックし、需要が集中しているジャンルを把握する
• ドラッグストアや100円ショップで「棚がよく空いている商品」を観察する（＝回転が早い）
• 雑誌・テレビ・YouTubeで頻出する商品カテゴリをメモしておき、似た機能で差別化できる輸入品を探す
• ユーザーの「困った」に注目する街頭インタビュー動画などを活用して、“あったら便利”のニーズを抽出する

ChatGPTがなくても、「お客さんの声を聞く」「お店やネットで様子を見る」だけで、十分にニーズを見つけることができます。慣れてきたら、ChatGPTを使えば、もっと早く・正確に調べられるようになります。

事例１．ChatGPTを使い売れる商品を見つける

例えば、あなたが「保存容器」に注目したとします。まず楽天市場で「保存容器」と検索し、売れている順に上位5商品を確認します。レビューをコピーしてChatGPTに読み込ませ、使いやすさ・耐久性・価格などの観点で不満点を抽出します。

1. 楽天市場で「保存容器」のランキング上位5品を確認。
2. レビューをChatGPTに読み込ませ、「耐久性」「密閉性」「耐熱性」などの不満点を抽出。
3. Twitterで「保存容器 ストレス」で投稿検索。
4. ChatGPTに要約・分類させ、「すぐに割れる」「フタが緩い」といった共通課題を発見。
5. 「壊れにくい×密閉性×軽さ」を兼ね備えた仕様案を作成。

そこで、たとえば「耐熱性はあるが電子レンジでの変形が気になる」という声が多数見つかれば、それを解消する商品（例：シリコン製・ガラス製の別素材）を探す方向性が生まれます。

さらに、X（旧Twitter）で「保存容器 ストレス」といったキーワードで投稿を探し、同様にChatGPTで要約させると、「すぐに割れる」「フタが閉まりにくい」などの共通課題が可視化されます。これを基に、「壊れにくい×密閉性が高い×軽い」という3要素を備えた商品を定義できるようになります。

こうした仮説に基づき、次回からは海外の市場や製造者をリサーチして、実際の商品候補を探すフェーズへと進みます。

輸入ビジネスの第一歩は、日本の消費者が「すでに困っていること」を丁寧に拾い上げることです。ChatGPTは、そうした声を整理・要約・構造化するための強力なアシスタントとして機能します。誰でも使えるツールだからこそ、使い方の工夫が差を生みます。

但し、ChatGPTは補助ツールです。効率的に傾向をつかむ手助けになる存在ではあるけれど、絶対的に正しい判断はできないことを覚えておくと良いでしょう。やはり、最終的には、人間の判断や検証が前提となります。

事例２．業界の悩みから始める！ChatGPTで商品需要を調べる方法

実は、輸入のヒントは、あなたの業界内の“困りごと”や“お客様の声”にもあります。

ステップ1：業界の課題を洗い出す

まずは、自社やお客様が抱えている課題を整理しましょう。

例：

「今使っている道具は壊れやすい」

「作業に時間がかかる」

「代替品が見つからない」

「海外では使われているが、日本ではあまり見かけない」

こういった課題が「新しいニーズ」につながることがあります。

ステップ2：ChatGPTに課題をそのまま聞いてみる

次に、ChatGPTに以下のようなプロンプト（指示）を入力します。

例1（作業改善ニーズ）

「工場で使う手動工具の不満を解消できるような、海外製品はありますか？」

例2（代替品ニーズ）

「日本の飲食店で使われていないけど、海外で人気のキッチン用品を教えてください」

例3（市場性の確認）

「中小企業が取り扱いやすい価格帯で、需要が伸びている輸入商品は何ですか？」

こうすることで、ChatGPTが「どんな商品が課題解決につながりそうか」を提案してくれます。

ステップ3：さらに深掘りして市場性を確認する

候補となる商品が見えてきたら、ChatGPTでさらに具体的に聞いてみましょう。

例：

「この商品のターゲット層は誰ですか？」

「この商品はどの国でよく売れていますか？」

「日本市場に導入する場合の注意点は？」

これにより、「自社に合うかどうか」「本当に売れるかどうか」が判断しやすくなります。

ヒントは、すでにご自身が所属する業界内にもあります。それ、当たり前？でも、その”当たり前の不便”が実は、チャンスである可能性があります！

ChatGPT×輸入戦略で使えるプロンプト集

以下は、輸入販売の需要を調査する上で役立つプロンプト集です。

商品レビューからニーズを抽出

以下のAmazonレビューを読み取り、購入者が感じている共通の課題と、理想の状態をそれぞれ3つずつ挙げてください。

<レビュー本文を貼り付け>

SNSから感情と課題を抽出

以下のX（Twitter）投稿を分析し、ユーザーが抱えている課題と、それに関連する感情（ポジティブ・ネガティブ）をそれぞれ3つずつ整理してください。

<投稿内容>

メルカリやフリマアプリの商品一覧から需要を調査

• メルカリで「保存容器」など任意の商品名で検索。
• 売り切れ表示のある商品だけを絞って見る。
• タイトル・価格・状態・回転率の傾向を収集。

以下のメルカリ商品タイトルと価格情報から、売れやすい商品の特徴（価格帯・素材・機能）を3つにまとめてください。

• 耐熱ガラス保存容器 500ml×3個セット 1,500円 売り切れ
• プラスチック軽量容器 2個セット 500円 売り切れ
• 耐熱＋密閉容器 蓋付き 700円 売り切れ

楽天・アマゾンの商品一覧ページを活用

• 「楽天 保存容器 ランキング」で上位5品を確認。
• 各商品のレビューをChatGPTに読み込ませる。
• 指定キーワード：「密閉性」「耐熱性」「重さ」「壊れやすさ」など

以下のレビューから共通して現れる不満点と、それを改善するための商品仕様を提案してください。出力形式は箇条書き。

商品アイデアを逆提案させる

以下の課題を解決するために適した商品アイデアを3つ提案してください。条件：価格帯3,000円以下、日本の家庭向け。

課題：「洗面所の排水口がすぐ詰まる」

ECサイトレビューを分析し、共通ニーズを抽出したいとき

以下のAmazonレビューを読み取り、購入者が感じている共通の課題と、理想の状態をそれぞれ3つずつ挙げてください。簡潔な箇条書きでお願いします。
——
<レビュー本文を貼り付け>
——

SNS投稿から潜在ニーズを発見したいとき（Twitterなど）

以下のSNS投稿を分析し、ユーザーが抱えている課題と、それに関連する感情（ポジティブ・ネガティブ）をそれぞれ3つずつ整理してください。
——
<ツイートの引用または投稿内容>
——

競合商品レビューから差別化のヒントを得たいとき

以下の競合商品のレビューを読み取り、商品の弱点と、それを補うための改善案を3つ提案してください。出力形式：問題点 → 改善案。
——
<レビューまたは商品URLに関する要約>
——

特定のカテゴリで「不満が多い商品」を発掘したいとき

Amazonや楽天で多くのレビューが集まっているが評価が★3以下の商品を、次の条件で3つリストアップしてください。条件：家庭用品、キッチン系、価格帯1,000～3,000円。レビューの傾向も添えてください。

使用時のポイント

• 長文データは100件ずつ程度に分割すると回答精度が安定します。
• 出力形式（箇条書き・表など）を明示することで読みやすい結果が得られます。
• 感情やベネフィットなど、抽象的な要素も補足として指定可能です。

このようにChatGPTを使えば、大量の声を構造化して把握する作業を短時間でこなすことができます。

海外での成功例：ChatGPT活用による事例

アメリカの輸入雑貨事業者は、ChatGPTでAmazonレビューを自動要約させ、“top3 complaints”（最も多い不満）を抽出する仕組みを組み込みました。その結果、レビュー内で頻出するキーワードをもとに、以下のようなヒット商品を生み出しています。

• 通常のバスタオルは「乾きにくい・重い」というレビューが多い → 超速乾マイクロファイバータオルを開発
• フライパンは「焦げつく・重い・取っ手が熱くなる」 → 取っ手取り外し可・軽量・セラミック加工の製品を企画

日本でも同様に、レビューとSNSの声をAIで可視化することで、消費者が明言していない隠れたニーズに対応した商品を作ることが可能です。

その他のChatGPTで海外商品の需要を見つける方法（上級編）

方法1：カスタムGPTを作る

• 役割：日本で売れそうな輸入商品を探すためのマーケティングアドバイザー
• 専門性：日本のEC、メルカリ、Amazon、楽天市場のトレンドを理解
• 入力例：レビュー、SNS投稿、ランキングURL、CSVなど

あなたは、日本市場における輸入商品の販売戦略に詳しいアナリストです。与えられたレビューやSNS情報から「共通する課題」「顧客の本音」を抽出し、売れる商品を企画する支援をします。

出力は以下の形式を守ってください。

1. 共通する不満点（3つ）
2. 理想の仕様や解決方法（3つ）
3. 想定ターゲット層と利用シーン

方法２．ECが提供する情報をChatGPTに連携OR読み込ませる

よくある疑問

なんで「海外で人気の商品」じゃダメなの？

日本では必要とされていないと売れないからです。人気だけでは売れません。

売れる商品はどうやって見つければいいの？

日本の人が「困っていること」や「足りないもの」から考えると見つけやすいです。

ChatGPTって何に使えるの？

レビューやSNSの声をまとめて、みんなが求めていることを整理できます。

ChatGPTを使わなくても調べられるの？

はい。メルカリやドラッグストアを見るだけでも需要は見つかります。

どんな商品が売れやすい？

毎日使う実用品が売れやすいです。たとえば軽い傘や詰め替えパックなど。

ChatGPTの答えは100％正しいの？

いいえ。間違いもあるので、必ず自分で確認しましょう。

商品レビューってどう使えばいいの？

買った人の不満や希望を見つけて、より良い商品づくりに活かせます。

SNSの投稿も役に立つの？

はい。本音や悩みが見えるので、新しいニーズの発見に使えます。

難しそうだけど、初心者でもできる？

はい。まずは売れている商品を見るだけでもOKです。慣れたらChatGPTを使うと便利です。

まとめ（箇条書き）

• 輸入商品は「日本の消費者が求めているもの」から逆算する
• 需要調査はECサイト、SNS、レビューなど複数ソースを活用
• ChatGPTのプロンプトを工夫すれば、要約やニーズ抽出が容易にできる
• レビュー分析＋SNS分析で、具体的な商品仕様（素材・機能）を導き出せる
• ChatGPTには間違いがあることを前提にしましょう！

次の記事＞＞「第2回：海外の人気商品を探す技術」

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