外国に商品を発送するときは「税関告知書」を作成します。税関告知書は、税関に対して「ダンボールの中身」を伝えるための書類です。具体的には「石鹸●●個、鉛筆○○本」など、ダンボールの中に入っている商品をリストにした物です。日本税関や、相手国の税関は、この税関告知書を頼りにして、ダンボールの中身を把握しています。
実は、この税関告知書には「CN22」と「CN23」の二種類があります。両者の使い分けは、ダンボールの中に入れている商品価格の合計がおよそ「5万円を超えるのか?」です。5万円未満のときは「CN22」、以上のときは「CN23」を使います。
そこで、この記事は、5万円未満のときに使う「税関告知書CN22」の書き方をご紹介していきます。
CN22の書き方
海外に商品を送るときは「EMS(国際スピード郵便)」「航空便」「船便」などを使います。このとき、「どのような商品を段ボールに詰めたか?」を表すために「税関告知書」や「インボイス」を使います。それぞれは別の書類です。
CNN22とインボイスの違い
税関告知書の目的は、税関が「どんな貨物が入っているのか?」を確認する書類です。一方、インボイスは「商品価格・商品価値・商品発送の目的」などの情報を伝えるための書類です。国によって、一方だけを要求したり、両方の書類を要求したりします。
- 税関告知書・貨物の中身を知らせる書類
- インボイス・税関告知書で知らせている商品の詳細(価格など)を知らせる書類
- 発送先の国によって、税関告知書だけ~、税関告知書+インボイスなど、ルール様々
下の画像をご覧ください。こちらは、国際スピード郵便(EMS)の伝票です。EMSの場合は、税関告知書を含む書類が一つの伝票にまとまっているため、一番上の面を記入するだけで、下に重なっている書類(税関告知書)を記入できます。そのため、EMSなど用意されている伝票を使って発送するときは、改めて別に税関告知書を用意する必要はありません。
こちらがEMSの伝票です。
税関告知書は、このラベルの四枚目、五枚目です。そのため、一枚目において「どんな商品をどれだか、価格はいくらなのか、住所情報など」を記載するだけで、複写にて税関告知書を作成できます。
税関告知書CN22が必要になる2つの条件とは?
CN22を使う(用意する)条件は以下の二つです。
- 商品の合計価格が「300SDR(約45,600円(2018年現在))」未満であること
- EMSラベルや小包ラベルを使わずに国際発送する場合
商品の合計額が50,000円未満とは?
1万円の眼鏡、5000円の靴、25000円のズボンが一つの段ボールに入っているとします。この場合の「段ボールの商品価格の合計」は、40,000円となり「CN22」の告知書を使います。
この1と2のどちらの条件も満たす場合に、税関告知書のCN22を使用します。
税関告知書・CN22の書き方
CN22の書き方のサンプルをいくつかご紹介します。
- 一般的な書き方
- 商業目的での書き方
- ギフト目的での書き方
1.CN22の一般記載例
下の画像にある1番~4番までに目を通してください。以下に記載内容について説明をします。
1.何の目的で発送するのか?
一般的な方であれば「Gift」を選びます。もし、商用見本であれば、「Commercial sample」の欄にチェックを入れます。
2.商品明細の記載欄
内容品の名称 / 数量 / 重量 / 価格などを右の方向に向かって、一列になるように記載。なお、商品名などは全て「英語」にします。もし、商品名の英語がわからない場合は、内容品英語訳のページを参考にしてください。
3.商用目的の人のみ記載する欄
3番の欄には、商品に対応する「HSコード(品名を6桁~9桁で示した数字)」を記入します。HSコードは、日本関税協会の「ウエブタリフ」を使って調べられます。
関連記事:初めての貿易取引で必要なHSコードと関税(関税率表)の仕組み
4.署名欄に名前を記載
上記の荷物に対して責任を持つ旨の意味として「署名」を行います。このとき、署名した日付も忘れないように記載します。
2.税関告知書CN22記載例(商業目的)
商業用サンプルを送付する場合のCN22の記載例です。「SAMPLE, NO COMMERCIAL VALUE FOR CUSTOMS PURPOSE ONLY」を記載するようにします。また、商業用貨物を送る場合は、商品の「HSコード(6506.10)など」を記入します。また原産国が分かる場合は、併記します。
3.税関告知書CN22・一般ギフト扱いの記載例
ギフト(贈り物)として発送するときの記載例です。価格の欄には、貨物本来の価格を記載します。よく「N.C.V」などと表記する人がいますが、おススメはできません。N.C.Vと書くと、現地の税関が怪しむため、現地の輸入通関に時間がかかる可能性が高くなります。また、保険金の請求のときにも不都合が生まれます。
一言でいえば「発送した荷物が壊れていたら弁償してほしい!」と訴えるときも、こちらに記載した価格が保険求償の基準価格になるからです。そのため、税関告知書には、相手に無料でプレゼントする場合であっても、貨物本来の価格を書くことが望ましいと言われています。
税関告知書の裏側
税関告知書(CN22)でよくある疑問
税関告知書CN22は、どこでもらえるの?
CN22は、郵便局の窓口でもらえます。ただし、田舎の郵便局になると、CN22の存在を知らない局員も多いです。窓口では「薄緑のCN22をください」と伝えます。CN23もあるためご注意します。
CN22は、インターネット上でダウンロードできる?
自作でCN22を作成できます。詳しくは、日本郵便のこちらの資料をご覧下さい。
ダンボールはどこでももらえるの?
ダンボールは、ご自身で用意します。または、ホームセンターや100円均一等でも販売されています。お好きなダンボールにCN22のラベルを貼り付けて利用します。
内容品が多くて書ききれない! どうすればいい?
送る物が多くてCN22に書ききれないときは、別に「税関告知書補助用紙」を使います。具体的には、CN22の商品説明欄に「See the attached document」などと表記をした上で、別に用意する税関告知書補助の方に商品リストを記入していきます。
CN22は、どこに貼るの?
特に決まりはありません。日本国内で荷物を発送するときと同じように貼り付ければ良いです。このようにペロッとめくることができます。めくったものを外箱に貼り付けます。
もし、インボイスや税関告知書補助も添付するときは、郵便局などで無料でもらえる以下のような袋の中に入れて一緒に貼り付ければOKです。
まとめ
今回は、税関告知書CN22の記載方法を説明しました。税関告知書は、貨物の中身が何であるかを示す重要な書類です。この書類をしっかりと作っていないと、無駄に「商品を開封されたりする可能性」があります。スムーズに貨物を発送できるように、税関告知書の必要条件を満たしている場合には、必ず用意することが大切です。
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