中国の次に偽物商品が多いのがタイでしょう。本物と見間違う品もかなりあるタイの偽物商品に迫ります。
タイの偽物
ブランド品の偽物が多く、摘発してもまた戻ってくる。
豊富なアパレルや雑貨、古着も圧倒的な数量を誇る魅力的なバンコクの市場ですが、実は負の部分も大いにあります。偽物商品が多いのです。かなり昔から出回っており、昨今はスマートフォンのアクセサリー類の偽物も増えています。警察がいくら摘発しても、しばらくするとまた別の偽物が出てくる状態が続いています。
なぜこんなにも偽物が多いのか?それは有名ブランドへの憧れが強く、売れるからです。その裏には自分たちのオリジナル商品に魅力がないとも言えます。水着やサプリ類ではタイも有名になってきていますが、タイのオリジナルブランドは有名ブランドの偽物にはまだまだ勝てません。
いろんな市場や屋台などに偽物があふれている。
偽物商品は、バンコクのいろんな場所に出回っています。タイに来たことがある人なら知っているかもしれませんが、サイアムのMBKが一番有名です。さらにはチャトチャック市場、クロントーイ市場、パッポンナイトマーケット、ナナ周辺の屋台、プラトゥーナムのファッションビルや屋台、ロンクルア市場にもかなりの偽物が出回っています。また国立競技場周辺の一角にはサッカーユニフォームの偽物店が数多く集まっています。その他タイのローカルモール(デパート)でも売られていたりします。
ただし、エンポリアムやサイアムの高級百貨店には間違っても偽物はありません。こんな場所にも偽物があったら、ヴィトンなどの海外の高級ブランドは決して出店しないでしょう。そこはご安心ください。まあ、どこかの市場を歩けば偽物を必ず目にします。
あんなこんな商品まで偽物が出回っている。
一番多い偽物はアパレルです。NIKEやadidasなどのTシャツを始め、ポロの長袖シャツ、リーバイスのジーンズ、シューズ、バッグ、帽子、靴下、下着、まだまだあります。最近は減りましたが、シャネルの香水はどの市場でも見かけました。また繫華街の屋台では、ロレックスの腕時計、●力剤の偽物も出回っています。知人曰く“命にかかわるら絶対飲むな”と忠告されました。
最近もっともホットな偽物は、スマートフォンのアクセサリー類です。スマホケースが断然多く、イヤフォンやヘッドホン、パソコンケースなども増えています。困ったことに、これが売れるんです!中華街周辺には、スマホ専用の偽物販売店がかなり点在しています。中国へも買い付けで訪れている知人のバイヤー曰く“中国の偽物の量は凄いけど、タイも年々凄くなっている”と驚いていました。タイにはさすがにiPhoneの偽物はありませんが、近い将来、出てくるのではとも言われています。出て来ても不思議ではないでしょう。
困ったことに、年々質が上がっている
質に関して言えばピンキリです。一目見て“ああ、偽物か”と思う一方で、“これが偽物?”と驚くようなモノもあります。
一番衝撃だったのはロレックスです。市場や店内で売られているグレードはAとBです。Bはちょっと観察すれば偽物とわかります。Aは見た目は本物ですが、文字盤や針の動き、仕上げの汚さを見るとわかります。Bで500B、Aで2,000B。あれはパッポンの夜の屋台でした。買わずに立ち去ろうとすると、“待ってくれ。一番のモノを持って来る”と言われ10分程待ちました。持ってきたロレックスに驚きました。
本物と同じ箱入りで英語の保証書付き。“噓だろ?これが偽物?”と思えるほどの逸品でした。これが1万B。欲しくなったら、ここに電話してくれと名刺をもらいました。
もう一つ“凄いわ”と思えるのがサッカーユニフォームです。昔は作りがチープなので一目でわかりましたが、年々質がアップしており、今では手にとってじっくり生地やタグ、補整を見ないとわからなくなってきています。出来栄えに感心する一方で、こういうエネルギーをもっと他のことに使ってほしいものだと思えてなりません。
商品を見なくてもわかる。これが一番の見分けるコツ。
偽物かどうかは、商品によって見分けられるorられないと思います。質がアップしているので、かなり細かく見ないとわかりません。ただし、見分ける簡単なコツがあるのです。
“屋台や市場などで売っている有名ブランドの新商品は、ほぼ100%偽物です”
これはぜひ知っておいてもらいたいです。タイに初めて来た人が市場の有名ブランド品を見ると、だいたい2つのケースに分かれます。
A「タイでは、こんな所でもNIKEのスニーカーが売られているんだ。しかも安い」
B 「なんでこんな屋台にヴィトンのバッグが山のようにあるんだ?なにこの安さ、偽物じゃない?」
初めての異国に来て、屋台でシャネルの香水を見て価格を聞いたらたまげる程安い。商品について質問したら店主は“オリジナル”としか言わず、肝心の商品知識がない。他にもヴィトンのバッグなどを売っている。それでも“タイはこうなんだ”と思うAの人はある程度いるのではないでしょうか?
しかし、先程のコツを知っていれば簡単です。“匂いが薄い”とかそんな細かいことよりも、質が年々進化しても、こんな屋台で高級ブランド品が売られているわけがない!
古着にも偽物が混ざっているので、見分けるのはかなり至難。
ほとんどの偽物は新商品ですが、古着にも混ざっていたりします。これは見分けるのが大変やっかいです。チャトチャック市場にある古着、Tシャツやサッカーユニ、ジーンズ、スニーカーなどには偽物も混ざっています。商品に関しての知識があれば助けにもなりますが、ない場合はほとんど無理です。
現在、タイでかなり出回っている偽物のスニーカーはVANSスリッポンチェッカーボード。見た目ではわからないと思いますが、知識があればどこをチェックすれば偽物かどうかわかるでしょう。あるシューズ店で“そんなにじっくり見ないで、それ偽物。こっちが本物だよ”と店主に言われました。
バイヤー仕事の歩き用に欲しかったので偽物でも良かったのですが、本物とどこが違うのか作りに感心しながら見ていました。本物は履き古されたものが多く、偽物はきれいなものが多かったのは苦笑いです。サッカーユニにもかなり偽物が混ざっていて見分けるのに苦労します。古着にまで偽物が入り込むと、もう笑うしかないですね。
偽物を日本へ持ち込むとどうなるか?
タイで偽物の腕時計1個を買い、日本へ持ち込んだ。罪になるか?それが個人使用orお土産として無償で知人に渡す場合は罪にはなりません。しかし第3者へ「販売」として渡った場合は罪に問われます。個人用でも何度も繰り返し購入していると、販売していると見なされ、見つかった場合は没収され罪に問われます。
一度自分用に偽物を買い、その後何度もタイから発送していた人がいました。“やめた方がいい”と知人のバイヤーは何度も忠告したのですが、一度味をしめたのが間違いだったようです。大量のサッカーユニを没収されたと噂で聞きました。一度でも没収されると税関のブラックリストに載り、次回からはチェックが厳しくなります。持ち込みは絶対にダメです。
買うのは恥ずかしい意識が芽生えている。
以前は偽物シューズでも自慢気に履いていたタイ人の知人たちは、今ではすっかり偽物を買うのをやめました。“やっぱり恥ずかしい”。タイ人は見栄っ張りです。人よりいいモノを着たい。それが偽物でも高級ブランドならいい。そんな人が、それなりに金を稼ぎ出すといつまでも偽物を身にまとうのが恥ずかしくてなってくるのでしょう。そういう意識を持つ人が一人でも増えていってくれればと思います。そうは言っても、まだまだ偽物を買う人が多いのが現状です。
まとめ
- タイは、中国の次に偽物商品が多い。摘発しても、また戻ってくる繰り返し。
- アパレル品がもっとも多いが、スマホ関係の偽物がかなり増えて来ている。
- 見分けなくていい。市場や屋台にある有名ブランド品は、ほとんどが偽物。
- 古着にまで偽物が混ざっているので、これはもうお手上げ状態。
- 日本への持ち込みは禁止。見つかったら罪になり、税関のブラックリストに載る。