取引先から「JANコードを取得してほしい」と言われた。一体、何のことだと話を聞いてみると、商品についている「バーコード」を取得することだとわかった。商品を確認してみると、すべて大きな会社の製品ばかりです。となると「JANコードは、大きな企業でないと取れないのではないか?」と感じてきますね。
しかし、取引先からは、このJANコードが求められています。さて、どうしようか…
そこでこの記事では、JANコードの目的、輸入販売との関係、取得できる人、インターネットによる登録方法などをご紹介していきます。JANコードの取得は、会社、個人事業主、個人を問わず、だれでも簡単に取得できます。もし、商品にJANコードを設定できれば、より多くの販路を築きやすくできることは間違いないです。
JANコードを利用する方法
JANコードとは?
商品のパッケージには、下記のバーコードがついています。バーコードが付いた商品をレジに持っていくと、店員の方がバーコード部分を読み取り、商品名や価格情報などを引き出します。これが「POSシステム」です。これにより、瞬時に「どんな商品が売れたのか?」「それがいつ売れたのか?」などの情報が記録できます。このバーコードのことを「JANコード」と言います。
JANコードを登録するメリット
JANコードを登録するメリットは、商品の受発注の管理、在庫管理、棚卸が楽になる点にあります。もちろん、JANコードは任意です。JANコードを取らずに商品を販売しても問題はないです。但し、大手流通店に輸入商品を卸す際に、このJANコードを求められることが多いです。
バーコードは2種類あり!
バーコードは、13桁と8桁の2種類があります。一般的な物は13桁であり、商品の大きさなどの都合により8桁を採用することもあります。下の数字をご覧ください。
赤い数字、青い数字、緑色の数字に分かれています。それぞれには、以下の役割があります。
- 赤文字:GS1事業者コード
- 青文字:商品コード
- チェックデジット
GS1事業者コード
自社の商品にバーコードを付けるためには、2つの条件を満たさなければいけません。
- その商品のブランドを持つ会社であること
- 一般財団法人 流通システム開発センター へ事業者登録をすること
1.その商品のブランドを持つとは?
商品にバーコードを付けられるのは、つけようとする商品のブランドを所有している人(会社・個人など)です。人が持っているブランドの登録はできません。
例えば、私が大好きなカルビーさんのポテトチップス。この商品について「自社のJANコードを設定できるのか?」ということです。もちろん、これはカルビーさんが所有しているブランドであるため、他者がJANコードを取得できません。
では、どのような場合にJANコードの取得ができるのでしょうか? JANコードを取得できるパターンは、次のようなケースです。
この場合、確かに他社の生地を使っているわけですが、自社で販売する時点においては、明らかに形が変わっています。まさに、このようなときに、商品に対するJANコードをつけられます。要は、JANコードを設定できるのは「商品を製作した人・独自の加工を施した人・製造を委託している人」だけです。
2.流通システム開発センター へ事業者登録をすること
JANコードは「一般財団法人 流通システム開発センター 」が一元的に管理しています。もし、自社の商品についてJANコードを取得するときは、ま流通システム開発センターから「事業者コード」を貸し出してもらいます。
もう一度、以下の図をご覧ください。この中にある赤文字部分(先頭から9桁部分)が、流通システム開発センターから貸し出された「事業者コード」です。
事業者は、この貸し出された事業者コードの下に「001~999」までのアイテムコードを割り当てていきます。このアイテムコードが上の青文字部分です。上記の事業者の場合であれば、以下の通りです。
「4903015520012」から順番に初めて、002、003、004といき、最後のアイテムコードは「4903015529992」です。999以上のアイテムコードを作りたいときは、別途追加の申請をします。そして、最後の「2」の部分は、チェックデジットと言われる部分で、バーコードが誤って読み込まれないための数字です。チェックデジットは、こちらのページで計算します。
JANコードは、個人でも取れるの?
JANコードは、法人・個人問わず、自由に取得できます。ただし、JANコードを設定できる点は、ブランド所有者に限られています。
JANを取得できる人は、商品のブランド所有者
JANコードは「商品のブランドを所有している人」のみが取得できます。
例えば、Aさんが製造した「商品B」をCさんが販売するとします。このとき、Cさんは、商品BのJANコードを取得できません。なぜなら、商品自体のブランドを所有しているAが、JANコードを取得できる唯一の人だからです。もし、Cさんが商品BのJANコードを勝手に登録してしまうと、Aさんは困ってしまいますよね? それを防ぐために、JANコードは、商品のブランドを所有する人だけが登録できるとされています。
では、JANコードを取得するときは、どのようなステップを踏めばいいのでしょうか?
JANを取得する流れ
JANコードを取るためには、最初に「一般財団法人 流通システム開発センター」で事業者コードを取ります。下の図でいうと、事業者コードに当たる部分がバーコードの先頭から9桁の緑色部分です。システム開発センターへの登録が完了すると、この緑色部分のコードが貸与されます。事業者は、与えられたコードの後ろ3桁(0~999・下の図でいうと270の部分)の数字を使って、自社の商品のコードを割り当てていきます。
事業者コードを取得する2つの方法
事業者コードは、最寄りの商工会議所から行う方法と、インターネット上から行う方法の2つがあります。インターネットでの手続きの方が何かと早いため、なるべくネット上から手続きすることをお勧めします。この記事ではネット上からの手続き方法をご紹介していきます。
インターネットでJANコード(事業者コード)を取得する手順
インターネットからのJANコードの申請方法をご紹介していきます。なお、全体の流れとしては、次の通りです。
- 流通システム開発センターへ「事業者コード」取得申請
- 流通システムセンターへ入金
- 何も問題がなければ約1週間でコードが到着
- 以降は、貸与されたコードにの後ろに3桁の数字を割り当てる
1.事業者コードの取得申請
まずは、流通システム開発センターの新規登録ページへ進みます。赤枠にチェックを入れて進んでください。
メールアドレスを入力します。上と下で同じ物を入れてください。また、下にある「ぶべいたず」というのは、ロボットによるイタズラ登録を防ぐ仕組みです。そのすぐ下にある空欄の中へ同じ文字列を入力してください。その後、「メールアドレスを登録する」ボタンを押します。
この画面が出たら送信完了です。登録したメールアドレスの受信ボックスを確認してください。もし、数分経っても見つからない場合は、入力間違いか、迷惑メールフォルダに誤って振り分けられてしまっている可能性があります。そのあたりをチェックしてみてください。
受信ボックスを確認すると、以下のメールが届いているはずです。メール本文にある認証リンクをクリックしましょう。これでメールアドレスの登録は完了です。
上記で説明をしたメール中にある認証リンクをクリックすると、再度登録画面に移動します。以下のようなチェックボックスが5つほどありますので、すべてチェックしてください。
次の画面に進みます。この画面の中では、特に赤枠部分の入力が意外に難しくて、はじかれてしまう方が多いはずです。ここで入力できる文字は「全角」が絶対条件です。基本的に日本語の会社名であればさほど問題にはなりませんが、英語名などが入っていると厄介です。
例えば、当サイトのHUNADEという文字を入力する場合は「HUNADE」はOKです。しかし「HUNADE」ではNGです。法人種別(株)の部分を含めて、すべて全角であるのかを確認してください。一文字でも半角が混じっていると、いつまでもエラー表示が出てしまいます。特に私が登録した場合は、自動で入力される「(株)」が半角だったというオチがありました。
緑枠の法人番号は、こちらのサイトで調べられます。
この画面では、特に困る点はないはずです。画面通りに入力してください。
赤枠の部分に入力する年商は、決算時点の金額を入力します。もし、まだ決算を迎えていない場合は、0万円と入力します。ここでの数値によって事業者コードの貸与料金が変わります。
この画面も特に問題はありません。必須となっている部分だけを入力すればいいです。
最終確認画面です。入力内容が正しいかどうかをご確認ください。良ければ、下にある次へ進むをクリックして終了です。
2.流通システム開発センターへ入金
登録が完了すると、最後の画面で入金に関する案内画面が出てきます。ここで表示されている振込先へ入金をするようにしてください。入金確認が取れ次第、コード発行の手続きに入っていくため、なるべく早く行うようにしましょう!
3.事業者コードの到着
以下のような封筒が送られてきます。二枚目にある赤枠の部分が貸与された事業者コードです。
まとめ
自社の商品の販売を拡大するときに必ず要求されるのが「JANコード」です。突然、取引先の方から「JANコードを取得してほしい」と言われることがよくあります。JANコードの登録には、どんなに早くてもおよそ1週間ほどの期間が必要です。もし、今よりも多く販売していきたいとの考えがあるなら、最初からJANコードを取得されることをお勧めします。費用としても3年間でおよそ10,000円ほどですから、そこまで気になる額でもありません。
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