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インコタームズ・CFR 輸出者が船賃を負担!関税・海上保険

 

 

CFRは、売主が輸出国から輸入港までの運賃を負担する条件です。このCFRから、運送費用の負担分を除いたものが「FOB」、CFRに海上保険を加えたものが「CIF」です。これらの違いは、危険負担の移転時期、付保する保険の有無です。この記事では、CFRの概要をご紹介していきます。

 

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CFR(運賃込み条件)の定義

CFRは、売り手が輸出先国の輸送料金を支払います。但し、危険負担は、輸出元国の本船の甲板上で切り替わる為、注意が必要です。このCFRの条件に保険を加えた物がCIFです。なお、CIFは海上輸送限定の条件であることにも留意します。

CFR インコタームズ2020

CFRの危険負担と費用負担

CFRの危険負担と費用負担の切り替え時期、売り手と買い手の負担範囲は、次の通りです。以下に示す売り手と買い手の「色」で確認をしてください。

危険負担分岐点本船に貨物を載せたとき
費用負担分岐点輸入国側のターミナル
輸出国内輸送費
輸出通関費用
その他、輸出関連費
海上保険
海上運賃
輸入通関
輸入国側の関税・消費税
輸入国の国内費用
契約手続き輸送や海上保険など輸送:売り手 海上保険:買い手

CFRの特徴

  1. 危険負担の切り替え時期は、輸出国の本船に貨物を積載した時
  2. 売り手は、輸入国までの運送費を負担する。
  3. 危険負担と費用負担の切り替えポイントが違う。

実務使用例

例えば、あなたが東京の会社であり、東京の港まで付けた場合の輸入価格を知りたいときは「CFR TOKYO CONTAINER TERMINAL」などと希望を伝えます。この希望を受け取った輸出者は「○○港~東京港までの運送費用を含めた価格」を提示してくれます。

  • 輸入者:「東京港までのCFRでの価格をよろしく!」
  • 輸出者:「CFR TOKYO ○○ドルです」

では、このCFRを危険負担と、費用負担の2つの部分から考えてみましょう!

CFRの危険負担、費用負担、通関費

  1. 危険負担
  2. 費用負担
  3. 通関費用
  4. 関税
  5. 海上保険代金

1.危険負担のタイミング

CFRの危険負担が切り替わるタイミングは、輸出国に停泊している本船(買主指定の船)に物品を置いたときです。これ以降で発生するすべての損害は、輸入者の責任です。(輸出国における輸出通関は、売り手である輸出者が担当します。)

2.費用負担

CFRの費用分担は、輸出者と輸入者で次の通りです。売り手は、輸出先国から輸入国前の輸送費を負担します。

  • 輸出者:輸出国から輸入港までの輸送費及び、輸入港での荷下ろし費用
  • 輸入者:輸入通関から先のすべての費用。追加でかかる費用もあり!

詳細:海上運賃の内訳

■CFRの危険負担と費用負担

  • 危険負担・輸出国側に停泊する輸入者指定の本船に荷物を置いたとき
  • 費用負担・輸出者が輸入港到着&荷下ろしまでの輸送関連費を負担する

3.通関費用

通関費用には、輸出国側の通関と、輸入国側の2つがあります。CFRでは、輸出側通関を輸出者、輸入者側の通関を輸入者が費用を負担します。

4.関税

輸入側の関税は、輸入者が支払います。もし、輸入国側で発生する関税等の負担を輸出者側に求めるなら「DDP」を検討します。

5.CFRの海上保険

CFRでは、海上保険は含まれていません。もし、あなたが輸入者であり、海上保険を希望するときは、輸出者側に別途で保険をつけてもらうか、日本側で輸出国~最終納品地まで補償をしてくれる海上保険に入ります。これにより、海上輸送途中での貨物ダメージ(損傷、滅失など)が補償されます。

では、仮に、CFRを結んだ上で海上保険に加入するときは、海上保険料金は、どのように計算すればいいのでしょうか?

海上保険料の計算

CFRにおける海上保険料は、以下の計算式で求められます。この内、保険料指数は、各保険会社が独自に設定しています。

  • どこのルートへ物を運ぶのか?
  • ルート上で戦争などが起きていないか?

などの様々な要因によって決まります。=危険なほど、海上保険代金は高くなります。

保険料=CFR金額×保険料指数

その他、CFRの注意点

CFRを援用する場合は、輸出国側の「積み出し港」と輸入国側の「仕向け港」を売買契約書などに記載すると良いです。

他の貿易条件との比較例

CFRとCIFとの比較
項目CFRCIF
危険負担本船の甲板上左記に同じ
費用負担売り手が輸出先の港まで輸送費用を支払う。左記に同じ。かつ、海上保険代金を支払う。
保険付保義務なし付保義務あり
CFRとFOBとの比較
項目CFRFOB
危険負担本船の甲板上左記に同じ
費用負担売り手が輸出先の港まで輸送費用を支払う。売り手は、輸出国の本船甲板に積載する迄の費用を負担する。
保険付保義務なし付保義務なし

上記以外の比較は、インコタームズの比較まとめをご覧ください。

まとめ

CFRは、輸出者が輸出港から輸入港までの船賃を負担する条件です。ただし、FOBと同様、危険負担は輸出国側で切り替わります。また、CFRに海上保険を付保する場合は、CIFをおすすめします。

CFRに+海上保険を付保する形にしたければ、次の内、いずれかを選びます。

  1. 輸出者に頼んで、輸入者の費用負担で保険に加入してもらう。
  2. 輸入者自らが日本の海上保険会社と契約する

【図解!インコタームズ入門】どんな条件で貿易をする?

 

 

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