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【HUNADE】輸出入と国際輸送ガイド 学習コース

第1回|中国輸送、CIF任せのままでいいですか?

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いまだにCIFのままで大丈夫ですか?

あなたは現在、中国から商品を輸入する際、「CIF契約(Cost, Insurance and Freight)」で輸送していませんか?

「売り手が輸送までやってくれるなら、手間が省けて助かる」と思うかもしれません。

しかし、CIFのままでは、輸送スケジュールの不透明性、見えないコスト、トラブル発生時の責任の所在不明確さなど、荷主側にとってさまざまなリスクがあります。特に、中国輸送においては現地の輸送事情や通関のクセなども影響しやすく、売り手主導で進むことで本来知るべき情報が見えにくくなります。

インコタームズとは?

国際取引においては、売り手と買い手の「費用負担」「リスク移転」の範囲を明確にするために「インコタームズ(国際商業会議所が定める貿易取引条件)」が使われます。代表的なものにCIF、FOB、EXWなどがあります。

【図解!インコタームズ入門・2020年版】貿易条件とは?

CIF契約で実際にあったトラブル

中国から冬物衣料を輸入していたあるアパレル事業者の例

CIF契約で混載便を手配していました。しかし、現地での集荷が遅れ、本船のスケジュールに間に合わず、日本への到着が3週間も遅れてしまいました。シーズンの売り時を逃して、売れ残りの在庫を多く抱えることになったそうです。売り手が手配するフォワーダーは、どうしてもコスト優先で選ばれるため、納期や品質まで気が回らないことがあります。

機械部品業者の例

別の企業では、CIF契約で輸入した機械部品が破損して届いたものの、保険が売り手契約だったため、補償の確認や請求手続きに時間がかかりました。結果として、損害の一部は荷主が自己負担することになりました。

こうした事例は「輸送や保険を売り手任せにするCIF契約」の弱点をよく表しています。荷主側が輸送の主導権を持たないと、いざというときの対応が後手に回ってしまうリスクがあります。

中国からビール醸造設備を輸入した計画でのトラブル例

ある飲食業者が、中国からビール醸造機一式を輸入する際、設置までを含む「DAP(Delivered at Place)」条件で契約しました。契約上は、日本国内の設置場所まで輸送・設置される内容でしたが、実際に貨物が日本に到着したあと、中国側の売り手から「港までは運んだが、その先の配送や設置は分からないから自分で手配してくれ」と連絡が入りました。

売り手にとっては「日本国内の物流」は未知の領域であり、現地事情を理解せずに安易にD系条件を提示しているケースがあることが分かります。インコタームズの内容を売り手が十分に理解しておらず、実行責任を果たせない例も少なくありません。

このように「送料込み」や「設置まで込み」といった一見親切な契約でも、実態は曖昧なまま進められていることがあります。輸送契約を結ぶ際には、「本当に相手がその範囲まで対応できるのか」を冷静に見極めることが重要です。

CIF契約のメリットとデメリット

CIF契約には「売り手が輸送と保険をまとめて手配してくれる」という便利さがあります。買い手は手間がかからず、料金も一括で分かりやすいため、初めての輸入や小口の取引では使いやすい方法です。

一方で、輸送ルートや保険の内容はすべて売り手が決めるため、買い手には詳細が見えづらくなります。トラブルが起きたときに、誰がどこまで対応するのかも分かりにくく、補償が十分に受けられないケースもあります。

「楽だけど、後から困ることがある」──それがCIF契約の特徴です。

輸送の主導権を買い手が持つとは?

CIF契約だと、輸送は売り手側が手配します。そのため、どの船会社を使うか、いつ出港するか、どんな保険が付いているかなど、買い手にはわからないことが多くなります。

こうしたリスクを避けるには、FOBやEXWという契約方法に切り替えるのが効果的です。FOBなら船に積み込むところから先は買い手が管理でき、EXWなら売り手の工場からすべて買い手側で手配できます。

このように輸送の流れを自社で管理できるようになると、使う船会社や通関、保険の内容まで事前に把握できるようになります。トラブルにもすばやく対応でき、納期やコストの見通しが立てやすくなります。結果として、サプライチェーン全体が安定しやすくなるのです。

貨物の特性と契約形態の関係性

契約形態の選定には、貨物の特性も重要な判断材料になります。

  • アパレル製品:軽量・かさばる=LCLやフェリー向き。短納期なら航空便。
  • 家電製品:高価・精密=FCL推奨。湿度や衝撃に配慮した梱包が必要。
  • 自動車部品:重量・長尺対応=FCLや特殊コンテナ。木箱梱包や防湿処理も必要。

こうした品目ごとの特徴を踏まえて、輸送設計と契約形態を一体で検討する必要があります。

FOBやEXWに切り替えるときの注意点とアドバイス

FOBやEXWに切り替えれば、輸送の管理を買い手側でできるようになります。ただし、その分、現地での集荷や通関の知識が必要です。だからこそ、中国側の事情をよく知っているフォワーダーとの連携が大切です。

仕入れ先に「FOBで見積もってほしい」と伝えるときは、「コストを下げたいから」ではなく、「納期や品質をきちんと管理したい」と伝える方がスムーズに交渉が進みやすくなります。長く取引している相手なら、応じてくれる可能性も高いです。

CIFからFOB/EXWに切り替えるステップ

まずは、仕入れ先に「FOBやEXWでの見積もりを出してほしい」と頼むことから始めましょう。これまでCIFだったとしても、話し合い次第で切り替えられることはよくあります。

その後、自社で使うフォワーダーを選ぶ必要があります。ここで大事なのは、単に料金が安いかどうかではなく「通関や現地対応に強いか」「自社の貨物に合った提案ができるか」などを見極めることです。

さらに、納期を逆算したスケジュール管理や、保険の確認、現地での検品対応など、輸送全体を自社で把握して動かせるような体制を作ることが、成功へのカギになります。

最適化の本質は「見える化」と「選べる自由」

国際輸送の現場では、コストだけでなく、情報の精度やタイミングが事業の成果を大きく左右します。CIF契約は一見便利に見えますが、その裏には荷主にとっての“見えない負担”が多く存在します。だからこそ今、自社主導の輸送体制への見直しが求められているのです。

次の記事「中国輸送の“価格の正体”を分解する

 

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