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シッピングインストラクション(S/I)の重要性と作成ガイド

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国際貿易において、正確でスムーズな輸送を実現するために欠かせない書類の一つが「シッピングインストラクション(S/I)」です。これは、船会社がB/L(船荷証券)やWaybill(貨物運送状)を作成するための指示書として使用します。

本記事では、S/Iの基本情報や記載項目、作成方法、注意点について解説します。

シッピングインストラクション(S/I)の重要性と役割

シッピングインストラクション(Shipping Instruction、S/I)は、日本語で「船積依頼書」または「船積指示書」とも呼ばれる書類です。

  • 輸出者が船会社やフォワーダーに対して作成する
  • 貨物の輸送方法や輸送先、運賃支払い方法などが記載されている。
  • B/LやWaybillなどを発行する際の基の情報となる。

つまり、非常に重要な書類です。特に貿易取引の決済に銀行が入る「L/C決済(信用状取引)」をするときは要注意です。

信用状取引では、L/C(Letter of Credit)の条件に一致した情報を記載することが求められます。S/Iの誤記載によってB/Lの内容に相違が生じると、輸入者が銀行から代金を回収できなくなる可能性があります。

関連情報:信用状(L/C)の具体的な項目と番号

L/Cの主要な項目と番号には以下があります

    • 40A:信用状の種類(例:IRREVOCABLE)
    • 20:信用状番号
    • 31C:発行日(DD-MM-YY形式)
    • 40E:適用規則(例:UCP LATEST VERSION)

これらの項目は、すべての買取書類に正確に記載する必要があります。特に信用状番号と発行日は最も重要な情報であり、間違いがあってはなりません

関連情報:S/Iとケースマークの関係

S/Iの重要な要素の一つに荷印(ケースマーク)があります。荷印は貨物の外装に記される記号や番号で、以下の目的で使用されます

    • 貨物の内容を外から判断できるようにする
    • 貨物の仕分けを容易にする
    • 取扱いの注意事項を明示する
    • 重量や容積を表示する
    • 耐水性のインクの使用や、二面以上へ記載します!

輸出梱包のマーキング:ケアマークからシッピングマークまで

S/Iの主要記載項目

S/Iには、輸送に関するさまざまな情報が記載されます。主な記載項目は以下のとおりです。


 
  • 荷送人(Shipper):貨物を輸出する企業や個人の名称と住所
  • 荷受人(Consignee):輸入先の企業や個人の名称と住所
  • 着荷通知先(Notify Party):貨物の到着を通知する相手(荷受人と異なる場合もある)
  • 船会社または航空会社名:貨物を輸送する会社の名称
  • 船名または航空便名:使用する船舶または航空便の情報
  • 船積港(Port of Loading)と荷揚げ港(Port of Discharge):貨物の積み込み港と到着港
  • 商品明細(品目名、数量、重量、荷印、梱包状態など):輸送する商品の詳細情報
  • 運賃支払い方法(Prepaid/Collect):運賃の支払い条件(輸出者負担か輸入者負担か)
  • その他特記事項:温度管理が必要な貨物の取り扱い方法や特別な指示

これらの情報を正確に記載することで、スムーズな輸送と貿易手続きが可能になります。

S/Iのフォーマットと作成方法

S/Iには標準的なフォーマットは存在しませんが、多くの場合、船会社やフォワーダーが指定するフォーマットを使用して作成します。輸出者が自ら作成することもありますが、多くのケースではフォワーダーが作成を支援します。

S/I作成時の注意点

S/Iを作成する際には、以下の点に注意が必要です。

  • 信用状取引の場合、L/C条件と完全に一致するようにする
  • 荷受人と着荷通知先を正確に記載し、誤配送を防ぐ
  • 運賃支払い方法(Prepaid/Collect)を明確にし、費用負担の誤解を避ける

S/IとInvoice、B/Lの違い

それぞれ異なる役割があります。

  • S/I(シッピングインストラクション):船会社がB/Lを作成するための指示書
  • Invoice(インボイス):商品明細や価格を記載した書類で、取引の基本情報
  • B/L(船荷証券):貨物の受領証であり、貨物の所有権を示す重要な書類

輸出書類の一式と作成の時短テクニック:B/L・インボイス・パッキングリスト

関連情報:最近の傾向

貿易書類の電子化が進んでおり、紙のドックレシートからACL(Automated Cargo List)データ送信への移行が進んでいます。これにより、輸送情報の伝達が迅速化し、書類の紛失リスクが軽減されています。

電子化により、S/Iの作成や送信がより効率的になり、人為的ミスも減少する傾向にあります。ただし、電子化が進んでも、記載内容の正確性と信用状条件との一致は依然として重要です。

これらの追加情報により、S/Iに関する理解がより深まり、実務に即した知識を得ることができます。

まとめ

  • S/Iは船会社がB/Lを作成するための指示書であり、貿易実務において重要な役割を果たす
  • S/Iには輸送に関する詳細な情報を正確に記載し、輸出者、フォワーダー、船会社間の円滑なコミュニケーションを図る
  • 信用状取引ではL/C条件との一致が求められ、誤記載によるリスクを回避する必要がある
  • 最近では貿易書類の電子化が進み、S/Iのデータ送信が一般的になりつつある
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