一般税率と簡易税率の違い。少額輸入するときに知るべきポイント

関税 関税率と関税割当
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外国の商品を輸入するときは、商品に応じた関税を支払います。関税には、一般税率(いっぱんぜいりつ)と、簡易税率(かんいぜいりつ)の2種類があります。どちらの税率を適用するのかは、運送方法、輸入合計金額、個人的な希望によって異なります。簡易税率や一般税率には、それぞれの特徴があるため、これをしっかりと把握することがポイントです。

そこでこの記事では、少額輸入貨物の簡易税率と一般税率の違い、特徴について詳しく説明していきます。ちなみに、簡易税率は「少額輸入貨物」と「海外旅行者の携帯品」の2つがあります。この記事でお伝えする簡易税率は「少額輸入貨物にかかわる簡易税率」です。

■簡易税率と一般税率の違いの結論

  • 一般税率と簡易税率の違い=一回で輸入する商品の課税価格が20万円を超えるのか?
  • 20万円を超える=一般税率
  • 20万円以下=簡易税率
  • 金額的に一般税率=商売。個人使用目的=簡易税率と考えても良い。
  • ただし、商売目的でも簡易税率、または個人目的でも一般税率をあえて適用できる。

関税

一般税率と簡易税率とは

外国から商品を輸入するときは、税関に「〇〇と××を輸入します!、関税は〇〇円です」と自ら輸入手続きをしなければなりません。この一連の手続きを「輸入申告(ゆにゅうしんこく)」と言います。輸入申告の方法は、おおむね「どのような輸送方法を使って輸入するのか?」によって異なります。

例えば「国際郵便物」として輸入した物は、各地の空港などに設置されている「外郵出張所」で、税関職員によって課税されます。この場合、自ら輸入申告するわけではないため「賦課課税方式(ふかかぜいほうしき)」と言います。

一方、「国際宅配便」などで輸入されてきた物は、各宅配会社の倉庫(ほぜいそうこ)に一時、保管された後、宅配業者が代理で輸入申告と納税をします。その後、各個人宅へ配送されたときに、荷物の引き渡しと同時に、関税や消費税を回収する仕組みです。

上記2つと異なる一般的な商業輸入は、自ら申告と納付が原則です。いわゆる20フィートや40フィートなどのコンテナを使って輸入(一般商業輸入)するときが当てはまります。この場合、輸入者の申告した内容によって支払うべき関税が決まります。これを「申告納税方式(しんこくのうぜいほうしき)」と言います。

以上をまとめると、次の通りです。まずは、この違いをざっくりと覚えておくようにしましょう!

輸入方法 申告方式
国際郵便物 賦課課税方式
国際宅配便 申告納税方式
一般商業輸入

簡易税率と一般税率の違いとは?

簡易税率と一般税率の決定的な違いは、一回で輸入する金額(課税価格)が20万円を超えるのか? 超えないのか?にあります。超えるものは、一般税率。超えないものは、簡易税率が適用されます。

一般的に国際郵便や国際宅配便で輸入する貨物は、20万円以下になることが多いため「国際郵便・宅配便=簡易税率」と覚えてしまっても問題はないです。一方、商業目的で輸入するときは、20万円を超えることが多いため一般税率を適用することが多いです。

一般税率とは?

一般税率とは、一回で輸入する貨物の課税価格(厳密に言うと、貨物の価格ではない)の合計が20万円を超えるときに適用する関税率です。商売目的で輸入するときは、ほぼ一般税率を適用すると考えればいいです。

一般税率は、およそ10000程ある関税率表から、最も適切な関税率を探します。この作業が意外と手間がかかることが多いです。そのため、一般税率を適用するときは「通関業者」に依頼するのが一般的です。通関業者を使えば、難しい関税率表を読み解く必要もなく、自分で輸入申告するよりも「適正な輸入申告」ができます。

また、一般税率で輸入申告するときは「品目ごとに異なる関税率」を適用して計算してくれるため、ざっくりと計算する「簡易税率」よりも無駄に関税を支払う可能性が低いです。これが一般税率の特徴です。次に簡易税率についてご紹介していきます。

簡易税率とは?

簡易税率とは「簡易」の言葉の通り、およそ9,000種類もある一般税率をたった7つの税区分にした関税率のことです。

品目〔具体的な品目例〕 関税率
1 酒類
(1) ワイン
(2) 焼酎等の蒸留酒
(3) 清酒、りんご酒 等
70円/リットル
20円/リットル
30円/リットル
2 トマトソース、氷菓、なめした毛皮(ドロップスキン)、毛皮製品 等 20%
3 コーヒー、茶(紅茶を除く)、なめした毛皮(ドロップスキンを除く) 等 15%
4 衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものを除く) 等 10%
5 プラスチック製品、ガラス製品、卑金属(銅、アルミニウム等)製品、家具、玩具 等 3%
6 ゴム、紙、陶磁製品、鉄鋼製品、すず製品 無税
7 その他のもの 5%

引用:税関

基本的には、国際郵便物や宅配物など輸入するときに適用される貨物です。簡易税率を使うことができる条件は、一回で輸入する課税価格の合計が20万円以下であることが条件です。この20万円以下の課税価格とは、次のように考えます。大きなポイントは、商売目的なのか、個人使用なのか?です。

目的 課税価格の求め方
個人使用目的 海外市価に0.6をかけた数字
商売目的 海外購入価格+送料+保険代金

簡易税率の3つの特徴

上記の式の結果、求められた課税価格の合計が20万円以下であれば、簡易税率を適用して輸入できます。また、簡易税率には次のような特徴があります。

  1. 複数の貨物があるときは合算して計算されることが多いです。
  2. 簡易税率を適用したくないときは、一般税率にできます。
  3. 複雑な証明書類が免除されます。

1.あわせて計算されてしまうことが多いとは?

一回の輸入で複数の貨物を輸入するときがありますね。それぞれ輸入する物が全く異なり、簡易税率による税率も異なるときです。このようなときは、それら貨物の中で最も高い関税率をすべての貨物に適用する合算申告をされる可能性が非常に高いです。

例えば、商品aには10%、商品bには20%、商品cには5%など、それぞれ別の関税率が設定されているとします。本来ならば、商品ごとに関税額を求めることが理想です。しかし、簡易税率を適用するべき貨物は、膨大な数があるため、含まれる貨物の中で最も関税率が高い物(この場合商品bの関税率)をすべて適用してしまうことが多いです。ご自身で計算した関税額と合わないときは、このように合算されていることが多いです。

2.簡易税率を適用したくないときは、一般税率にできます。

基本的には、課税価格が20万円以下の物には、簡易税率が適用されます。しかし、実はこの簡易税率は必ず適用しなければならないわけではありません。輸入者が希望すれば一般税率を適用して輸入することが認められています。

3.複雑な証明書類が免除されます。

簡易税率を使って輸入するときは、とても大きなメリットがあります。それは「必要証明書類の免除」です。

例えば、関税をゼロまたは低額にするために「特定原産地証明書」があります。たった一枚の書類で本来支払うべき関税が免除されるため、とても重要です。また、各種証明書類の提出も免除されます。証明書類と言えば「天然蜂蜜」などがあります。天然蜂蜜のときは、それが「天然」であることを証明するための書類が必要です。このような書類も簡易税率を適用して輸入することによって、提出が免除されます。

関連記事:「簡易税率とは?たった七つの関税率で輸入ができます。

一般税率と簡易税率では、どちらがお得なのか?

ここまでの説明で一般税率と簡易税率の違いなどをお伝えしてきました。結局の所、どちらの関税率がお得(低い)なのでしょうか? 基本的に簡易税率の方が一般税率よりも低い場合が多いです。しかし、商品によっては、これが逆転することもあるため、品目と輸入金額、必要書類の有無によって考えることが賢明です。一般税率は「ウェブタリフ」、簡易税率は「関税率表まとめ」を使て比較・検討することが望ましいです。

その他、簡易税率の場合は、必要書類が免除されることも注目です。天然はちみつなどは、それが天然であることを証明する輸出国発行の証明書が必要です。このような各種証明書類が免除されることも大きな特徴の一つです。

まとめ

一般税率と簡易税率の大きな違いは、課税価格の合計が20万円を超えるのか?です。もし、超えるときは、一般税率、超えないときは簡易税率を適用します。簡易税率を適用すると、たった7つの関税率から選べば良いため、とても楽です。また、本来、必要な書類の提出が不要であるため「まずは少額輸入で簡易的な輸入をしたい!」方には、適した輸入方法です。

特徴
一般税率 主に商業輸入で行われる(課税価格の合計が20万円を超える)
およそ9000もの関税率から、輸入する商品に適した関税率を見つける必要がある。
商品によっては、簡易税率よりも安い税率が設定されています。
簡易税率 主に国際郵便や国際宅配便のとき使われる(課税価格の合計が20万円以下)
たった7つの関税率表から適する物を見つければ良い
本来、必要な書類の提出を免除される。
自分で複雑な関税計算が不要

 

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