WTO協定税率のルール 関税はどうなる?最恵国待遇の仕組み

この記事は約4分で読めます。
HUNADEサービス&オススメ記事
  • 個人事業OKの通関代行サービス
  • 中国の通関トラブル例と注意点
  • 「必須」アリババ輸入の6ポイント
  • スポンサードリンク


    *当サイトの記事を編集・加筆等し、公開する行為をお断りいたします。

    この記事は、WTO協定税率のルールと関税率、最恵国待遇を説明します。

    日本に商品を輸入するときは、6種類の中にある関税から「輸入する商品に適するもの」を選択する必要があります。今回は、この中でも「WTO協定税率」を紹介します。

    各国が国内法をもとに定めている関税を「基本税率」といいます。一方、日本も加盟している世界貿易機関(貿易に関する国際組織)の会合によって定められた関税を「WTO税率」といいます。この税率は、日本政府が設定する基本税率よりも優先して適用されます。また、基本税率とWTO協定税率を違いを確認すると、同じ商品でも「関税率」が異なる物があることがわかります。

    では、仮に基本税率やWTO税率が異なる場合においては、どちらの関税率を優先して適用しなければならないのでしょうか。国内法に基づいた基本税率を適用するべきか。それともWTO税率が優先されるべきかが迷います。結論を申し上げると、基本税率、WTO税率に関わらず、基本的に「税率が安い方」を適用します。

    WTO協定税率とは?

    WTO(世界貿易機関)とは、貿易に関する一般的なルールを定めた国際機関となります。この機関を設置する目的として「公正な貿易取引によって世界経済の発展に寄与すること」があります。この中にある公正とはどのような意味を持つのでしょうか。

    例えば、「A国」という国があるとします。隣には「B国」があります。A国は経済的に発展もしていて、あらゆる部分で世界の先を行く国です。一方「B国」は未だ貧困にあえぐような国です。両国の間には、圧倒的な「国力の差」が存在します。このような力関係の中、仮にA国がB国を支配するために「貿易的な嫌がらせ」を行ったとします。

    例えば、B国から届く商品に特別に高い関税を課したり、B国の商品を輸入禁止したりすることを言います。ただでさえ、圧倒的な国力の差があるのに、不当なイヤガラセをすれば、この先、B国の発展は望めません。

    このケースでいうと、一番の問題点はA国の一存で「A国内の貿易制度」を全て決められる点です。仮にA国のようにそれぞれの国が「自国に有利な貿易制度」を設ければ、世界の貿易取引は無いものと同じです。このような無秩序な貿易を防止するために、世界貿易機関(WTO)があります。

    世界貿易機関は、商品を輸入する際の一般的なルールを決めたり、当事国との仲裁、そして加盟国に対して一定率以上の関税を課さないことを約束する「譲許(じょうきょ)」を求めたりします。この譲許の結果が「WTO協定税率」です。

    WTO加盟国の数

    WTO協定税率を適用する国は、WTOの加盟国です。したがって、あなたがどこかの国から商品を輸入する場合は、まず、その商品の原産国が「WTO加盟国かどうか?」を確認します。

    2020年現在164の国がWTOに加盟しています。日本と国交がある国が192カ国となりますので、約80%の国々がWTOにも加盟しています。したがって、非加盟国を覚えた方が早いです。

    WTO加盟国一覧

    エイトリアソマリア北朝鮮東ティモール
    モナコサンマリノトルクメニスタンキリバス
    ツバルナウルパラオマーシャル
    ミクロネシアコソボクックニウエ
    南スーダン

    WTO非加盟国の税率はどうなるのか

    上記の表に含まれている国は、WTO協定税率を適用できません。したがって原則は、「基本税率」を適用します。しかし、上記の表に含まれていても「特別特恵受益国(とくべつとっけいじゅえきこく)」に含まれている場合は、基本的に関税は「無税」で輸入できます。

    関連記事:初めての特恵関税(関税を安くする仕組み)

    WTOの原則的なルールとは?

    WTOの原則的なルールに「最恵国待遇」があります。これは、WTO加盟国に入っている国同士は、それぞれの国に対して「自国の関税制度の中で最も恵まれている関税を適用する義務」があります。

    例えば、日本には基本税率があります。商品Aに対する基本税率が10%、WTO税率が5%の二つが設定されていれば、輸入者に対して5%のWTO税率を適用する必要があります。このように取り扱うのも最恵国待遇のルールが存在するためです。

    しかし、この最恵国待遇に例外を与える物があります。それがEPAなどの経済連携による関税です。

    2020年現在、日本は17のEPAを締結しています。これらの国々を原産国とする商品は、WTO協定税率よりも圧倒的に有利な関税率を適用できます。一見、このようなことは、WTOの「最恵国待遇のルール」に違反しているように感じます。しかし、EPAに基づく最恵国待遇の除外は、WTOのルールの中でも例外的に認められています。ちなみに2015年頃に大筋合意した「TPP」もEPAの一種です。

    まとめ

    世界貿易機関への譲許による税率が「WTO協定税率」です。この税率は、WTO加盟国を原産国とする貨物に対しては、等しく平等に適用しなければならないことになっています。したがって、基本税率などが存在する場合には、WTO協定税率が優先的に適用されることになります。

    FavoriteLoadingこの記事をお気に入りに登録登録済の記事を確認



    epaまとめ記事
    hunadeのお問い合わせページ

    [スポンサードリンク]

    関税とEPA
    この記事の執筆者
    HUNADE

    貿易サイト「HUNADE」の代表。通関業者で勤務した経験をもとにして「もっと貿易を身近に。」をミッションに活動中!難しい貿易をできるだけわかりやすく解説し、貿易の一助になることが目標。基本的には、東海地方に住みながら国内各地、海外などでも活動し、できるだけ柔軟な発想を維持できるように努力しています!

    HUNADEをフォローする
    HUNADEをフォローする
    HUNADE EPA/輸出入/国際物流
    国際輸送
    見積依頼
    お問い合わせ先FavoriteLoadingこの記事をお気に入りに登録 トップへ戻る
    error: Content is protected !!
    タイトルとURLをコピーしました