宅配便などで荷物を発送するときは、送り状伝票に「何を入れているのか」を記載します。宅配会社は、伝票の情報から、箱の中身がわかります。これにより配送事故を防げます。この配送伝票と同じ意味を持つ書類が「CLP(コンテナロードプラン」です。
貿易業界の場合、外国へ商品を輸出するときに海上コンテナを利用するが一般的です。このコンテナ中身をCLPに記載して貨物の事故が起きないようにしています。そこで、この記事では、コンテナロードプランの概要、目的などをご紹介します。実は、2020年現在、CLPの代わりに「B/L Instructions」が使われています。
- CLPはコンテナの貨物明細書
- コンテナ1本ずつ記載する。
- 目的は、貨物内容の把握、船の重心点の計算など
- 2020年現在は、代わりにB/L Instructionsが利用されている。
コンテナロードプラン(CLP)入門
コンテナの中に「どのような商品を運んでいるのか」を説明する資料がCLP(コンテナロードプラン)です。CLPは、通関業者や荷主が作成をした後、実際にコンテナを輸送する船会社へ提出します。
- CLPの作成者:通関業者、フォワーダー
- CLPの提出先:船会社
コンテナロードプラン?
商品を輸出するときは、港から空のコンテナを取り寄せた後、自社の工場でコンテナの中に貨物を積めます。バンニング後のコンテナは輸入国の荷主に届けられるまで開封されないため、船会社は、荷主より貨物の中身に関する情報を提供してもらい、輸送事故が起きないようにしています。この書類がCLPです。
コンテナロードプラン(CLP)には、積み込まれている商品情報(商品の名称、数量、積載状況、ウェイト、メジャー(容積))など記載されています。これらの中でも特に重要な情報が「貨物の中身」と「総重量」です。なぜでしょうか? 主な理由は、次の2つです。
- コンテナの中身を知りたい。
- コンテナの重量を把握し、船の重心点を計算したい。
1.コンテナの中身を知りたい。→危険物は?
船会社は、CLPを参考にして「コンテナの中に危険品を入れていないか」をチェックしています。
これは、私たちが飛行機に搭乗するときのことを考えればわかります。「開封済のペットボトルは持ち込み不可、ライターは二個までOK」などの厳しいチェックがありますね。これと同じように船会社は「コンテナの中に危険な物を入れていないか」を確認しています。
危険品の例:可燃性がある製品、「極度にコンテナを汚したり、破損したりする製品」などがあてはまります。
2.コンテナの重量を把握し「船の重心点」を求める。
船会社は、コンテナの「総重量」も気にしています。なぜなら、総重量は船の「重心点」を考える上でとても重要になるからです。
船の重心点とは、船の重さの中心点のことです。これが船体の真ん中あたりにあると、安定した航行を実現できます。「重心点がどこにあるのか」は、船に限らず、乗り物を安定的に走行させる上で重要なポイントです。コンテナ船の場合、重心点に最も関係するのが各コンテナの重量と船積み位置です。重い物が左右どちらか、または前後どちらかに偏っているようでは、重心点が船体の真ん中にはきません。この場合、航行をする上では、とても不安定です。
一方、各コンテナの総重量を把握した上で、船の前後、左右にバランスよく船積みをすれば、おのずと安定した航行ができます。この理由により、コンテナの総重量は、船の重心を決める上でとても大切です。
コンテナロードプランで必要な情報
コンテナロードプランには、次の2つの情報が記載されています。
- 商品情報
- コンテナ情報
1.商品情報
商品名、個数、シッピングマークなどの情報を記載しています。この中にあるシッピングマークとは、貨物のダンボールに記載されている貨物紛失用のマークです。
2.コンテナ情報
貨物の個数やグロスウェイト(総重量)、容量(メジャー)などの情報を中心として記載しています。この他、本船名、出港地なども記載されていますが、あくまでコンテナ状況を把握できる総重量やメジャーなどが重要です。
以上の情報を伝えることにより、CLPは作成可能です。
2020年現在のCLPに関する状況
以前は、CLPとして存在をしていましたが、2020年現在は簡略化の流れにより「B/L Instructions(B/L作成指示書)」というフォームを利用しています。下記はONEジャパン様のフォームですが、基本となる形は、船主協会で統一されています。
CLPに関連する疑問
コンテナ番号とは?
海上輸送に利用するコンテナの一本一本には「コンテナ番号」と呼ばれる固有の番号がふられています。(例:NYKU1454752576など本)船の動向を確認したり、搬入が上がっているのかを確認したりする場合は、このコンテナ番号を利用して確認します。
コンテナシールとは?
コンテナに貨物を積み終わると、最後に「コンテナシール」をします。いわゆるコンテナの施錠のことであり、一度、鍵をかけると、シールを破壊しない限り、コンテナを開封できないようになっています。唯一、コンテナのシールが開封される可能性があるの「税関検査」のときのみです。これ以外の場合は、輸出者から輸入者へコンテナが開封されることなく、届けられます。
コンテナロードプランのまとめ
コンテナロードプランは、コンテナの中身を伝える書類です。船会社は、通関業者(荷主)から提出されたCLP(コンテナロードプラン)に基づいて、重量バランスが良い船積みを行います。そのため、コンテナロードプランは、コンテナの中に入っている貨物の情報をできるだけ正確に記載することが求めれます。
実際の貿易実務の現場では、コンテナロードプランの作成は通関業者が行う物であるため、概要程度に覚えておけば良いです。
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