非居住者(海外在住者)のための貿易ガイド

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    「海外に在住しており、異国の地に居る利点を活かし、日本との貿易を始めたいと考えている。もし、海外に居ながら、日本への貿易で稼ぎたい。」

    あなたは、このように考えられていますか? そこで、この記事では、海外居住者でありながら、日本への販売(輸出)を考えている方に向けて、貿易の始め方や注意点をご紹介していきます。

    海外居住者の貿易ガイド

    海外居住をしていると「これ、日本で販売できるのでは?」と感じることが多いです。実際、東南アジア周遊の旅に出ていたときは、日々の生活の中で、この疑問が出てくることが多かったです。

    貿易を始めるための4つのポイント

    では、海外に居ながら、日本に販売するには、どのような知識や注意点が必要なのでしょうか? 話を簡単にするために、まずは、この先の記事で説明する2つの前提条件を確認します。

    1. あなたは海外にいる。
    2. あなたの家族、友人等は日本にいる。

    この記事をご覧になるあなたは、何らかの理由で海外にいます。よって、物理的に、日本での手続きはできないです。また、日本側には、家族や友人等がいることも前提条件です。

    この条件の下、海外に居ながら貿易をする場合に検討するべきポイントは、次の5つです。

    1. 通関関連
    2. 物流・倉庫関連
    3. 販売面
    4. 節税と在庫管理ノウハウ
    5. 所得税関連

    *この先の説明は、非常に「かんたんな表現」にしています。その点は、ご了承をお願いします。

    1.通関関連

    まずは、誰を「日本側の輸入者とするのか?」です。輸入者とは、日本側で貨物を受け取る人です!海外にいる方で小口で輸送(ダンボール等)する方は、日本にいる家族等を宛先にして送る方が多いです。ただし、この方法は、貿易ビジネスとしてする場合は、微妙です。

    実は、貿易は、誰が輸入者になるのか?によって、納税義務を負う人、PL法の義務を負う人が変わるからです。納税義務とは、日本に海外の貨物を輸入するときに発生する関税や消費税などの負担です。もし、家族に輸送すると、その家族が納税義務者にあたります。

    あなたのビジネスなのに、家族が納税するのは、おかしいですね! そして、もう一つは「PL法」です。PL法とは、製造物責任法の略です。あなたが製造(輸入)した商品に何らかの問題があり、それを使った人がケガ等をした場合は、輸入者が賠償責任を負います。

    実は、輸入品にも製造物責任法が適用されます。そして、輸入品に関するPL法の責任も「輸入者にある」とされています。

    上記2つの点から、あなたの家族や友人を輸入者として荷物を受け取ってもらうには、次の2つの点で重大な問題があると言えます。あなたがビジネスをするのに、家族に責任を押し付けるのはあり得ないですね!でも、それをしているのが「家族や友人を輸入者(宛名)」にすることなのです。

    家族を宛先にすることの問題2つ
    1. 納税義務
    2. PL法の責任義務

    では、あなたが海外にいる場合、日本に輸入はできないのでしょうか? この場合、方法は2つがあります。

    1. 第三の会社に輸入者となってもらう。
    2. ACP(税関事務管理人)
    1.第三の会社に輸入者となってもらう。

    日本側で「輸入者」となってくれる会社を探します。今回は、これをBとしましょう。そして、この場合は、次のスキームで取引をします。

    1. あなたからBに対して輸送(輸出する)する。
    2. Bは輸入申告をし、輸入許可を得る(Bが納税をし輸入者となる。)
    3. あなたは、Bから輸入後の商品を再取得する。(国内取引)
    4. あなたは、3の商品を国内販売する。

    上記の形であれば、あなたは、輸入者とはならず、納税義務やPL法の義務を負いません。それらは、輸入者であるBがなるからです。とはいえ、もちろん、この部分の負担は、国内販売で再取得する際に、実質的にあなたが負担することは同じですが……

    2.ACP(税関事務管理人)

    次は、非居住者が輸入代理人を選定できる「税関事務管理人制度」です。これは、海外に居住している人が日本に輸入することができるように、指定の第三者(通関業を持つ者など)に、自らの税関手続きの代理人になってもらう仕組みです。

    税関事務管理人に指定できる条件は、日本に住所を有する人です。また、この一連の手続きを「業」として行う場合は、通関業の許可が必要です。つまり、家族や友人等を税関事務管理人に指定すれば、通関業の許可(税関管理人に指定される人)は不要。通関手続きに関して、一円でも金銭の受領(手続き代行代等)がある場合は、通関業の許可が必要です。

    税関事務管理人ができること
    • 検査の立会
    • 納税
    • 輸入(出)許可書の取得
    • 還付金の受領など

    あなたの貿易スキームは、誰が輸入者となるのですか? 輸入者となる場合の義務を理解しよう!

    2.物流、倉庫関連

    次に国際物流や倉庫関連のことを考えます。日本の通関後の倉庫保管や出荷機能、法規制対応などを考える必要があります。主な検討ポイントは、次の通りです。

    • どのように国際配送を実現するの?
    • それは、誰に依頼するの?
    • どこから、どこに輸送するの?
    • 輸入許可が下りたら、どこに国内配送するの?
    • どこの倉庫に配送する? 自宅? 倉庫?
    • 検品はどうするの? →壊れている可能性を考えよう。
    • 法規制への対応は大丈夫?

    などです。海外から商品を輸入する場合、結構な頻度で荷物にダメージが発生しています。輸入許可後には、必ず良品、不良品のチェックが必要です。このチェックが完了した後に、輸入品を国内販売するための法的規制への対応があります。

    例えば、輸入食品の場合を考えてみましょう。輸入食品の場合は、食品表示法に基づき、販売する迄に、法定事項を記載したラベルの貼り付けが必要です。アパレル関連であれば、家庭用品品質表示法への対応などです。これをアマゾン等の倉庫(その他の倉庫)に入れる前に行います。

    いかがでしょうか? あなたの家族や知人に頼み、これらの対応ができるかを考えてみましょう。

    • 国際貨物の荷受け
    • 良品、不良品の検品作業
    • 必要な物は、法定対応

    もし、できない場合は、輸入通関から検品、法定対応等、そして、アマゾンFBAへの納品等ができる専門の業者に依頼する必要があります。(例:エフシースタンダードロジックス株式会社など)

    割高なEMS/小包配送から脱却するためのメソッド

    3.販売面

    次に売り方です。輸入品の販売と聞くと、すぐにアマゾン販売、楽天販売、自社ネットショップなどが思い浮かびますね! ただし、実は、これ以外にも売る先や売る方法はいくらでもあります。

    例えば、ECによる販売が拡大していると言われている世の中でも、実は、日本の市場は、ECよりも実店舗販売の方が圧倒的に多いです。●●ハンズ、ロ●●などですね!また、私の知り合いの社長さんは●セタンなどにも販売しています。

    輸入品の販売=ネット販売

    この考え方にとらわれていると、非常に大きな市場を逃すことになります。ただ、まずは、ネットショップで販売をしてみたいと考える方も多いでしょう。その場合は、次の方法が便利だと思います。

    • BASE
    • SHOPIFY
    • 楽天市場

    BASEは、誰でも簡単にネットショップを構築できるサービスです。難しい知識は不要です。商品画像と説明文を用意するだけで、それっぽいネットショップを開設できます。ネット上では「BASEは売れない」と、アドバイスをする人がいます。

    しかし、私の実体験で言えば、売れます。売れないという人は、需要がない商品を扱っているだけです。それは、単に売れないことをBASEと紐づけて、正当化しているに過ぎないです。BASEでも、一日で何十万円と売り上げを上げることは可能です。

    base 売上例

    ただ、BASEはある程度の売り上げになってくると、非常に手数料が高く感じてきます。そこで、次に検討するのが「SHOPIFY」です。SHOPIFYは、月額3000円程度で開設できるネットショップです。BASEのように無料で運営はできませんが、BASEよりも手数料が圧倒的に小さいです。

    月間で10万円の売り上げを超えるようになったら、SHOPIRFYに移行しても良いと思います。

    もし、最初から本気でネットショップ販売をしたい場合は、いきなり楽天市場に出店するのもありだと思います。ちなみに、楽天出店とアマゾン出店の違いは、出店基準にあります。基本的に楽天は、日本に住民登録等がないと、出店できません。アマゾンは、誰でも可能です。この2つの違いは、外国勢力による過当競争のなりにくさで現れてきます。

    • アマゾン販売=過当競争になりやすい。
    • 楽天販売=ある一定の競争の中で勝負できる。

    海外にいるあなたでもコントロールしやすい方法で、国内販売を実現しよう!

    4.保税保管・輸入税のコントロール方法とは?

    在庫を抱えて貿易ビジネスをするようになると、在庫リスクや輸入税の部分が気になります。

    「少しでも在庫リスクを下げたい」

    「輸入税等の諸税を必要最小限にしたい」

    と、願う方は多いです。実は、上記を実現するための便利な制度があります。それが次の2つです。

    1. 保税在庫
    2. 保税転売
    3. 延納制度

    保税在庫とは、日本に港(保税区)に貨物を輸送後、輸入許可を受けずに、あえて外国貨物のまま保管。日本国内の売れ行きに合わせて、適宜、輸入許可を取得し、税金を納める方法です。もし、売れ行きが悪い場合は、そのまま積戻しをして、外国に返品することも可能です。

    • 日本国内の在庫を最小にできる。
    • 必要な分だけ輸入諸税を支払える=キャッシュフローが良くなる。

    また、これと関連して「保税転売」と呼ばれる方法もあります。これは、輸入許可を受けていない物(外国貨物)を第三者に転売することです。つまり、輸入許可を受ける前の段階の貨物を売却するのです。これにより、売り手は、日本に輸入時の諸税を気にしなくてもよくなります。

    最後にお伝えするのは「延納制度」です。延納制度とは、輸入諸税を支払う時期を延期できる仕組みです。指定の担保を差し出すことで、その担保の範囲内のおいて、関税や消費税の納税を延期できます。少しでも手元資金の回りを良くしたい場合に便利です。

    以上、3点も合わせて覚えておきましょう!

    5.所得税など

    あなたは海外にいる状態で、日本側でネットショップを運営し、収入を得る場合は、税金はどのような扱いになるのでしょうか? 事業として運営する場合、やはり、納税部分は正しく確認したいですね!基本的に、この分野は非常に専門性が高いため、税理士や会計士等のプロに聞いた方が良いです。

    例えば、あなたがカナダに居るとしましょう。この場合、日本とカナダは、租税条約を結んでいるため、どちらか一方で納税をしている場合は、他方の納税はしなくても良いです。

    貿易ビジネス・立ち上げプロセスのおさらい。

    最後にここまでの内容を踏まえて、貿易ビジネスの立ち上げプロセスを確認していきましょう。

    1.マーケットリサーチ
    2.少数輸入&テスト販売
    3.売り手との交渉
    4.同時にフォワーダーとの交渉
    5.輸入通関及び倉庫納品
    6.売れ行きの把握と在庫管理

    関連記事:「輸入」サンプル請求から本格輸入までの全手順

    まずは、雑誌、店頭、グーグルキーワード、アマゾンランキング等を使い、マーケットをリサーチします。売れている商品がある場合、その要因や改善点を確認していきましょう!ある程度、リサーチが終わったら、少量を輸入してテスト販売してみます。

    このテスト輸入を通して、売れ行き、法的規制の有無の確認、関税率の確認等をあわせて行いましょう。また、実物等を確認して改善点等を洗い出します。これらの情報をまとめたら、商品の売り手にオファーを出して交渉をしましょう。

    また、この売り手との交渉と併せて、フォワーダーなどに国際輸送の見積もりを出します。このときは、国際輸送の見積もりをとるときの9つのポイントを意識します。情報に不足があると、適切な見積もりができません。

    もし、売り手がCIP等の価格を提示してきた場合は、EXWやFCA等で再度、価格を提示してもらいます。これで、CIPの価格とEXWFCA+フォワーダー提示の価格とを比較検討できます。なお、日本側の輸入通関や国内倉庫等の手配も合わせて考えます。

    後は、日本国内の販売状況に応じて、再度、在庫を輸入したり、新製品を開発したりして、貿易ビジネスを継続させていきます。適切な商品を仕入れる。それを安全に輸送し、国内に保管する。そして、適切な価格で適切なお客に販売することで、末永い物販ができると思います。

    最後までご覧いただきありがとうございました。

    Japan Customs Guide for Import

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    貿易コラム
    この記事の執筆者
    HUNADE

    貿易サイト「HUNADE」の代表。通関業者で勤務した経験をもとにして「もっと貿易を身近に。」をミッションに活動中!難しい貿易をできるだけわかりやすく解説し、貿易の一助になることが目標。基本的には、東海地方に住みながら国内各地、海外などでも活動し、できるだけ柔軟な発想を維持できるように努力しています!

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